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カナダで医者の質問に度肝を抜かれた話

ども、カニカマです。カナダでアプリとかを作ってます。

今日はカナダでの体験談です。

カナダで6年ほど住んでいて、ありがたいことにあまり差別を経験したことがありません。

町中では何語か分からない言葉が行き交っているのが当たり前です。
さすが移民に支えられている国なので都市部ではいろんな人種が混在しています。

ただカナダも大きいのでもちろん地域にもよりますし、白人ばかりの地域だとアジア人は浮いてしまうとか多少の差別はあるのかも。

それでも基本は移民に支えられている国なので、僕らみたいな移民者は住みやすい。基本みんな優しいし。

そうやって普段なにも気にせずに生活していた時、医者が放った一言が強烈に今でも残っていますって話です。

病院に行った時の医者の一言

こちらに来て間もない1年目、急に心臓の動悸が止まらず焦ったことがありました。普段ならすぐ収まるはずの動悸が治らず病院で見てもらうことにしました。

カナダの医療システムは医療費がほぼタダなのでありがたいですが、すごい待たされたりします。まぁまぁひどい状態なのであまりいかないようにしてますが、今回はしかたない。

近くの「ウォークイン・クリニック」といって飛び込みでいける病院があるので、待ち時間を覚悟で飛び込みました。

ウォークインだと日本みたいに皮膚科・耳鼻科・泌尿器科とかの専門医にすぐにかかれないので、まず一般内科の先生に見せて対処します。そこでひどい場合は紹介状とかを書いてもらうらしいのですが、だいたいは様子見ましょうみたいになるらしい。あんまりちゃんと見てもらえなかったり、次のステップまですごい時間かかるらしい。

まぁ今回は1時間ほどで医者の先生に会うことができて見てもらえることになりました。

実は待っている間にだいぶマシになっていて、見せようか帰ろうか迷ってました。見せるときには治ってるって結構あるあるだと思うんですが、まぁ恥ずかしい。
ただせっかく待ったし悔しいので念の為診てもらうことにしました。


そこで先生にいろいろ問診で聞かれるわけです。

「昨日はなんか悪いもの食べた?」「ないです。」
「寝不足?」「寝れました。」
「薬はのんでる?」「飲んでないです。」
「いままで同じようになったことある?」「たまに。」
「ヒロシマかナガサキにすんでたことある?」「ないです。」
「それ以外の体調不良はない?」「大丈夫です。」
「なにかのストレスかな。ちょっと様子見ましょうか。」「はい。」

・・・・・ん?
ちょっと待て・・・・。
なんだ今の質問は・・・。

「ヒロシマかナガサキにすんでたことある?」

どういう意味だ?
住んでたら何なんだよ。

一瞬意味がわからなかった。

意味を理解するのに5秒ぐらいかかりました。

この先生は原爆の関連があるかもと疑ったってことか?
あれから何年経ってると思ってる?
今広島と長崎に何人の人が住んでると思っているの?

ん?なんだ?
なんだこの質問は。

すごい。すごい。もうこれはすごい。
日本人だと分かってこれを聞いてくるって、もうすごいの一言。

人によってはその場でブチギレる人も全然いるだろうし、それぐらいの案件だと思う。

ただ急に想像もしていないアングルからパンチが飛んできたので、対応が遅れたのと、怒りを瞬発的に爆発させれない性格なので特に追求することなく帰ってきた。
急に想像もしていないことを言われると人は固まってしまうのが理解できた。


帰り道で質問を反芻する。
なんだこのモヤモヤは。

以前、語学学校でフランス人に日本人の特徴として目を細めるゼスチャーをやってきたやつがいたが、それ以上の衝撃度だった。
そのフランス人は若かったし、たぶんそれが差別に当たるとは微塵も思ってないんだろうと思います。その時はそれはダメだよって軽く注意しておいたが、まぁしゃーない。なにも知らんのだろう。注意で許そう。

ホームレスみたいなやつに「ファッキンアジアン!!」とか遠くで聞こえたこともあったが、まぁヤク中なので気にならない。許そう。

でも今回は違う。
病院だよ。医者だぜ。

こんな失礼で無知な質問を平気でできるってスゲーなって逆に笑けてきた。

これはなんだ?差別か?
なんか差別ともちょっと違うな。

なにが気持ち悪かったのだろうと考える。
結論、単純に広島や長崎の人に失礼だ。今でもそこに住んでたら何か問題があると言わんばかりだ。そして日本人はその可能性があると。

多分こいつも日本人嫌いだからなんか言ってやろうとか、そんな悪気もなかったんじゃないかな。

単純に無知なんだろうなと思った。馬鹿なんだろうな。

こんな医者にもなろう頭を持っている人が。
勉強ができても、そういうとてもとても簡単なことをわからない人はたくさんいるんだろうな。

もうその医者に関わることはないし、そいつを教育しようともこれっぽっちも思わない。
もちろんその病院には絶対にいかないので全く気にならないが衝撃度は結構なものである。

僕にできることは笑い話として語り継がせていただく。

というわけで

これが唯一の差別、というか日本人として屈辱を受けた瞬間である。
これ以外は平和で楽しく暮らせいます。

逆に日本人であることがプラスに働いてることも多いなと感じます。

日本人は勤勉だとか、真面目とか、綺麗好きだとか好意的に見てもらえることも多いです。
日本という国に友好的な人も多し、日本人のイメージも他の国の人よりいいんじゃないかと個人的には思っています。
ありがとう、先人の日本人たち。おかげでラッキーも享受しております。

それと同時に自分もこういう失礼なことを言ってないかと心配になりました。気をつけないと無意識に相手の国の尊厳を傷つけている可能性もあります。
相手の国の宗教や歴史考え方を、最低限知っておかないとなと考えさせられた出来事でもありました。

無知は時として刃になることもあるので、いろいろ知っておかなければなぁと思う話でした。

ではでは。


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