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*校庭の記憶*

春。
新学年のスタート。
私の小学校時代のある思い出の1つに
ふんわり春の匂いがします。
今日はそれを書いてみようかな。

***************

実際は、本当に春だったのか、
今となってはよくわからないんだけど。
でも頭に焼き付いている風景は
視界の右側に桜の花びらが舞っている。
状況証拠的には恐らく春。

新学年のスタートはクラス替えから。
幼少期から虚弱体質だった私。
今思えばコミュ障ってやつだったな。

だってそりゃそうでしょ、
入退院が多くてあまり学校に行けないのに
クラスの中央付近になんて
とてもじゃないが寄りつけるわけないよ。

運動もできない、お喋りが上手でもない。
でもとりあえず、学校の成績だけは良い。
そんな私は、たぶん2、3人の友達はいても
全然積極的じゃなかった。

さらに、言うても時代は〇十年前(こわっ)
今ほど母子家庭が多くない時代。
母子家庭だった私は、
先生から率先して差別を受ける側だった。
・・・ま、この話、今は止めとこ。
暗くなってもしょーがない😊

母はずっと仕事してくれていたから
家事全般、学校行事は祖母が担当。
祖父母が来てくれるのを恥ずかしがるような
不届き者がたまにいるらしいが
ほんとにほんと、
私は全く思ったことがない。

むしろ嬉しかった。
かなりありがたかった。

ただね、1回だけ。
恥ずかしいというか、なんというか、
鮮烈に記憶に残っている光景があってね。

***************

恐らく、新学年スタート直後、
まだクラスにみんな馴染んでいない頃。
どこの小学校でもそうなのかな、
授業参観や懇談が行われる。

無邪気な子供達は、
歩いてくる自分の親を見付けるために
校舎の窓から校庭を覗いている。
「わー来たー!」
「アレ、〇〇ちゃんのお母さん?」
「弟も来てる~!」
低学年だからさほど照れることもなく
ワクワクするんだよね。

その時も私の元には
祖母が来てくれることになっていた。
「おばあちゃん、早く来ないかなー?」
私も祖母の到着を静かに心待ちにしていた。

***************

大人になった私にはわかる。

コミュ障な孫を心配していたのだと思う。
おばあちゃんが行事に参加することで
「孫がバカにされちゃいかん!!」と、
とてつもない気合いを入れてくれたのだと思う。

校庭が若干ザワつく(ような記憶)
窓を覗いている子供達も一瞬止まった(ような記憶)
校庭に向かって舞い散る桜吹雪(のような記憶)

・・・そこには、
黒の紋付に身を包んだ、我がおばあちゃんが
えげつない貫禄で歩いてきたのだ。

うそやーん💦

ただただ、衝撃映像として
脳裏に焼き付いて離れない
私のおばあちゃん(笑)

どこかの親分のおかんのような姿の祖母は
実はコミュ力おばけでもあった。
黒い紋付のまんま、娘くらいの周りのお母さんと
ニコニコ会話している。

すごい・・・

わが祖母、天晴れ。
孫を守らねばという気持ちが
彼女に黒い紋付を着せたのか、
一張羅がたまたま紋付だったのか
もはやそれもわからないが、
黒い紋付のおばあちゃんが
桜吹雪とともに登場する記憶は
案外今も、私にパワーを送ってくれる。

我が子が不登校になった時、
「親がだらしない疲れた格好していては
子にも先生にも友達にも示しがつかない!」
・・・なんてことを思ったり(笑)

そうやって、
へこたれそうになった時
私に喝を入れてくれる映像として
心の中に残っている。

今年度も、参観にはたぶん
あまり行かないことにはなりそうだけど😅
それでもしっかりとした足取り、
しっかりとした姿勢で、
学校行事と子供達に
向き合うことを誓います✨

おばあちゃん、
いつも来てくれてありがとね🌸


🌸この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です🌸
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