「怒ってはいけないのか?どう怒れば良いのか?」~部下育成の現場からの話~
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
「部下を怒ることができない」という話を管理職の方から聞くことがあります。その理由を聞くと「怒ると部下がやる気をなくす」、「ついてきてくれなくなる」と話していました。
また、最近の若手社員は怒られることに慣れていないという時代背景もあり、「怒る」ということが難しくなってきていることも管理職の方々の悩みを深くさせている要因だと考えられます。
今日は、「怒ってはいけないのか?どう怒れば良いのか?」について考えたことをお伝えできればと思います。
■こんな時にイライラしませんか?
例えば、あなたの部下が以下のような行動をしたとします。
・仕事でミスをする、同じ間違いをする
・時間に遅れてくる
・言ったことができない
・頼んだことをやっていない
・仕事に身が入っていない
部下が上記のような行動をしていて、思わずイライラして、怒りの感情が沸々と湧いてくるという経験が記憶にあるのではないでしょうか。
まず、「怒りの感情」について注目してみたいと思います。
■怒りの感情をコントロールする
怒りの感情をコントロールしてマネジメントに活かしていく「アンガーマネジメント」という心理手法があります。
アンガーマネジメントによると、
とあります。
アンガーマネジメントでは「怒らない」状態を目指しません。怒るべき場面では上手に怒り、怒る必要のない場面では怒らなくて済むようにするということが目指すべき姿なんです。
そこに、「6秒ルール」というものがあり、自分の怒りを感じたら、まず6秒待つ。そうすることで、感情で怒るという部分を減らすことができ、幾分か理性的な判断ができるようになるというものです。そういった意味では、まず自分が怒りの感情を持っているということに気付けるようになるということが始めのステップと言えそうです。
■「怒る場面」と「怒らない場面」をどう判断する?
つぎに「怒る場面」と「怒らない場面」の判断・区別をどうするかということです
先述の怒ってしまいそうな部下の行動、これらはどう区別したらよいのでしょうか?
・仕事でミスをする、同じ間違いをする
・時間に遅れてくる、その連絡がない
・言ったことができない
・頼んだことをやっていない
・仕事に身が入っていない
そういった意味では、「時間に遅れてくる、その連絡がない」、「頼んだことをやっていない」ということについては、怒ることが必要だと考えます。
小宮コンサルタンツ代表の小宮一慶氏は、組織運営をしていく際の鉄則として「規律の中の自由」という話をしています。
小宮氏が言っている規律というのは、会社で決めた約束事や考え方のことで、「規律を守らせ、細かい部分は裁量に任せる」ことで強くて良い組織ができるということ。裏を返すと、規律を守れないゆるい組織では強い組織にならず、また管理がガチガチな組織もまた強い組織ならないということを言っています。
■「規律」を守っていなければ怒る
このことと同じことを言っている方がいました。それは、Jリーグで躍進を遂げているFC町田ゼルビアの黒田剛監督です。
黒田監督は、もともと青森山田高校の監督を務め、7回の全国制覇を成し遂げる名門サッカー部へと育て上げました。そこに目を付けたFC町田ゼルビアの親会社サイバーエージェント藤田社長が黒田監督に声をかけ、高校サッカーから直接Jリーグの監督になるという異例中の異例な抜擢となりました。就任1年目でいきなりのJ2優勝。さらに、現在行われている2024年のJ1リーグでFC町田ゼルビアは、5月5日時点で首位に立っています。J2から昇格したチームが首位に立つことも異例なことです。
こうした異例なことを実現してきた黒田監督が「強い組織づくり」について、次のようなコメントをしていました。
また、その記者によると、
■「規律」以外の部分では怒らない
これらの話から、組織が大事にしている約束事や考え方については、徹底して守らせ、そこに反した行動をしていた際に「怒る」ということが必要ということがわかります。
そこを徹底することが、その組織の風土をつくり、強い組織の土台をつくっていくことにつながる。そこの緩めてしまうと、統率の取れない組織になり、成果も結果も出せないということ。
一方で、すべてをガチガチに管理をすることも現実的ではない。サッカーで、試合中、プレーの判断をするのは選手。状況は刻一刻と変わる。先の状況を予測をしながら、選手自身が判断をしていかなければならない。ビジネスや仕事でも同様なことが言える。現場の社員が判断をしていかなければならない。そこには自由度が必要になる。規律を軸として、自分で考えて行動できることがそこには求められる。
言い換えると、自由度が求めれることについては「怒らない」ほうがいい。
例えば「仕事でミスをする、同じ間違いをする」については、なぜそのミスが起こるのか、どうすれば起こらないようになるのかを部下に考えてもらうことを促すアプローチを取る。できるようになるためのサポートをするというようなイメージ。ここには忍耐も必要になる。
「自社にとっての規律とは何か?」
「その規律をどう部下に守らせていくか?」
そのためには、まずは経営者や管理職の方々がそれを認識し、自分自身が守っていく、徹底していくことが求められるということは言うまでもありません。
「規律の中の自由」
自分自身も戒めとしていきたいと思います。
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