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書籍『かんもくの声』への反響とあらためて思うこと

2月に出版いたしました書籍『かんもくの声』へ、さまざまなリアクションをいただいています。ありがとうございます。

各種SNS、ブログ、Amazonレビュー、読書メーター、Web記事などで、ご意見ご感想を書いてくださったり、メッセージやお手紙くださったりと、うれしく見させていただいています。こちらですべてはご紹介できませんが、とても励みになっています。「共感した」「心の叫びが突き刺さった」「場面緘黙についてとても細かく書かれている」「付箋だらけになった」「自分の場面緘黙についても振り返ってみた」などのお声もいただきました。ありがとうございます。おかげさまで、重版もしております。

各地の図書館にも置いてくださっているので、気になる方は「図書館検索カーリル」やお住まいの地域の図書館サイトなどで検索してみてくださいね。各図書館からのご注文も可能です。

決して万人向けの内容ではありませんが、こういう場面緘黙の人もいるよと伝える試みが拙著『かんもくの声』です。よく熱量がすごい、と言われますが(笑)、場面緘黙の苦しさについてはしつこく書いています。そこは、ひとりでも多くの人の心にのこるよう伝えたいところなので、しつこいくらいでよいと思ったのです。あと私の黒歴史的青春エピソードは、痛々しくちょっと激しいですがめちゃくちゃ笑えます(真面目な本ですが、個人的エピソードとしては笑ってもらえたらうれしいです)。

社交不安、社会不安障害、共依存、メンヘラ、ひきこもり、不登校、発達障害、ASD、愛着、躁状態、吃音、障害とメディア などのキーワードが気になっている方にも、お読みいただけるとよいかもしれません。

また『かんもくの声』は、元当事者による体験談と考察を通して、私個人の「場面緘黙の世界観」の一部を表現しているともいえます。もちろん場面緘黙そのものを代表するようなものではありませんし、むしろそのような視点を本書は拒んでいます。ひとりひとりの場面緘黙(の世界観)があって、それはひとりひとりの物語とは切り離せなくて、私は(自分以外の)それを知りたいのです。ゆえに、『かんもくの声』は私のきわめて個人的な話でもあります。

場面緘黙支援については、私は専門家ではないこともあり、また個々のアセスメントが重要であるという観点から、本書ではほとんど触れていません(私自身の体験としても専門的な支援は受けていません)。支援も含め、場面緘黙の人たちが暮らしやすい環境・体制を整えていくこと。そんな展望は私ひとりでは到底できることではないので、場面緘黙に関わる人たちとつながりながら、ともに考え、少しずつ関わっていければと思っています(それほどに、未開拓でもあります)。

また、場面緘黙のとき、周りの人にどう対応してもらいたいかは、個々にちがうとしても、共通部分は今後もっと掘り下げていきたいです。この点はもう少し本書に盛り込めたらよかったのかもしれません。本書に触れ、もし周りに場面緘黙の人がいたら、どう接したらよいの?と思われる方は多いでしょう。周りの人と同じように自然に接する、無理に話させようとしない、話さないことを責めない、無理のない可能な方法で意志を確認する、今できていることに近いところからステップを踏んでいくことなどは共通しているかもしれません。ただ、やはりひとりひとりに合う具体的対応がちがってくる(同じ対応でも、話せる人もいれば余計に話せなくなってしまう人もいる)点は強調する必要がありますし、その人のもつ背景や症状の程度、置かれている状況、性格などもひとりひとり異なります。それゆえ、支援においても個々に対する丁寧なアセスメントが重要であり、軽率には書けなかった面もあります。場面緘黙は個人差が大きく、その人がどういう人かがわからないと支援しにくいのです。さらには、場面緘黙専門の支援機関もないに等しい状態です。本書の出版は、そのような現状が変わっていくきっかけづくりにもなればと思っています。

詳しいサポートについては専門書が参考になりますし、成人の場面緘黙の方を対象とした専門家による書籍も今後出版されるそうです。それらを参照しながら、この点についても、さまざまな意見・事例をシェアしつつ、今困っている人に役立つ観点を、皆さんと考えていければ幸いです。

気になるところ、掘り下げたいところ、モヤモヤするところ、共通点、相違点など、本書をネタやたたき台として、いろんなかたちで場面緘黙を語り合ってもらえたら、そして語り合えたら。。。とても嬉しいです。未熟ながら、引き続きご意見・ご感想・ご助言などいただけましたら幸いです。


#場面緘黙 #場面緘黙症 #かんもくの声


皆さまからのサポートをいただけましたら幸いです。 今後の活動資金として活用いたします。