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◇大事なお作法~拳のしまい方~◇

時には姿勢を問うこともある

子供が発熱したため早退する予定だった日、
事件が起きました。
私がある打合せから戻るとトラブルが勃発していて、
それも、何を置いても緊急対応が優先されるような
なかなかピリピリした案件。
ところが、私のチームのスタッフが誰一人部屋にいない!
なんと別の会議に参加していたのです。

さすがにそれはないだろ?

釈然としない気持ちを押し殺しながら、
とにかく目の前の対応を
残っていた上司と私で大急ぎで進めました。
30分ほど経った頃、会議が終わったスタッフが
ぞろぞろ戻ってきました。

緊急対応が少し落ち着いたタイミングで、
私はスタッフに向かって
「トラブル対応が最優先ではないのか?
全員いないとはどういうことか?」

と問い掛けました。

振り上げた拳のしまい方

ところが、これは私の完全なる勘違いでした。
スタッフが参加していた会議が始まった時間と、
トラブル発覚のタイミングが、
微妙に数分ズレていました。
つまり、スタッフは全員知る由もなかったのです。

拳を振り上げた状態の私は、しばらく逡巡しました。
でも答えは1つしかないんですよね、最初から。
私はスタッフたちにすぐ謝罪しました。

「みんなごめん。私の勘違いだった。申し訳ない」

不機嫌になるスタッフがいてもおかしくない。
むしろ相手が私だったらキレてたかもしれないな…
と思っていたら、スタッフみんなが

「kaoraさんがこの状況見たら、そう思いますよね」
「連絡してきた人が私達にも漏らさず
伝えてくれたら良かったんですよ!」
「早退予定なのにむしろすみません!大丈夫ですか?」

と言って、ガシガシ手伝ってくれたのです。

ひとりでは相当時間が掛かったであろう過去資料の捜索も、
みんなが一緒に探してくれたおかげで、
すぐに集めることができました。
そして私は無事に早退し、
子供を病院に連れていくことができました。
(夜にリモートで追加処理は発生したけどみんなには内緒)

ミスした時はすぐ謝罪、方向性を修正する

今回の一件は、完全に私のミスリードでした。
「早退しなければ」と少し焦っていたとしても、
それは会社には全く関係のないことであり、
それが仕事に出るようじゃ失格です。

でも実際の私は、恐らく心のどこかに
そのことが引っ掛かったまま仕事をしていて、
かつ上乗せでトラブルが発生し、
自分で思っているより相当焦っていたのだと思います。

もしもあの時、私がスタッフの気持ちを考えず
叱ったままだったら。
もしも振り上げた拳をしまうことなく、
怒りに任せていたら。
間違いなく、
スタッフの気持ちは一気に離れてしまっていたでしょう。

以前、一緒にお仕事をさせていただいた
行政機関にいらっしゃった方が仰った言葉があります。
私が仕事をする上で、
その言葉は大事なものになっています。

リーダーは明確な指針を打ち出さないといけません。
そして即断即決です。
でも間違えたときは直ちに是正すること。
そして新たな指針を打ち出すことが大切です。

今でも心に留めている言葉

なかなか人に「謝罪する」というのは難しいことです。
上辺だけで謝っても相手には簡単に伝わります。
でも、リーダーだって人間ですもの。
(開き直りではなく)
間違えることだって大いにありえる。

これって、上司部下の関係だけでなく、人間関係全般、
もちろん親子関係でも同じです。
親が威厳を保つため拳を振り下ろすことしかしなければ、
子供との信頼関係はなくなります。

親も間違いに気付いたら、しっかり謝罪する。
それを見た子供たちは、
自然とそれができる大人になっていきます。
逆にそれができない大人を見ていると、
それでいいのだと誤った方向に進んでしまうと思います。
そしてその先には、良いチームづくりができない、
残念な大人が増えてしまうのではないかなと思います。

間違いに気付いた時の、振りかざした拳のしまい方。
「正しいお作法」を身に付けて、
素直な気持ちで対処しましょうね。
自戒を込めて。。。


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