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上を目指すからって、完璧を求めなくて良い。


お久しぶりです☺︎


最近は自身の経験からメンタル面のサポートだけでなく練習や栄養面についてもアドバイスをすることが増えてきましたが、私が個々の選手の特性に合わせたサポートを考えるようになったきっかけのお話をしようと思います。



怪我をしてる訳ではないけど体調不良ばかり、練習ができていないせいで人間関係も思うようにいかず、葛藤していた頃の日記も載せつつお話します:)




私が話したいのは、実業団一年目の夏のことです。

入社してから約4か月、練習ができないほどの怪我はなかったものの体調を崩してばかりで合宿はおろか練習すらまともに参加できない事が多く、ましてやタイムや実力も一番下の立場なので、今まで通り自分のやり方で練習を行ったり日常生活を送ることが出来るはずもなく、とにかくこの環境に慣れなくては!自分を合わせていかなければ!だった毎日。

実力の差はあっても、せっかくこんな強いチームに入れてもらえたんだから(当時クイーンズ駅伝2連覇のチーム)。自分だって同じ風に出来ないと強くなれない。
みんな「できない」「やだな」って言ってても、そんな中でも毎日の練習をこなしてるんだから、そんなもう逃げ出したいなんてただ甘えてるだけ。


というか何で今まで出来てた当たり前のことが出来なくなっちゃったんだろう、って弱くなった自分を受け入れられず。

実業団に入るまでは私が気持ち的に言えば逆の立場で、弱音を吐くなんて普通にあり得ないし弱音を吐いた分だけいつか自分に返ってくる!って(因果応報的な)考え方だったので練習についていけないとかなかったし、むしろ今よりも走る練習だけでいえば多かったよね?なんで今はついていけないの?それってただ辛いって理由で甘えてるだけじゃないの?って感じでした。


もともと感情の変化に敏感な部分もあったので余計ですが、毎日そんな葛藤を繰り返した挙句の果てに8月の北海道合宿での朝練前、ベッドから起きようとするにも身体が動かず、その日の朝練習に行けなくなりました。


チームとしてももちろんそんな選手を同じ空間には置いておけないので、その日のうちに飛行機を手配され、横浜の寮まで帰ることに。


情けなく帰った日のバスの中から



せっかく絶好の環境で合宿をさせて頂いている身で、一番会社やチームに貢献できていない私がこんな事になってしまって、本当に情けなかったのでもう合わせる顔もなく、逃げるように北海道を後にしました。


寮に一人は怖い!とよく先輩が言っていましたが、そんな怖さや寂しさよりもとにかく解放された安心感が勝りました。

が、それと同じくらい罪悪感と自分への不信感と今後の不安があり、悪い夢を見て大汗をかいて起きる夜、一睡もできない夜もありました。


文章ではあまり伝わらないと思うので、当時の日記の写真も載せます。(帰ることになる直前くらいの日記)



結果を出せてない後ろめたさから、
周りと上手く話せなかったです。


帰った日。



今までこんなに毎日の練習が嫌で嫌で仕方ないなんて感情になったことがなかったのに、それにも打ち勝てない自分。
もう目標もすべて見失っていてなんのために走っているのかも分からなくなり、寮から実家に1か月間帰ったあとはほとんど走りませんでした。



実家に戻っている最中のぐちゃぐちゃな感情はまた別で書きたいので今記事では割愛しますが、寮に戻るときは「もうあと数ヶ月の辛抱」と思っていた=辞めるつもりでした。
そしてもともと大食いなうえに本当に気が向いた時しか走ってなかったので、1か月で体重も2,3kgは増えました。


そんな感じで、私の中では1年経った頃にチームを辞めるつもりだったので、周りの目も怖かったですがある意味吹っ切れて戻りました。


その時の感情ややってたこととしては、


・練習云々よりも先に、睡眠は絶対8時間取ろう。
(周りが朝早くから動いてても私はこうする!と決めて朝5:50集合のところを5:45前に起きるとかありました。朝フリーの日は寝てる日も)

・周りの目とかどうでもいい。最低限のことをまずやろう。自分が嫌にならない、出来るところまでやろう。(無理にプラスアルファのことはしない)

・練習についていけなくても目標タイムがこなせなくても、とにかく離脱せず最後まで走り切ればオッケー。


実家から横浜に帰ってきた日の日記。
母から言われた「ビリ走ってても良い」が支えになりました。


ざっくりですが、これを意識すること(吹っ切れること)で1か月後にはみるみる調子が上がりました。
この半年以上はずっと試合にも出てませんでしたし、ましてやほぼ走っていなかった状態で合流して間もない中でしたが、11月の試合ではほぼ自己ベストに近い記録で3000mを走りました。練習が一気に楽しくなりました。


久しぶりに先頭を引っ張れました(2019.11.30)


長くなりましたが、今回は私の経験談から「完璧を求めなくていいよ」ってことをお伝えしたかったんです。
日本代表のような強い選手の経験談ではないですが、きっと同じことで悩んでる選手は多いと思います。
私の回りでも摂食障害で引退した選手、スタッフと意思疎通がうまくできず引退した選手、心身のバランスを崩して長い休暇を取った選手、知る限りではどこのチームにもいろんな選手がいました。「実業団選手」のレベルまで到達しててもです。


とにかく「自分」に意識を向けてあげること

自分がいかに楽に過ごせるか練習できるか、自分が自分のために何が出来るか考えてあげること。
しんどい時はこれが何よりも先です。

チームの中にどれだけ強い選手がいてその選手がやっていることが一番正しく見えても、人それぞれ出来ること・得意なこと・合うことは絶対に違います。ここ良いな、って真似したいところは真似してももちろんオッケーですが、それで自分がどんどん辛くなっていくならそのやり方は合っていないので辞めて下さい。辛くならず、それで少しでもモチベーションが上がればオッケーですけど、真似するばかりで自分のものにできない限りは長くは続かないと思います。

とにかく一番良くないのは、しんどい時に今までのやり方で頑張ろうとすることです。




この時の気持ちとしては競技をやってきた過去の中で一番辛かったですが、自分に合うもの・合わないものってあるんだな、ってここで知ることが出来ました。
あと、一回ダメになっても自分の力でできることを考え尽くしてやれば、また再起できること。
「諦めが悪い」のは強い武器にもなります。



まだまだもっと色んなお話もあるので、また話しますね〜🌈

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