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in your mind

ヨガって、まずはアーサナの実践から始めるのがほとんどだろうと思います。

体って心なんてものより実体があってわかりやすいですし
実践の導入にはもってこいです。
(実際のところ、そうやって始めてみると
その体でさえ意外にも扱えなかったり
知らなかったりするもんだなということに気づきます。)

そうやってアーサナの練習を重ねているうちに
ヨガについてより深く知りたいと思うようになって
あれあれ? 体と心って分けて考えてたけれど
どうやらそれらは不可分なんだ、と学んだり
気がついたりするようになります。

そしてちょっと専門的に
ヨガはマインドというものの働きと親しくなり
その関わり方についての実践であるのだということを学んで
そのことを深く探るようになるかもしれない。

マインド

なかなか難しい。
自分のマインドの癖に気が付いたり
その働きを知るのは永続的な作業だと思います。

幾重にも重なった薄い層の一枚をめくって覗くような作業を
繰り返してはいろいろな気づきを重ねる。

おぉ!と驚いたり
いやいやいや・・・と思ったり
にやりとしたり
時にげんなりしたり

それはいろいろ


これじゃだめだとか
ここを直さなきゃとか
そうしたリアクションはとりあえず横に置いてみましょう。
そして、気づいたことをどこかで楽しんでみる。

こんなのが自分の内側にあったんだな〜って
新鮮な目でちょっとためつすがめつ眺めてみる。

そんなぐらいがちょうどいいかなと思います。

急いでどこかに行こうとしなくてよいですし
そしてまた
そんな練習を重ねても実は
私たちは「どこにも行かない」のです

リラックスと好奇心は
ヨガの実践では大切な要素です。


ヨガの実践を続け、マインドというものへの意識も育ってくると
なんとなく自分のマインドを理解したような気になりますが
なかなかもって手強いです。

その癖となるとそれはもう手放したと思っていたら
本当にするりっと何食わぬ顔してもとの場所に鎮座してます。



何もかも移り変わる



今日はそのことについて強烈な気づきを得た時のお話。


私はヨガのトレーニングをNYCで受けたのですが
200時間に続き300時間は帰国後だったので
年に数回渡米して数年かけて受講を重ねました。

時間もお金もかかったけれど
(そしてそれは相当負担ではありましたが)
学んだことを練習して身につける時間が取れて
かえってよかったなと思っています。
頭で理解することやその知識を覚えることは
意外と早くできるかもしれないけど
それが自分の経験として身に付くには
時間がかかるのではないでしょうか?

さらにそれを洗練させるとなるとこれまた永遠に続きます。


是が非でもどうこうしようとせずにリラックスする。
そうすれば
その時のわたしが受け取れるものを
私に必要なものを
自然と受け取っているのだと思います。

とは言え、当時の私は、頭でそんなことを「理解」し
口でそんなことを言いながら
いろんなことが、もう一生懸命
120%ぐらいの熱量だったなぁって思います。

熱い

というか

暑苦しいね
(そしてそれもまたOKです)

さて、その300時間のトレーニングの中に
「経験のある練習生の指導法」という項目がありました。
(ここでは advanced level という言葉を使っていたのですが、この言葉の意味はアーサナの話ではなくて、成熟した練習生という意味です)
トレイナーは恩師のマーギでした。

久しぶりにマーギから学べるというので
私も他のトレイニーたちもわくわくしてました。

トレーニングでは指導の工夫についてから
複雑なアーサナをどのように指導すればいいのか
そして成熟した練習生を対象に私たちは何を指導するのかについて
熱心なディスカッションにグループワーク
そしてデモ指導などどれも楽しかった。
最後には、ヨガを指導するってどういうことなのか
ヒントになるような言葉とメッセージが渡されて
それは私にとって大きなインスピレーションになりました。

トレイニーたちがそれぞれマーギに感謝の言葉を送って解散した後
私とマーギはあの少し薄暗い廊下(それがとても落ち着く場所でした)のベンチに座って近況など会話を楽しんでいました。

私は、トレーニングが本当に素晴らしかったこと
クリエイティブな工夫には本当にインスパイアされたこと
あの気づきをもたらすためにあんな風に工夫に富んだ指導するなんて
やっぱりすごい!って思うこと、などなど、マーギに伝えました。

いっぱい受け取りたいと一生懸命
熱量全開だった私
その興奮気味の私の賛辞にマーギは一言

「that's in your mind」

そう言われてキョトンとした私は
「いやいや妄想とかじゃなくて
あんな風な工夫は確かにあの気づきにつながったし
そんな指導は本当に素晴らしかったよ
そんな風に導いたのではないの!?」

「that's in your mind」

・・・?

その時は、ふむ・・・そうかな〜
謙遜??
なんて、頭の中に???が広がる中
話題は別の話へとシフトしてしまったので
そのままになりました。

スタジオを後にしてトレーニングが終わった充実感を満喫しながら
マンハッタンをふらふらと散歩して
ふと、そのことについて何となく考えては
他のことに気を取られてを繰り返していた時に・・・

はたっと気がつきました!

O! Yes!  それは私のマインドの中にあったのです。

私がそのようだと「主観的に」分析し、そうだと「判断し」
そしてそれを使って「自分が思う」素晴らしい先生を
頭の中で創り上げたということです。
(実際に素晴らしい先生ではありますよ。)


ありのままを眺める


私が頭の中でこうだと判断した(創り上げた)ことは
実際のところ、どうなのかはわからないことです。

そうかもしれないし
そうでないかもしれないし

マーギは「それあなたのマインドの中にあるんだよ」
そう教えたんです。


この先生の指導は断トツ!
こんなすごい先生ここにしかいない!
そんな風に叫びたくなるような先生に出会うことって
人生にはきっとあると思います。

そして私も幾度となくそうやって感動しましたし
そんな風に声に出すことに目くじら立てなくてもいいと思っています。

でも、同時に

先生に限らず何でもそうなんですが
そんな風に熱量高い時
(良いことの時もそうでないことの時も)
自分のマインドの中でどんな操作がなされているかについて
ヨガを実践しているのであれば
ちょっと好奇心もって眺めてみるといいかもしれない。

つまり少し離れて眺めてみる。

するとよりクリアに濁りのない眼差しで
眺めることが可能になるのではないでしょうか?

会話の中で受け取ったこのヒントは
私にはとても印象深く
またそれは私に大きなインパクトを与えました。

マインドって時に厄介です。
でもやっぱりなんだか面白い。

そして

こんな指導をさらっとしてくれる先生って
やっぱりすごいなって私は思います。


OM
Kaori