見出し画像

教員として1番身につけたいスキルは〇〇だった!

私が教員だった頃、もっとも身につけたいと切望したスキルは、

「授業力」や「生徒指導力」

などではなく、

「話す力」、すなわち、「話術」

でした。

人を惹きつけるような話術があれば、

・理解しやすく、飽きさせない授業を生徒に提供できる
 ※うまくいけば内容が強く記憶に残り、テスト勉強などの手助けとなる
・生徒とのコミュニケーションを良好にし、
 最新の情報をキャッチしやすくなる
・生徒を説諭する際、説得力のある話ができ、納得させることができる
・集会などで講話をする際、注意事項などを周知させることができる
教師間のコミュニケーションが円滑にできる
・職員会議でスムーズに提案でき、賛同を得られやすくなる
保護者との関係を良好に築くことができ、
 学校、家庭の両方から生徒を支える体制がつくりやすくなる

など、教員のすべての教育活動に好影響を与えるはずです。

若い頃は特に、指導力も経験も圧倒的に不足しているため、

・話す内容
・内容の構成(話す順番など)
・声の音量
・抑揚
・間
・身振り手振り

など、すべてにおいて未熟であり、生徒の前で話をしていても

(全然、説得力ないし、魅力のない話をしているなぁ)
(自分が生徒だったら聞きかないだろうなぁ)
(生徒の集中力が切れるのも無理ないなぁ)

と思い、話の途中で心が折れることが何度もありました。

だから、学校で実施する研修の希望用紙にも
[話術の講習会]と記入するほど、悩みに悩んでいましたが、
おそらく希望が少数なので(私1人かも?)、
そのような研修が実施されることはありませんでした。

そのため、自分流に追究するしかなく

話の上手い先生や生徒指導力の高い先生の話し方や話す内容をマネしたり、
授業で練ってきた雑談を試してみたり、
部活終了後、同じように話術を欲していた先生方と
エピソードトークをして評価し合ったり、
芸人さんのツッコミを参考にしてマネしたり、

など、素人なりにいろいろ試行錯誤しました。

その成果はわかりませんが、
とりあえず話術があろうとなかろうと、
生徒の前で話をする機会は山のようにあるため、
経験だけは積み重ねられました。

そんなこんなで10数年もするとある程度、
生徒が話を聞いていると実感できる鉄板ネタ(?)のようなものが
いくつかできるようになりました。

少しは話術が身についてきたのではないかと思えるようになった頃、
2009年~2012年まで放送された『人志松本の○○な話』で
松本人志さんが好きなものとして紹介した
『黒田官兵衛の話』を視聴し、
自分の途方もない勘違いを思い知らされました。

現代とうまくリンクさせながら面白おかしく、
さらに情熱をもって黒田官兵衛の人物像やその歴史を流れるように
説明する話術は圧倒的で、画面から目と耳を離すことができませんでした。
これこそが惹きこまれる話術であると感動し、
未だにその内容を覚えています。

松本さんの黒田官兵衛の話で受けたその感動を生徒たちに
どうしても伝えたいと思い、
給食の時間に松本さんのマネをして黒田官兵衛の話をしましたが、
散々な結果となりました。

プロの技を簡単に模倣できるはずもなく、
噛んでスムーズにしゃべられないし、
間も抑揚も話すスピードも
何もかも松本さんのトークには
程遠いことが自覚でき、
生徒たちも話に飽きてきたので、
いつも通り心が折れてグダグダになってしまいました。

だからこそ、より話術の重要性を実感することになり、
松本人志さんほどの話術をもって授業を行えたら、
1回の授業で大半の知識が記憶に残り、
学力向上に大きく影響すると確信しました。

その後も、あきらめず研修の希望用紙に
[話術の講習会]と書き続けましたが、残念ながら、
道半ばで退職することになりました。

退職しても身につけたいスキルのナンバー1は
変わらず「話術」です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?