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ABDのはじめの一歩

Active Book Dialogue(以下、ABD)という読書法を知っていますか?

ABDは、2017年春にアクティブ・ブック・ダイアローグ協会が発明した新しい読書法のことで、読書が苦手な人も、本が大好きな人も、短時間で読みたい本を読むことができる全く新しい読書手法です。

1冊の本を分担して読んでまとめる、発表・共有化する、気づきを深める対話をするというプロセスを通して、著者の伝えようとすることを深く理解でき、能動的な気づきや学びが得られます。

私がABDを知ったのは2018年の3月頃。友人に「流行りのTeal組織をみんなで読んでみない?」と誘われたのがきっかけでABDを知りました。

とにかく様々な効果があるABD。私はこの手法に魅了され、今では自身が主催者となってABD会を開催しています。今回は実践を通じて感じたABDの特徴・効果と、実際自身が開催してみて気付いたことを書きます(元々、本ブログはWordpressに書いていたのですが、ちょっとずつ移行中…)。

ABDに参加してみたいが少々不安という人や、開催してみたいが何から始めていいか分からないという人に参考になるかと思います。

1. ABDの流れ

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1. オープニング

1. チェックイン
参加者同士で今の気持ちやABDに対する期待等を話し、話しやすい雰囲気作りをします。ここでポイントなのが「自己紹介をしない方がいい」こと。様々な業種・役職の方がいる中で、それを明かしてしまうと余計なフィルターがかかってしまうため、フラットな状態で参加できるよう、自己紹介はABDが終わった後に行うことを勧められました。

2. オリエンテーション
ABDの説明や流れを説明します。

2. メイン

1. コ・サマライズ
各自パートごとに読み、要約文を作ります。具体的には1冊の本を裁断し(これが意外に気持ちいい…)、大体同じ分量になるように振り分けます。その後、 B5 または A4 用紙程度の大きさの紙に 6 枚以内で、ざっくり要点 をまとめます。</li><li>ここでやりがちなのが「要点に自分の意見を書いてしまう」ことです。これまで参加者が書いた紙を見ると、自分の考えや知識を書いてしまう方がちらほらいます。これをしてしまうと、あとで写真を撮って見返した時に、この言葉は本の中に書いてあることなのかそうでないかが分からなくなってしまい、正確に本の内容を理解しにくくなります。このことは、オープニングの「オリエンテーション」の段階でしっかり説明することが重要です。

2. リレー・プレゼン
参加者が書いた紙を壁に貼り、本の最初の部分から順番に、リレー形式で各自がまとめたものを、要点をしぼってプレゼンしていきます(一人 2~3 分以内を目安)。</li><li>プレゼンの際のポイントは、「(可能であれば)自身が話す前の参加者の話しを踏まえて話す」ことです。これにより、聞く方も内容の繋がりが見え、より理解度が深まります。

3. ダイアログ
全員の発表が終わったあとは、あらためてまとめた紙を見て回り (「ギャラリーウォーク」と呼びます )、リレー・プレゼンを聞いた参加者が感想や疑問に思ったことを付箋に書き、発表した紙にぺたぺた貼ります。最後に全体で集まり、 印象的なことを紹介します。

3. エンディング

1. チェックイン
今の気持ち、ABD の感想などをシェアして終わります。

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2. 実践を通じて感じたABDの効果

1. 分厚い本も短時間で読破できる
2. 参加者は事前準備、事前購入せず参加できる
3. プレゼンテーション力が身につく
4. 本を通じて様々な考え方や価値観に触れることができる

特に4番目の効果を実感しています。これは「エンディング」時に本の内容に関する感想や意見を交わしますが、参加者全員が「リレー・プレゼン」や「本を通じて様々な考え方や価値観に触れることができるダイアログ」を通じて理解が深まっている状態であり、共通言語をベースに話せるので、より深い議論をすることが可能です。ABDの効果として、よく1番目の効果を前面に押し出していますが、ABDでなくても、flier等の要約サイトで短時間で本の内容を理解することができてしまいますし、プレゼンする人の裁量によってしまうので、よく理解できない部分も実際あります。ABDでなければ得られない効果は実は4番目にあると思うので、「エンディング」はとても貴重な時間と考えます。

3. ABDを開催するにあたって

1. ABDを通じて目指したいこと

「本を通じて様々な考え方や価値観に触れることができる」という効果を実感し、私もABDを通じてそういう「場」を作り、様々な年齢やキャリアの方に触れることでキャリアコンサルタントとしての質を高めたいと考え、早速企画を考えました。まずは少人数から始め、規模を大きくし、最終的には様々な業界・業種の方々が参加するようなABD会を目指します。

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2. 開催するにあたってのポイント

ということで、まずは少人数(大体4~5名)でABD会を実施しました。ここで私が実施したABD会のコンセプトは「ワイン片手にABD」。これまで2回ABD会に参加しましたが、そこで感じたことは「うまくプレゼンをしなきゃ」というプレッシャーが結構大きいこと。そのため、自身が発表する前の人の発表を聞いていない…という人がいました(初回は自分もそうでした)。

これではもったいないですよね。

そのため、なるべく緊張感なく、楽しくABDができるように、お酒を飲みながら、わいわい、がやがやしたいな、という想いからワイン片手にABD会にしてみました。これが今のところ良いです。

ここで、ABD会開催しようと思っている方向けに、開催にあたってのポイントをご紹介します。

1. 開催メンバーは数名で

開催するにあたって意外と準備することが多いので分担するとよいと思います。

ABD会開催にあたっての準備
・集客
 本のボリュームに合わせて参加者の人数を検討し、集客を行います。
・書籍の検討&購入
 ABD会で取り上げる書籍を検討し、購入します。
・開催場所の検討
 人数に応じてABD会の開催場所を検討します。

ABD会に必要なもの
・書籍
・白紙の紙6枚×人数分
・テープ(紙を繋げて壁に貼る用)
・ペン×人数分(太いペン。ポスカがおすすめ)

ABD会にあったらいいもの
・タイマー
・付箋
・バインダー×人数分

2. 参加者を想定して書籍を決める

はじめて開催する際はまずは少人数で開催してみることをお勧めします。そのとき、声を掛けるメンバーを想定し、そのメンバーが興味を引く書籍を考えるのがいいと思います。

3. 一度開催メンバーだけでABDを実施してみる

とりあえず、開催メンバーで一度ABDを試してみるのがいいと思います。やってみると意外と抜けモレがあったり、もっとこうした方がいいかも!という部分が出てきます。

ご参考まで!

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