ちゃお！
ミラノは今日も雨です。
ミラノでは秋から冬にかけて、雲が空全体に分厚い蓋をするの。外に出ても、今何時なのか全く見当もつかないような、不安になるような天気が続くと、さすがの晴れ女も負けちゃいそうになります。
日本の晴れ続きの冬が恋しいよぉ。

ヨーロッパからきた子たちは特にね、晴れになると本当に嬉しそうに
「今日晴れてて気分最高！どこか行かないと！」って
みんなウッキウキになるの。
天気の話って、てっきり話題に困ったときにするためにあるものだと思ってたよ。
みんなとってもかわいい。

わたしね、イタリアに来て最初の2、3ヶ月の空はあんまり覚えていないのよね。
空を見上げた記憶が、ない。

あるとき、幸せの定義について考えていたときに母に
「ママっていつ幸せだなぁって感じる？」
って聞いてみたことがあるの。

母から返ってきた答えは、

「風がきもちいときとか、お日様が出ていてあたたかいときに感じるかな」

幸せとは？っていう質問に対して、この答えは想像していなかった。風や太陽のありがたみを感じる余裕があるママは、もうすでに心が健康な状態なんだろうなあって思った。

そういえば私って日本にいたころ、雲を見るのが大好きだったのよね。当時付き合っていたひとに「雲女」って呼ばれていたくらいには。
自分にそんなステキな趣味があったこと、すっかり忘れてしまっていたわよ！
留学に来て最初の方はね、進路のことで頭がいっぱいで。せっかくイタリアに来てるのに、頭の中は過去とか未来に飛んでばっかりだったんだよね。まさにずっと「心ここに在らず」の状態。空を見上げる心の余裕がなかったの。がんばらないとっていう呪縛に囚われて、知らずのうちに気持ちが張り詰めていたんだろうなぁ。

留学開始から7ヶ月。今は毎日空を見上げることができているよ。

みんなは今日の空、覚えてますか？
思い出せないのなら、もしかしたら、ちょっぴり頑張り過ぎてるのかもね。

ちゃお！