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心理学・脳科学の実験や知見をご紹介

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使える心理学・脳科学の知識を集めました。
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2019年4月の記事一覧

今すぐ創造性を高める、誰にでもできる方法

一言でいうと感情が動くと、創造性が高まる。 活用シーン自己啓発、創造性 内容ワシントン大学、クリスティーナ・ティン・フォン博士の実験。 102人を4つのグループに分ける。 それぞれに、別々の過去の体験を思い出してもらう。 Aグループ:感情の変化のなかった体験 Bグループ:幸せに満ち溢れた出来事 Cグループ:悲しみに浸っていた体験 Dグループ:感情の浮き沈みがあった体験 その後、RATと呼ばれる創造性を調べるテストを使って、感情と創造性の関係を調べた。結果、Dグループの創

夫婦関係を確実に悪化させる4つの要素

一言でいうとカップルが離婚する確率を91%で予測できるモデルにおいて、以下の4つの要素が重視される 活用シーン夫婦生活、人間関係 内容ワシントン大学名誉教授・心理学者ジョン・ゴットマンと妻で心理学者のジュリー・シュワルツ・ゴットマンの共同研究。 カップルカウンセリングのクライアントの心理的な反応を機械で読み取り、記録した。データを分析した結果、カップルが91%の確率で予測できるモデルを編み出した。 そこで明確になった「夫婦関係を確実に悪化させる4つの要素」は以下の通り

いつも同じ失敗に陥る原因はここにある!?

一言でいうと「決めた!」と思う前に、脳は反応している 活用シーン自己啓発、 内容 1980年代初め、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の生理学者、ベンジャミン・リベットの実験。 参加者の脳の電気活動が測定できる電極をつないだ状態にする。 ①「左手首(あるいは右手首)を動かしてください」と指示を出す。 ②実際に動かす前に、動かそうと決めた瞬間を自己申告してもらう。 そして三つの時点における時間を測ります。 (1)脳の電気活動で脳が決断したとわかった瞬間 (2)決めた

「ついてる」と信じれば本当に幸運になる事が証明された実験

一言でいうと「ついてる」と思う人は本当に幸運になる 活用シーン自己啓発 内容 ハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマン教授の実験 A:「自分は幸運に恵まれている」と思っている人たち B:「自分はついていない」と思っている人たち この二つのグループの人たちに、「新聞に載ってる写真の枚数をかぞえてください」と指示する。じつは、ここには被験者に知らせていない仕掛けがあった。この紙面の中央には「実験担当者にこの記事を見たと言えば、100ポンド獲得できます」と書かれていま

コスプレが人の集中力を上げる!?

一言でいうと人は着る服で能力が変わる 活用シーン自己啓発、教育 内容2012年発表、ハジョ・アダムとアダム・ガリンスキーによる実験 集中力を計測する実験で、 A:白衣を着たグループ B:私服のグループ に分けたところ、白衣のグループが集中力が高くなることが分かった。 さらに A1:医師の白衣だと言われたグループ A2:画家の白衣だと言われたグループ では、A1のほうが結果が上だった。 『脳は「ものの見方」で進化する』ボー・ロット この実験は自分がどんな装いをするか

「できたこと」を思いだすと成功に近づく

一言でいうと自分が過去に成し遂げたことを思いだすと、生活水準が上がった 活用シーン自己啓発、教育 内容カナダ・ブリティッシュコロンビア大学、米プリンストン大学、米ワシントン大学による研究。 ニュージャージー州の貧困層への配給所に2年以上通う150人を対象に実験 「自分が過去に達成したこと」を思いだし、それについて語り、録音した後に知能テストを行った。 結果は、IQは10ポイントも上昇、生活のクオリティが改善した。 一方、同じことをやっても裕福な環境の人には見られな

人は信じたような人間になる事を証明した実験

一言でいうと人は信じたような人間になる 活用シーン自己啓発、教育 内容スタンフォード大学キャロル・デュエック教授らによる実験。 学生を2つのグループに分ける。 A:「人の精神力には限界がある説」を教える B:「人の精神力には限界がない説」を教える その後集中力が必要な作業をしたところ、Bははるかに高い実績を上げた。さらに、Aはジャンクフードの誘惑に負ける人が24%も多く、 やるべきことを先送りにしてしまう人が35%多かったらしい。 『脳の取扱説明書』木ノ本景子 人の

