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元祖ザッハートルテをお取り寄せ 忘れられないあの味を思い出す

2021年春、Twitter上で話題になったのが、ウィーンの老舗ホテル「ホテル・ザッハー」のオンラインショップ、全世界への送料無料キャンペーンだ(2021年6月8日まで、現在は終了している)。その後、大手メディアでもこぞって記事が執筆されていた。



ザッハトルテの元祖、ホテルザッハー 

ザッハトルテといえば、オーストリアの伝統チョコレート菓子として有名だ。アンズジャムがサンドされた、チョコレートのスポンジ生地に、チョコレートの糖衣がコーティングされ、見た目も味も重厚なケーキ。

その元祖であるのが、ウィーンの五つ星ホテル、「ホテル・ザッハー」のザッハートルテだ(ちなみにザッハーでの正式名称は「ザッハトルテ」ではなく、「ザッハートルテ」らしい)。

ザッハートルテは、オーストリア帝国の政治家クレメンス・メッテルニヒに仕える料理人であったフランツ・ザッハーによって1832年に生み出され、その息子のエドワルド・ザッハーが「ホテルザッハー」を開業して、ホテルの名物になった。


なぜこんなに話題になったのか

ところでTwitter上で、何故こんなにキャンペーンが拡散されたかというと、この「ホテル・ザッハー」のザッハートルテ、日本では購入することができないのだ。ウィーンでしか買うことができない、正にご当地の味。

正確にはオンラインショップで販売しているので日本にいても買うことができるが、個人輸入しようとなると、ケーキの価格と同じくらいの送料がかかってしまうため、断念する人も多かったように思う。それが今回のキャンペーンでは、60ユーロ以上購入の場合、送料無料というのだから買わないわけにはいかない。

ご当地に行ったことのない人、行ったことがあってあの味をまた食べたいという人も、これはチャンスとばかりに思っていたようだ。


あの時の味をもう一度、甦る旅行の思い出

「ああ、あの味をもう一度!絶対食べたい!」

何を隠そう、私は新婚旅行でウィーンを訪れて、そして「ホテル・ザッハー」に滞在したのだ。

もちろんお土産でたくさんのザッハートルテを買ってきたけれど、それから時は7年も過ぎていた。そして心のどこかでまた行きたい、あの味を味わいたいと思っていた今、これは買わないわけにはいかなかった。

ザッハーロビー

(滞在したホテル・ザッハーのロビー。華やかで重厚もある雰囲気)

ざっはーの朝食

(憧れの元祖ザッハートルテを食べる)

ちなみに、ホテル併設の「カフェ・ザッハー」は、ホテル滞在者以外も入店できるので、時折日本人の姿も見かけたが、ホテル内はほとんどが欧米人で、日本人は見られなかった(そして日本語も通じない。会話はドイツ語か英語が基本だった)。

日本語や日本人とは切り離され、これこそ異国に紛れこんだ気持ちでいっぱい。いつもよりもさらに非日常の気分を感じられたことは、今でも忘れられない。


ザッハートルテお取り寄せに挑戦、も大苦戦

 ということで、ツイートを見つけた私は、はやる気持ちを抑えて、早速購入サイトに訪れる。しかしツイートに気づいたのが遅く、5月の中旬だった私。ちょうどタイミング的に各メディアで拡散が始まっていた。

……とにかく繋がらない!サイトがいつもダウン!!

必死の思いで購入し、購入完了メールを受け取るも、なんと到着予定が2ヶ月後。4月時点での購入者のツイートを追っていくと、どうやら通常だと5日程度でウィーンから到着していたよう。日本人をはじめとした世界中からの注文が驚くほど入っていて、2ヶ月待ちという状況になったようだ。

とはいえ、サイト上で日々発送予定日を確認していると、どんどん予定日が早まり、ついにDHLからお知らせが来た時には小踊りした。


ワクワクしながら開封する

当初予定よりは早く、注文してから約1ヶ月でウィーンから我が家へはるばる到着。ザッハートルテのサイズは、3サイズ展開。我が家は一番大きなサイズ1 (22cm)を注文。

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(このワインレッドの包みとゴールドのリボンに風格を感じる)

早速包みを開けてみると、このような立派な木箱。重量もずっしりとあり、とても洋菓子の風貌とは思えない。

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いざ、開封してお目見えするのは、立派なトルテ。しっかりと包まれていて、初夏の気温の中、常温で運ばれても全く溶けずに届いた。

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ついつい嬉しくなった私は、トルテにはやっぱり無糖の生クリームでしょ!と、生クリームをいそいそと泡立てる(しかもハンドホイップで…めちゃくちゃ疲れた)。

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(ちなみにこのWMFの泡立て器は便利なのでおすすめ)


これだけ濃厚なチョコレートに負けないようにと、洋菓子にはよく用いられるタカナシの「特選北海道純生クリーム42」を使用したら、濃厚すぎて、アラフォーの私の胃にはかなりもたれた…(泣)。
多分スーパーでよく売られている一般的な濃度の「特選北海道純生クリーム35」の方がおすすめかも知れない。


いざ懐かしの味を実食する

生クリームもしっかり泡だてたところで、いざ実食。
せっかくなので、我が家のとっておきでもある、スウェーデンの老舗陶器メーカー、ロールストランドのアンティーク皿を引っ張り出してきた。

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(このメダルチョコがザッハーの証。ああ、懐かしの味再び!)

ご覧の通り、断面にはアンズのジャムが挟まっている。トルテのチョコ、アンズのジャムの配分や味わいなど、各社ごとに違うので、それがウィーンでの食べ歩きのお楽しみでもあった。

私個人は、ザッハートルテはかなり濃厚だけど、糖衣のチョコにビターさが際立った味だなと感じている。スポンジは軽さもある食感ながらかなり甘めのチョコレートに満ちている。そこにまるで箸休めのように、アンズのジャムが途中で訪れるので、食べていてもそこまでのしつこさは感じない。

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(断面にお目見えするアンズジャム)

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(ビターなコーヒーか、濃いめに抽出したストレートティーが合う)


蘇る新婚旅行、ウィーンでの思い出

夫と共にザッハートルテを食べながら、たわいのないお喋りの時間を過ごす。もう7年も前のことなのに、随分と鮮明に思い出すもので、会話が絶えない。

街の道中ではハプニングがあったな、そういえば面白いこともあったよねなど。

滅多に目にすることのできない場所に訪れたり、ザ・観光地を訪れたりと日常と非日常を行き来したことがよみがえる。

そして、ホテルでは滞在者しか知られざる出来事もあった。


その話は、……次回につづく。

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