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さみしい夜にはペンを持て

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

プロローグ

 ぼくの名前はタコジロー。
 学校ではときどき、ゆでダコジローと言われていた。
 緊張すると顔が、まっ赤に染めあがるからだ。
 勉強はできないし、運動もダメ。おしゃべりだってうまくない。
 おかげで中学に上がってからはずっと、いじめられていた。
 そりゃそうだよな、とぼくは思う。
 ぼくだってこんなまぬけな同級生がいたら、笑っちゃう気がする。

さみしい夜にはペンを持て(古賀史健)

 本書は物語になっています。まるで絵本のような物語。はじめの一行は、タコのタコジローによる一人語りから。もしかしたら、吾輩は猫である、のイメージを踏襲したのでしょうか。まずはタコジローのキャラクターから浮き彫りにしていくはじめの一行ですね。

本書の内容

タコジローとヤドカリのオジサン

 本書の物語は、いじめられっ子のタコジローと、ヤドカリのオジサンとのやり取りで構成されます。タコジローは、ちょっと内気で、学校ではあんまり人気がない。とてもあがり症で、すぐに顔が赤くなってしまいます。それを茶化されるのが嫌で、学校に行きたくありません。
 そんな時偶然出会ったヤドカリのオジサン。このオジサンが見せてくれる不思議な世界や、言葉についての話に、タコジローはついつい引き込まれて行きます。

 人の頭の中には、言葉になり切れない言葉がたくさんあります。それをしっかり言葉として認識してやり、それを表現する。その相手は決して他人じゃなくてもよくって、それを日記にしたためることで、自分との対話が始まります。
 そんな風に、自分の内面との対話を深めていくタコジローは、次第に、人とのコミュニケーションも前進していきます。

 本書の中でタコジローが受ける、ヤドカリオジサンからの講義は、きっと多くの人の参考になるものではないでしょうか。

『嫌われる勇気』の共同著者

 じつは本書の著者は、あの大ヒット『嫌われる勇気』の共同著者。アドラー心理学を、登場人物の対話を通じてわかりやすく説いた名著、嫌われる勇気の著者と聞いて納得の内容です。
 本書も、物語のなかに、自分との対話の本質がかなり含められていますので、嫌われる勇気ファンの方は、一読の価値がありそうです。

 いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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