五感をフル活用すると学習効率は劇的に上がる

一言でいうと学習プロセルの中で、能動的な行動が重要なことを証明した 活用シーン自己啓発、学習 内容子猫とバスケットの実験 1963年、ブランダイス大学のリチャード・ヘルドとアラン・ハインによるもの。 ①10匹の子猫を生まれた瞬間から暗闇で育てる。 ②数週間後1度に二匹ずつ外に出し3時間だけ光を当てる。二匹は回転木馬のような装置につながれる。 A:一匹は自分の足で歩く B:一匹はかごに入れられているがAのおかげで周りの景色が移り変わる 双方同じ景色を見、同じ空間を体感して

ゴムの手を自分の手と感じる不思議

一言でいうと身体の感覚は意外とあいまい 活用シーン? 内容2004年ロンドン大学、エアソンらの実験。 ゴムの手の錯覚と呼ばれています。 被験者の片手を机の下や、衝立を立てて隠してしまうなど、被験者から見えない状態にします。そして被験者に見える場所に、ゴム製の手の模型を置きます。 この本物の手と、ゴムの手を同時に筆などで同じように刺激します。 すると被験者は、ゴムの手を、あたかも自分の他のように錯覚して知覚します。また、被験者に「あなたの手を指さしてください」というと、

使った「言葉」が人の行動を変えた話

一言でいうと人は自分が使う言葉に影響される 活用シーン自己啓発、組織マネジメント 内容ニューヨーク大学、ジョン・バルフの実験 大学生を何チームかに分けて、いくつかの単語群から短い文章を作ってもらいます。 1チームだけ、単語群に高齢者をイメージさせる(しわ、忘れっぽい、孤独、白髪、杖)などの単語が混ざっています。 高齢者単語チームの学生たちは、他のチームの人より明らかに歩くスピードが遅かった。 『図解モチベーション大百科』池田貴将 これ、ネガティブに考えるとけっこ

このドレスは「白」?「青」?論争

一言でいうと人の知覚は絶対ではない 活用シーン自己啓発 内容2015年2月に画像投稿SNSで投稿されたある写真が世界の論争の的となった。その理由は、1人は「白地に金色のストライプ」といい、別の一人は「青地に黒いストライプ」と言ったから。写真は以下のリンクで見ることができます。 これに乗じて1401人を対象にした実験が行われた。 青と黒に見えた人は全体の57%で、白と金に見えた人は高齢者と女性がおおかった。 『脳は「ものの見方」で進化する』ボー・ロット さて、みなさんは

黄信号の点灯時間を0.1秒短くしたら起こったこと

一言でいうと人は0.1秒の精度で物事を感じている 活用シーン自己啓発 内容2014年2月アメリカ合衆国シカゴ 「黄色信号の点灯時間を0.1秒短くしたらどうなるのか?」ということが試されました。 赤信号になるとナンバープレートが自動で撮影される違反摘発システムによる取り締まりを行った。結果は、通常3秒だった黄信号の点灯時間を、こっそり2.9秒に変更したことで、あっという間に7万7千枚の違反切符が切られた。苦情が多く寄せられたため元の3秒に戻した。 『脳の取扱説明書』木

小言は人を無能にする

一言でいうとリスクを感じている状態では冷静な判断を下せない 活用シーン組織マネジメント、自己啓発 内容ピッツバーグ大学、カリフォルニア大学バークレイ校、ハーバード大学の研究チームが行った実験。 平均年齢14歳の男子10人、女子22人の被験者に、あらかじめ録音してあった母親の自分に向けた小言を聞かせ、脳の働きを測定。 「否定的な感情と関連する脳の領域が活発になり、感情のコントロールをする領域と客観的なものの見方をする領域の活動が低下した。要するに、ふだんなら冷静に判断で

0.017秒のスキが人との距離を遠ざける?

一言でいうと(1)人は最短で、0.017秒の表情の変化を認識できる (2)人の心はかなりの確率で「さまよっている」 活用シーン人間関係、信頼関係、組織マネジメント 内容人は最短、0.017秒で表情の変化を読み取ることができる。 『カリスマは誰でもなれる』オリビア・フォックス・カバン ※調査の出展は明記されていませんでした。 ハーバード大学の心理学者ダニエル・ギルバートらが2,250人を対象に行った研究によると、普通の人は1日の半分近くは「心がさまよっている」状態 『