かしわ

歌人集団「かばん」で短歌をやっています。練馬区から瀬戸内海に面した某県に引っ越したこと…

かしわ

歌人集団「かばん」で短歌をやっています。練馬区から瀬戸内海に面した某県に引っ越したことをきっかけに、車の免許をとることに。その記録を日記として残すことにしました。書くお仕事、なんでもお待ちしています。shuzo_shizuka@yahoo.co.jp

最近の記事

いつも胸やけ

夫から電話があって、今夜は空手の練習に行くつもりだったけれど、学生対応が長引いてもう諦めてこれから家に帰るという。めずらしく「外食がしたいよ~」と言うので、今いるミスドに併設するスーパーでお惣菜を買って帰ろうかと提案すると喜んだ。二〇時も過ぎれば、電話しながら回るお惣菜コーナーは軒並み半額まつりで、相談しながら寿司とからあげを選んで帰る。 エコバッグを持ってこなかったのでケチっておかもちのように左手に寿司二パックとからあげを乗せて自転車を漕ごうとするけれどうまくいかない、

    • 大きな盥

      まだ梅雨が明けない。 中国地方だけ除かれて、九州も四国も明けたのになぜ、こんな昨日も今日も晴れなのに。 一学期のおわり、書写の授業で生徒に書いてもらった暑中見舞いも、一応梅雨明けに出すものということで「梅雨が明けたていで書いてネ」と言って書いてもらったので、以来大事に保管しているのだけどまだ明けないもんだから、いつまでも出せない。生徒たちのハガキのなかに、夏はもう来ているというのに。 思えばこの一学期、ひとりではなく何人の生徒に「私はあなたの味方だから」と言っただ

      • あかるさのすべてよ

        どうにも胸がいっぱいになるまるまる一日というのがごくごくほんとにたまあにあって、それが今日だった。 昨夜から、夫の仕事についてやって来たはじめての明石は蛸とどこまでも淡い海のまちで、とても気持ちよく、なんだか一瞬で好きになる景色。昨夜から一緒のMさんと夫とともに朝とも昼ともいえない時間に明石焼きを食べたりして、それでMさんと別れて、われわれはそのまま新快速に乗って梅田へと向かった。 たまたまのことで、しかし運命的に!まじでジャストなこと、今日梅田で川上未映子のサイン会

        • せいいっぱいの悪口

          最近、エアロバイクを買った。夫にねだって買ってもらった。「ほんとにちゃんと乗る?続かないんじゃないの?」と何度も言われたけどそれにはちゃんとこたえず、寝転んで手足をバタバタさせて「買って買って買ってよ〜」と喚いてなんとか買ってもらった。ツイッターのお友だちが励んでいるのを見ていいなあと思っていたのだ。 ダイエット、というより気持ちのよい運動がしたかった。筋トレなどは続く気がしないがなんの確信か乗り物ならいける、と思った。「しょうがないなー、まあ俺も届いたら届いたで使おー」と夫

        いつも胸やけ

          今日のこと

          植本一子の新刊が出ると知ってから即予約、していたものが昨日届き、読み始めたらやっぱり止まらないのだった(『台風一過』)。日記として日々を記録することの意味をものすごく考えながら読んでいる。終わってほしくないと思う本はそんなにない。ずっと書いてほしい。 今日あったことをどれくらい、私は書けるだろうと思って書いてみている。 今朝は夜中からの雨がほぼ止んだと思って、ふだんは朝、職場まで夫に車で送ってもらっているところ、授業変更で午前中で仕事が終わること、某締切が近いこと、夫

          今日のこと

          松岡修造と飴色たまねぎ

          母から「おばあちゃんに米寿のお祝い贈ってあげて」とLINEが来たのは3週間ほど前だったか。 そもそも祖母の誕生日を知らなかったし、祖母はずいぶん前からずっと「おばあさん」なのでいくつになったかも知らなかった。米寿と聞いてそうかそんなにマジでおばあさんだったのかと気づく。 「おばあちゃんへ」とこれまで何度となく書いてきたはずの、そのすべて一文字ずつのひらがなが、いつまで経ってもいびつ。バースデーカードと銘打った見開きの真っ白な厚紙に、実は書くことが思いつかず自分の近

          松岡修造と飴色たまねぎ

          鼻は通っても日々は変わらずつづく

          マックのポテトが喉に刺さる。焦って、飲むようにして食べるからだ。焦ることなんて何もないのに。がさつにハンバーガーをつかんだ指にソースがつく。期間限定の、チキンタツタ、しかもコチュジャンソース。 指を舐めるのははばかられて、ペーパーナプキンに指を押しつける。何も怒ることなど起きていないのに、イライラする。何も焦ることなどないのに、そわそわする。期間限定のチキンタツタコチュジャンソースは美味しいけれど、本当はてりやきバーガーが食べたかった。でも、期間限定だから。今しか食べられ

          鼻は通っても日々は変わらずつづく

          アルバイトがしたい! その3

          午前中。Amazonから届いた念願の、ペンダントライトを食卓にぶらさげるため、元の蛍光灯を慎重に外していたところ、ドンガラガッシャンとカバーや部品が全部落ち、アパートの退去時まで保管しておくべき大切なネジも全て吹っ飛んでどこかへ消え去り、ショックでそのままふらふらと寝込んでしまった。 そしてさっき起きたけれどわたしは。何をしてるんだ?何もしていない。 照明器具の取り付けも未遂で終わる一日。けれどそんなのまだましで、昨日そしておとといと、記憶がない。むろん、記憶がないという

