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場面緘黙の人に起こりがちなこと #緘黙あるある

以前Twitterで【場面緘黙の人に起こりがちなこと】をツイートしたところ、思いのほか反響をいただきました。場面緘黙の人に起こりがちな事柄を箇条書きでピックアップしてあります( #緘黙あるある  と言ってもよいのかも)。ツイートは埋もれやすいので、誤字など訂正しnoteにもまとめておきます。

【場面緘黙の人に起こりがちなこと】#緘黙あるある

・あいさつができない
・忘れ物ができない(貸してって言えない)
・お手洗いに行けない
・給食が食べられない、人前で食事するのが苦手
・怪我や体調不良を言えず我慢してしまう
・「あっ」て言ってみてと言われる
・何でしゃべらないの?と言われる
・おとなしい、無口、真面目と思われる
・朗読や歌のテストが困難
・合唱で口パクになってしまう
・授業でのペアワークができない
・学校で分からないことを聞けない
・日直や係の仕事ができない
・人の名前を呼べない(あだ名が呼べない)
・電話が苦手
・病院や美容院の予約を先延ばしにしてしまう
・美容院が苦痛
・飲食店での注文ができない
・肉まんなど、レジ横商品が買えない
・人の名前や商品名など、固有名詞をなぜか言えない
・自分では普通の声量のつもりだが、何度も聞き返される
・複数人のグループワークで話せなくなる
・調理実習、理科の実験、体育の球技など、チームプレイが困難
・一対一、少人数だと話しやすい
・初対面の人の方が話しやすい 
・何度か会っている人の方が話しにくくなる
・職場での報連相が苦手
・事務的な話ならできる
・分からないことを聞くことができない
・取り込み中の人や会話中の人に、タイミング良く話しかけることができない
・雑談が苦手で孤立する
・会話が続かない
・友達や恋人といった人との関係性を築きにくい、親しくなりにくい
・くしゃみや咳を我慢してしまう
・笑うことを我慢してしまうなど、表情を出せなくなる

●あくまで傾向であって、すべての場面緘黙の人に当てはまるわけではありませんが……場面緘黙の困り感が具体的に伝わるようにピックアップしました。#緘黙あるある ほかにもありそうですが。。 

●だいたい当てはまる!という場面緘黙の方からの声もありました。私もだいたい当てはまります。人によって、できることとできないこと、できる範囲とそうでない範囲は各々ですし、昔はできなかったけど今はできる場合もあるかと思います。

●ASDなどが背景にあると、「雑談が苦手」には場面緘黙以外の会話の苦手さも含まれるかもしれません。また、場面緘黙でなくとも「私もこれ苦手」というのもあると思います。が、ここでは場面緘黙=「話したくても話せないこと」「発話が必要な場面でも声が出ないこと」で生じる日常の困りごととしてピックアップしています(同一の困りごとを主題に、各人の苦手な理由のちがいを考え話し合うと、当事者研究的になるのかなと思います)。

●8月にお話させていただいた「場面緘黙ってなんだろう?」というイベントで「場面緘黙とは何か?」基本的知識などを20分ほど説明しました。その際、時間が余ったら言おうとピックアップしておいたのが上記の【場面緘黙の人に起こりがちなこと】です。場面緘黙のことを全く知らない人たちに知ってもらう・想像してもらうには具体的なあるあるやエピソードが分かりやすいのでは?という気持ちから用意しました。が、結局イベント当日こちらは話さずに終わりました。イベントでは、私も含め3名が場面緘黙の詳細な体験談をお話しまして、その中で具体的な体験・想いを伝えることができました。場面緘黙について何とかお伝えできたかと思います。

#緘黙あるある  は、当事者が共感・交流・当事者研究的に用いるだけでなく、非当事者に場面緘黙の具体的な困難を伝えるためのツールになるのではないでしょうか。初めて場面緘黙を知って「話せないのなら、無理に話さなくてもいい」「話せなくて何が困るの?」と言う人は少なからずいます。そのときに、当事者・経験者として相手に何と伝えたらよいのか用意しておくことが必要と感じています。私は、場面緘黙の苦しさは日常そのものであると伝えたいです。例えば、日常の些細な困りごとと地続きで、面接試験などの対人場面が進学や就職における社会的障壁となってしまう現実もあります。身近で日常的な事柄であれば、多くの人が場面緘黙の視点を共有できますし、そこから起こりうる困難についても、想像しやすいのではないでしょうか。 

あとは、場面緘黙のとき、どんな事柄や対応が嬉しかったのか、あるいは嫌だったのか知りたいと言う人に向けた #緘黙うれしかったことあるある #緘黙いやだったことあるある  があってもよいのか?と思ったりもしました(もし使いたい方いたら、使ってください!)。 

社会的認知度がある程度向上しても、当事者から歩み寄り、自ら伝えていかねばならない部分はあるだろうと思います。場面緘黙由来の伝える苦手さや消耗も予測されるけれど、それぞれ無理の少ない伝えやすい方法で伝えつながっていけたら、と考えています。今の私にとってはSNSやnoteなど、ウェブを通して言葉で伝えることは、主たる方法のひとつです。思うようにいかず歯がゆいことも多いですが、今の自分に無理なくできるやり方が、妥協点でもあり、最適解でもあるような気がしています。

#場面緘黙  #場面緘黙症 #緘黙あるある
#かんもくの声






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