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"推し"と一緒に。

 Instagramで美術展に関する投稿写真を見ていると、人形やアクリルスタンドとともに美術館や写真を投稿されている方がいる。
 アイドルやキャラクター等の「推し」のそういったグッズを持参し、旅行先や食事などでそういった記念撮影をする方々がいるということを今年になって知った。美術鑑賞に関しては、作品や他の客、美術館への危害・迷惑にならなければ何をしてても良いと思っているし、もちろんそういうのも楽しみ方の一つだと思う。ただ、過去に見たことが無かったので「そういう撮り方があるんだ」と、まず驚いていた。

 先日ある美術館で、「推し」の写真を入れて美術館の写真を撮っている、若い青年がいた。どうやら彼の「推し」は女性アイドルのようである。
 私は自分の鑑賞に集中しつつ、彼はどういう風に展示室を見て回るんだろう…私は興味津々だったが、彼はけっこうすぐに展示室を立ち去ってしまった。カフェに出かけたのか庭園に行ってきたのか、その後「2人」がどこへ行ったのかはまるでわからない。

 …美術鑑賞の方法は自由だ。
 ……確かに自由だ。

 ただ、もしも私が写真のアイドルだったら、
「ちょっとゆっくり見させてよ」
 と、苦笑いしていたかもしれない。

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