見出し画像

teba saki ガイヤーン

こんにちは、kannesugiです。
 幼い頃から食への興味が強かった僕は幼稚園の年長の頃には自分で目玉焼きを焼けるようになっていた(本当です)。
僕の料理の師匠は母だ。学生時代には地元の食堂でバイトし、今は暇さえあればYoutubeのプロのレシピ動画を見漁っている。23歳頃から海外で生活しているので、食べたいものは自分で作らざるえない状況下、料理の腕はメキメキと上達。正直、母より美味しい料理を作れるように。
しかし、ひとつ絶対に敵わない料理がある。

 我が家は兎に角アウトドア派だった。夏の週末、地元のバスケチームの練習が無い時は、日高や秩父のキャンプ場に連れて行ってもらった。僕たち兄弟はとにかく水遊びが大好きで、河原に手ごろな岩と水深があれば飛び込んで度胸試しをした。弟は特に無鉄砲で2歳も下なのに僕の度胸試しにひるむどころか、僕が負かされることもあった。
(親の監督はなかったのだが、近頃の親御さんはどうしているのだろうか・・・)

 遊びに遊び、腹を空かして野営地に戻るとキャンプには似合わない七輪で母が手羽先を焼いて待ってくれている。親父は我慢できずにすでにビールで顔が赤い。
これにむしゃぶりつく。醬油とニンニクが炭火で焦がされた香ばしさと程よい甘み。七輪から直接素手でハフハフ言いながら食べた。
腹が落ち着いたら、また川に戻る。
そして食う。
泳ぐ。
食う。
ワンパクを絵に著したようなガキだった。

 自分でもキャンプに行くようになると友人達にもこの手羽先を味わってもらいたく、母にレシピを聞いた。「ナンプラー、濃口醤油、大量のにんにくとあらびき胡椒、そして少しのオイスターソースとはちみつ」
タイ東北部のガイヤーンという料理らしい。
(バンコク風はレモングラスやパクチーの根をいれないらしい)
レシピ通り作ってみるも、あの味が出ない。これまでに何十回も作ったが何かが違う。
そもそもタイのレストランで食べても何かが足りない。

思い出補正とは恐ろしいものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?