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僕が生まれ持ったものは治らないものだった①

「推しが尊い」
好きな芸能人に対して僕がよく使う言葉、他の人もどこかできっと耳にしたことのある言葉。


中学生の時ある俳優さんが大好きになった。出てる雑誌はできるだけ読み、出演番組はほぼ録画、この映画に出ていたと聞けばTSUTAYAで借りるというオタ活をしていた。

生きている姿を一目見たい、そんな一心で
ライブに行く妄想、彼がドラマの主役に抜擢されるとかあれこれと妄想したり。
彼女になりたい、とかではなくてその人が元気にテレビに出ている姿、芸に打ち込む姿に崇拝する気持ちを持っていた。

その当時の僕はいじめの標的になっていて、現実逃避したい気持ちもあってひたすらに追っかけた。


高校生に進級してからも追っかけは続けていたが念願のライブに行った途端、ふっと魅力がなくなって
神様ではない、ただの俳優に変わってしまっていた。
ライブに行き、動く姿をみて僕の崇拝心が満たされたのだろう。

その次は宝塚にハマってしまった。会いにいく、というか動く姿を見ること自体が目的であるその趣味は僕の心を今も掴み離さない。舞台に関する話はまたどこかで。

こうして僕の青春は部活以外全てが趣味で構成された。


そしてそんな青春時代ずっと、僕が嘘をつき続けたことがある。


尊ぶ以外で人を好きになったことがないのだ。


そもそも恋愛なんてできるレベルじゃないブス、加えて自意識過剰だったので自分で言うのも悲しいが、とんでもない事故物件である。
あとは過去数回いじめにあっていて、
その怨念対象(いじめっこ)のほとんどが男だったのもあるかもしれない。

体の作りが違う人間、それだけ。
話してたのしいのを好きだと思い込んで、周りに溶け込もうとした。
感情表現と喜怒哀楽の大きい子だったから、スキンシップもめちゃくちゃするが、これと言って何がしたいとかがないから自然に距離ができた。
その繰り返し。
時には絶対自分に脈がない人を好きだと言い、わざと振られて周りに馴染むふりもした。
彼には申し訳ないことをしたなぁとたまに振り返ったりする。

僕は何かがおかしい。
当時はオネェとか、ゲイやレズかしか聞かない。
僕は男も女も好きにならない。
『早く彼氏作りなよ』
周りは言う。
ぼくは分からなくて、怖くて
そんなまま社会人になった。

お兄ちゃんにしたい人が出来たが、
好きの距離を測り違えてまたしても離れてしまった。
僕はやっぱり普通じゃない。

そんな時、僕が知ったのが
『性的マイノリティ、LGBT』だった。

レズビアン ゲイ バイ トランスジェンダー

そんな中でぼくが当てはまったのは
Aセクシャル

LGBTで調べると、この4つのカテゴリーの他にも幾つか出てくる。
ひとつずつ自分と照らし合わせてやっと見つけた。

カテゴライズされることの安心感は
本当に今でも忘れられないぐらい衝撃だった。

人と同じでないことを恐れて、気持ち悪いと思われたくなくて
怯えて生きてきた20何年かが救われた瞬間だった。

恋愛の話になる度怯えてなんとか話を合わせてきた自分。
好きだと思い込んで結局気持ち悪くなって気持ちが離れてしまうこと。
性的な行為を自分に置きかえられない不安。
ごまかすために少女漫画のときめく部分を真似して擬似恋愛をしていたこと。

色んなことを誤魔化すために
ここに書ききれないくらい嘘をついた。

これからもずっと嘘をつき続けるんだと思っていた。

②へ続きます。

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