          アルバイトがしたい! その3

          ムーミンがうちにやってきてバズった話

          朝起きても依然通知は止まらず、なんだかこれは端的に言って大変なことになってしまったのではないか…いやしかしこれはもはやわたしから遠く離れた出来事、わたしこんなの知らない…となかばヤケさえ起こしつつ、しかしどうしたって通知が止まらない。 どうしようどうしようとあばあばしながら横で寝ている夫を揺さぶったのだけれど、夫は「嵐はそのうち過ぎ去るから大丈夫」と言ってまたしばし眠りの世界へいってしまった。 仕方ないので布団のなかでツイッターを開く。スッと指を縦に滑らせればまたたち

          ムーミンがうちにやってきてバズった話

          アルバイトがしたい!2 服部真里子さんのこと

          アルバイトがしたいと思い始めて早3ヶ月が経つ。車の免許をとってから、やることがひとつもないのだ。 暇だなあ暇だなあと思いながら暮らすことにもいよいよ飽きたので、わたしの定位置である食卓の椅子ともはや癒着を起こしつつある臀部をなんとかもちあげ、ついにとあるバイトにエントリーしたのだった。といっても実際にはスマホ上ですすっと指を滑らせただけなので、かわらず臀部は椅子にくっついたままなのだけど。 そして。それからもう2週間は経つかしら。待てど暮らせどバイト先からの返事はない。

          アルバイトがしたい!2 服部真里子さんのこと

          アルバイトがしたい! その1

          東京は今、雨がすごいんだそうだ。 抜けるタイミングを失ったままの、前職場のグループLINEで、「雨がすごいんで今みんなで池袋のビックカメラで雨宿りしています」というトークがぽんと届く。今日はみなさん、シュラスコを食べに行くらしい。 トーキョー、シュラスコ、池袋は豪雨。 いっぽう、こちらは晴れている。ガラ空きのコメダ珈琲でひとり、なんもせずにぼうっとしている。シュラスコが、はてしなく遠い。 春から半年間、飛行機に乗って通った服部真里子さんの短歌講座が終わってしまって

          アルバイトがしたい! その1

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記 番外編

          午後5時。ねまきのままビスケット食べて牛乳飲んでいて、これは本当に完全におわっている。というかはじまってすらない。みんな朝早くから顔を洗って着替えて電車に乗って目的あるところへ向かって一日をはじめているのに。みんなの一日はとっくにはじまっている。というか充足感とともに終わろうともしている。わたしは昨日のままじゃん。 これでも朝は一応夫とともに起きて、夫のお弁当と朝食を用意、出勤するのを見送ってしかしそれでこの日のわたしの任務は完了した。夫は今夜寮の宿直なので帰ってこない。だ

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記 番外編

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その20

          どうにもこうにも、ただただ暑い日々です。 外に出なければならぬ予定も用事も使命もないので、それを良いことにほぼ部屋に引きこもっています。しかしさすがに家でだらだらとなんの生産性もなく(!)過ごしているのにクーラーを一日中つけるのはなんだか後ろめたくて、午前中は窓を開けて扇風機をつけてなんとか暑さを凌いでいます。 窓を開けていると(網戸は閉めているのだけど)その間をすり抜けてか、虫が入ってくる。昨日おとといだけでクモ、羽蟻二匹、それと大きなアメンボのようなものを認めた。

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その20

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その19

          ここ数日。こちらは台風の影響なのか、ものすごい風と雨、特に風がすごくて昨日はアパートごと飛んでゆくのではないか、本州のはじっこがぺりっとめくれるんじゃないかと思われるほどの暴風雨だったのだけど今日は快晴。 天気にやられて取るもの手につかずDSでポケモンばかりやっていた怠惰な日々だったのだけれど久しぶりにnoteでも書こうじゃないかという気になって、太陽は人の気持ちをというか人のことはわからんがワタシの気持ちをこうも明るくさせる。蝉が鳴いている。 さて先日卒

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その19

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その18

          カレンダーをふと見ると、この土地にやってきてちょうど3カ月が経ったということに気づく。3カ月も経てばそれなりに自分の周りにも人間関係というものが生まれるかしらと思いきや、生まれない。まあそりゃそうか。自分が関係していかないと、他者との関係はそもそものぞめない。 現在夫以外で唯一、ワタシの名前を知る人は教習所のI先生だ。田舎といえどこのまあまあ肥沃な土地でただ一人。自ら関係していった(教習所に入校した)結果はじめてできた「知り合い」だ。 しかしそんなI先生とももうす

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その18

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その17

          月一、服部さんの講座だった今日。 毎月上京しているのはこのためなのだけど、世界の端っこだろうがどこだろうがとにかくどこにいたって、ワタシにとっては絶対逃せない貴重な会。どこからだって(文字通り)飛んでゆくのだ。 前からずっと思っていたことだけれど、服部さんはとても誠実。服部さんの誠実さを改めてとても感じる今日だった。 受講者の方々とちょっとお話しできるのもワタシはとてもうれしい。今日も帰り際、おふたりとお話しさせてもらって、温さんとは特にお酒の話で少し盛り上がる。仲

          歌人見習いが車の免許を取るまで日記その17