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軟水のたそがれ【フォトエッセイ】

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毎週日曜日の夜に更新 社会心理学の立場から感じたことをツラツラと… 日常が冷たく流れてしまうその前に、身近な温もりに気づいてもらえるような、そんな文章を意識しています。 写… もっと読む
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2021年4月の記事一覧

心が滲む豊かさを

心が滲む豊かさを

今週の夕景は、しとやかな移ろいを毎日のように魅せてくれて、心が滲んだ。

写真を撮っている時の僕は、『自然になりきること』を大事にしている。

水が映った風景が多いのは、水になりきることが多いからだ。

その目的は、『同感能力』を研ぎ澄まし続けることにある。

もし自分が水だとしたらどんな動きをするか?ということを、観想しながらしっとりと考えているんだ。

僕ら人間は、自然との触れ合いや他者との思

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自分は特別な存在ではないけれど、誰かにとっては例外的な存在だ

自分は特別な存在ではないけれど、誰かにとっては例外的な存在だ

今回は、更新が月曜日の夜になってしまいました。いつも見て頂きありがとうございます!

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「自分という人間が、入れ替え不可能かどうかを実感するためには?」というテーマについて、考えてみたいと思う。

キーワードは、『特別』と『例外者』と『共同性』。

社会学者のリースマンは、「現代人は孤独ヘの不安から他人の行動に同調し、他人の承認を強く求める他人指向型の人間である」と分析している。

現代人

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2度目の1人暮らしで初めて沁みるHOME

2度目の1人暮らしで初めて沁みるHOME

最近は、清水翔太のHOMEがしんなりと沁み入る、そんな心持ちだ。

実はこの曲。

18歳の頃、地元新潟から大学進学で上京する際に、親父が「この曲は絶対聞け!感動するぞ!!」と言ってCDをプレゼントしてくれた曲だ。

・・・ただし、東京で暮らし始めどれだけ経っても、一向に感動しなかった。

実家は大切な場所だったけれど、子どもの頃の僕が自分らしさを感じていられたのは『実家の中の自分の部屋』であり、

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日常に木漏れる温もりを求めて

日常に木漏れる温もりを求めて

日常はすぐに過ぎ去り、時に冷たく、せかせかと流れてしまう。

だからこそ、ぬくぬくとした心持ちで、ゆったりと過ごす時間を少しでも持つことを、僕は大切にしたい。

『己の感情』や『自然の風情』といった、"情の移ろい"を、しっとりと汲み取りたい。

日々の移ろいを潔く受容しながら、日常の速さに流されるのではなく、自ずから流れゆく心意気で。

僕は、観想する時間がスキだ。

『観想』とは仏教用語で、特定

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