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心理学・脳科学の実験や知見をご紹介

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使える心理学・脳科学の知識を集めました。
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#実験

競争させるなら少人数で!

一言でいうと競争相手が少ないほどやる気を出す。 活用シーンモチベーション 内容スティーブン・ガルシアとアビシャロム・トーの研究(2009年) SAT(アメリカの大学入試時における学力テスト)の点数を以下の条件で比較した。 A:大勢の受験者がいる部屋でテストを受けた場合 B:比較的少ない人数の部屋でテストを受けた場合 地域ごとの格差や各種の要素を考慮して点数には調整を加えましたが、その結果、人数の少ない部屋でSATを受けた生徒たちのほうが、高い点数を取った。 ガルシア

自分の決定は意外とどうでもいい?

一言でいうと一度騙されれば騙され続ける? 活用シーン暗示の力、自己正当化への思い込み 内容スウェーデン、ルンド大学のピーター・ヨハンソンは、参加者に2人の女性の写真を見せて、どちらが魅力的かを聞いた。(写真はトランプのカードのようなものに貼られていて、15組の女性を選択するようになっていた) 15回の選択の内 3回では実験者がトリックを使って参加者が選ばなかった方の女性を「この人ですね?」と言って見せた(つまりすり替えた)。 さらになぜこの女性を選んだかの理由を聞いた。

見たことが全て

一言でいうと見たことが全て 活用シーン印象操作 内容スタンフォード大学エイモスの研究 実験の参加者には以下の訴訟の説明文が渡された。 「9月3日、原告デービッド・ソーントン(43歳)はスリフティ・ドラッグストア168号店に立ち寄った。 ソーントンは労働組合の現場責任者で、定期的な組合訪問の一環として同店を訪れたものである。ソーントンの来店から10分以内に店長がやってきて、店内で組合員(店員)とこれ以上話すことは禁じると申し渡し、店員が休憩時間に入ってから、店舗の裏の部

人は第一印象が9割!?

一言でいうと順番が大事 活用シーン印象操作 内容 心理学者ソロモン・アッシュの研究 次の二人の人物のうちどちらが好きかを行ってもらう。 アラン:頭がいい、勤勉、直情的、批判的、頑固、嫉妬深い ベン:嫉妬深い、頑固、批判的、直情的、勤勉、頭がいい 一般的にはアランに好感を持つことが多い。 はじめに植え付けられた「頭がいい」という印象のハロー効果により、「批判的」、「頑固」といった言葉は頭がいいが故のこだわりであったり、頭がいいからこそ批判的たりえる印象を与えるから。

笑顔を作れば楽しくなる

一言でいうと楽しいふりをすれば楽しくなる 活用シーン自己啓発 内容大学生に鉛筆を加えたままマンガを読み、面白さの度合いを評価してもらった。 横向きの鉛筆をくわえたグループ(自然と顔が笑顔になる)は、たて向きで鉛筆をくわえたグループ(自然としかめっ面になる)よりマンガを面白いと感じた。 別の実験では、オーディオ装置の音質チェックと称して、被験者にヘッドホンでメッセージを聞くよう指示した。音のゆがみを調べるために、聴きながら頭を何度も動かすよう指示があった。 被験者の半

我慢できた子は優等生?

一言でいうと我慢できる子が知能が高くなった 活用シーン自己啓発、子育て 内容マシュマロテストと呼ばれ、超有名な実験。 ウォルター・ミシェルらによる。 4歳児の目の前にマシュマロが入った皿を置く。 子どもには、 「ベルを押せばいつでも食べて構わない。 でも食べずに15分我慢できたらご褒美としてもう1個あげる」 といって実験者は部屋を出る。 約半数が15分待つことができた。 (後ろを向いたり、数を数えたり、目を覆ったり、様々な方法でマシュマロから気を逸らした) 実験から

感情を抑え続けると、身体が動かなくなるという証明実験

一言でいうと我慢は良くない 活用シーン生き方 内容心理学者ロイ・バウマイスターの研究。 感情的な反応を抑えて感動的な映画を見る。(感情的ガマン)   →その後は握力テストで成績が悪くなった(肉体的消耗) 甘いものを我慢しながら健康的な野菜を食べさせられる。   →認知的タスクを課されるといつもより早く降参する つまり、ガマンは人を消耗させ、認知的、感情的、身体的のいずれかを問わず共通のメンタルエネルギーのプールを使っていることを証明した。 ちなみに人のメンタルエネ

自分は数学が得意な人種である、と思いだすと、数学が得意になる

一言でいうと自分の思い込みで成績が変わる 活用シーン能力開発、マネジメント 内容ハーバード大学における研究 数十人のアジア系アメリカ人女性に難しい数学のテストを受けさせた。 アジア人は数学が得意であると言われているが、 同時に数学が苦手といわれる女性という 二つの内集団に同時に属している人たちが被験者である。 被験者にはテストに先立って自分自身に関するアンケートの記入を促された。 Aグループ:親や祖父母の言語や、何世代前からアメリカに住んでいるかという、「アジア系アメ

不安の87%は実現しない

一言でいうと取り越し苦労が多い 活用シーン自己啓発、メンタルヘルス 内容ある調査によると、不安に思うことの・・・ ・87%は絶対に起こらない ・7%は必ず起こる。 ・6%は少し防ぎようがある 『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング 』アラン・ピーズ (著), バーバラ・ピーズ (著) 出典は明確にされていませんが、それなりに具体的な数字なので、それなりに調査されたのでしょう。 人は不安や恐怖には敏感です。 なぜなら、それが我々の生存戦略だからです。

このテストが200点以下なら病気になる確率は10%以下

一言でいうとストレスと病気の関連性を知らべ、1年のストレスの合計値と病気になる確率を明らかにした 活用シーンメンタルヘルス、健康 内容精神科医トーマス・ホームズとリチャード・レイによる研究 「人生で起こりうる44の出来事」リストを作り、それを過去二年以内に経験したかどうかを五千人以上の患者に尋ねた。そこから、ストレスから病気になるきっけん性がどれくらいあるかを採点できる仕組みを作った。 【出来事】 ・配偶者やパートナが死亡した……100点 ・死の脅威にさらされた……10

4倍見れば、スキになる!?

一言でいうと良し悪しより「なじみ感」が重要 活用シーン営業、人間関係、マーケティング 内容コーネル大学、ジェームズ・カッティングの実験 166人の学生を募った。 印象派の絵画を2点ずつ組み合わせたものを見せた。 2点の組み合わせ方法は、片方は他方より「はるかに有名な」作品(大学で使っている教科書に出てくることの多い作品)とした。 10回のうち、6回までは学生はより有名な絵のほうを「好きだ」と答えた。 有名な絵の方が優れている可能性を否定するためさらに以下のような実験を

ゴムの手を自分の手と感じる不思議

一言でいうと身体の感覚は意外とあいまい 活用シーン? 内容2004年ロンドン大学、エアソンらの実験。 ゴムの手の錯覚と呼ばれています。 被験者の片手を机の下や、衝立を立てて隠してしまうなど、被験者から見えない状態にします。そして被験者に見える場所に、ゴム製の手の模型を置きます。 この本物の手と、ゴムの手を同時に筆などで同じように刺激します。 すると被験者は、ゴムの手を、あたかも自分の他のように錯覚して知覚します。また、被験者に「あなたの手を指さしてください」というと、