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7月31日は「パラグライダー記念日」

落ちているんですよ ゆっくりと

え?

だから落ちているんです 飛んでなんていませんよ

見晴らしのいいこの場所から パラグライダーの花が咲いていた

赤と黄色の花は一際華やかで 大空をにぎやかに飛んでいた

あ違う 落ちていた 先輩曰く

じゃあですね 先輩はあのパラグライダーはみんな落ちてると言いたいんですか

そうです ゆっくりとものすごくですが ゆっくりと落ちてるんです
まぁ本人たちは自分は飛んでいると思っているんでしょうが 落ちています

落ちる

重力に従った正しい行動でした と褒めてくれる人はいなかった もしニュートンがご存命だったらきっと 褒めてくれたに違いない

わたしが実験棟の屋上から落ちたということは あっという間に学校中に広まり なにやら心配して怪しい水を売りにくる女学生や おれ 病んでる子が好みなんだと 話しかけてくる男子生徒に混じって 先輩はわたしに話しかけてきた

落ちるとき 何を思った?

「落ちるとき 何を思った?」

同じことを ゆっくりと世界一安全な自殺を遂行しているパラグライダーを見ながら 聞いてきた 先輩に

「パラグライダーよりかは 早く 落ちました」と答えた

7月31日は「パラグライダー記念日」

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