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自分の作品に出演するということ(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。

自分の作品に出演するかどうか。

時々、話題に挙がることですね。
これ、監督さんによります。

当然出たい!という監督さんもいるでしょうし、
出るなんてとんでもない!という監督さんもいるでしょう。

出た方がいいのか、出ない方がいいのか、
なんて議論は、好きずき以外のナニモノでもないので、
今回は違う視点で書いてみたいと思います。

まず、出演するパターンを考えてみましょう。

【その1】出てみたいという自己顕示

チラッとカメオ出演する、ヒッチコックみたいなパターンですね。
これは、気持ち分かります。
自分の愛すべき作品の一部になる。
自然な感情だと思います。

【その2】自分を主役に映画を撮りたい

そもそも、映画を作る目的が、自分が主役になりたいから、
というパターンですね。
これも多いでしょう。
ミュージックビデオもこのパターンに当てはまるかもしれません。

【その3】人が足らないから、出なきゃいけない

これ、意外と多いんじゃないかと思います。
急に端役が来なくなった、突然人が一人いた方がいい演出に変わった、
などやむにやまれぬ事情があるわけです。

ハリウッド映画なんかは、主役が監督もかねているケースが多いですね。
よい俳優がよい監督であるとも限りませんが、
クリント・イーストウッドなんかはすごいなと思います。

ただですね。

主役と監督を兼ねられるということは、
スタッフ陣が、完全に組織できているからこその技なんですね。


僕が日頃お伝えする対象である、自主映画、My映画の作り手の皆さんには、監督と役者の兼任はなるべくやめた方がいいんじゃないか、と思ってます。

個人映画ではなかなか、スタッフ組織が完璧って、難しいんじゃないでしょうか。

そもそもスタッフも足らないような、
集まったメンバーの気持ちもバラバラな状況下で、
監督が抜けて一人で演技に集中し始めたら・・・。

そのシーンの演出が手薄になるだけでなく、妙にそこだけ演技に力が入ってる、みたいなことにもなりかねません。


これは暴言かもしれませんが、映画作りにおいては、監督が思うほど、監督以外はその作品に思い入れがなかったりします。

思い入れが無い、とは言いません。

あくまで、監督と比べると一気に熱が下がる、という意味です。

つまり、監督が演技に入ってしまうと、
熱量が一気に撮影隊からなくなってしまうのです。

それは、作品の質に大きく影響する、ということになります。


でもね、言い方を変えると、監督が出演する場合は、
スタッフのモチベーションをおもいっきり上げるチーム作りを
しておけばいい、ということにもなります。

以上は、僕が「今」感じることです。


実は、僕が映画を撮り始めた頃は、全部自分が出演してました。

理由は簡単です。
役者の知り合いが全然いなかったからです。

初期の7本くらいはすべて、自分主演作品です。
それでも何とかなったのは、スタッフも僕一人だったからでしょう。

やがて役者が増えていき、スタッフが足らず、
僕が出演することが、露骨に撮影に悪影響を与えるようになりました。

そして、僕は出ることをやめました。

その後、撮影規模が20人くらいになった頃、
一度だけ出演復帰したことがあります。

その時は、ほんの一瞬だけ映る警備員の役でした。

僕が警備員の格好をしてカメラの前に立ちます。
いつもとまるで違う光景に、かなり動揺したのを覚えています。

そして、スタッフ達は日頃僕からヤンヤヤンヤ言われている腹いせに、ふざけて何度も何度もNGを出すのです。


最後は僕は自分で言ってやりました。

「カット!俺オッケイです!」

やっぱりもう二度と出るもんか!と思った瞬間でした。(笑)


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