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公務員にもマーケティングは必要ですか?(1) ~目次、なぜマーケティングなの?~

はじめまして。東京都内の地方自治体で働く、現役公務員です。はじめてブログを書きます。
「公務員」という視点・切り口で、普段感じていることなどを書いてみようと思っています。私と同じ現役公務員の方や、公務員志望の方、公務員に興味がある方などに読んでいただいて、ご感想やご意見、アドバイスなど頂けたら幸いです。

まずは、「公務員×マーケティング」について書いてみようと思います。

目次

1.なぜマーケティングなの?
あなたの担当している施策・事業は、誰のため、何のための施策・事業ですか?具体的に説明できますか?

2.そこにニーズはありますか?
住民に求められていることですか?
首長や議員、あるいは職員のやりたいことではないですか?
ニーズはあくまでもヒントであり、素(もと)にするもの

3.3Cから4Pへ
3Cを把握していないと4Pは生まれない
公務員にとっての3C・4Pとは?

4.4Pを4Cへ(マーケティングミックス)
住民目線への変換
顧客目線のコミュニケーションが何よりの販売促進になる
コミュニケーションは効率化すると無機質になり一方的な伝達になる

5.STPの設定
S、価値観が大事
T、ペルソナを作る
P、その他大勢から抜け出す
事例:ゆるキャラ

6.USPを考える
ベネフィット(事例:ダイソン)
形態(事例:ザク豆腐、鼻セレブ)
付随機能(事例:ドミノピザ)

7.ペルソナを作る
ウリになくてはならない3要素
公平性・公正性がターゲティングの邪魔をしてしまう
ペルソナマーケティングの事例:株式会社ヤッホーブルーイング
ペルソナ当てゲームで練習

8.どうやって住民に伝えよう?
AIDMAモデル、AISASモデル事例:RIZAP)、SIPSモデル
顧客心理術の活用(ゴルディロックス効果、文脈効果、プロスペクト理論、ツァイガルニク効果、カラーバス効果

9.まとめ
「関ジャム」の西野カナに見るマーケティング活用
実践なき理論は空虚であり、理論なき実践は無謀である。

複数回に分けて書いていこうと思っていますので、コンスタントに更新できるように頑張ります!

1.なぜマーケティングなの?

まずはじめに、私がマーケティングに興味を持つきっかけを与えてくれた多摩信用金庫さんと、私にマーケティングの基礎を教えていただいた吉祥村塾の中小企業診断士 姫野 裕基 先生に御礼を申し上げます。

私がマーケティングを学んで最初に感じたことは、「これ行政にも使えるじゃん!」ということでした。
マーケティングとは「売れる仕組みづくり」であり、社長や営業マンが勘と経験で身につけた、その人特有の、いわば属人的な手法やテクニックをシステム化(見える化)することだと思いました。
システム化(見える化)するということは、汎用性が高まり、誰でも使えるようになるということ。また、後から検証が可能になるということでもあります。

公務員にとって異動は避けて通れないものです。地方自治体では、平均3~4年で部署を異動しますが、「異動=転職」と言われるくらい、業務内容がガラッと変わります。保育園などの子ども支援の部署から、道路の管理部門に異動したり、広報紙を作成していた部署から、ごみ収集の担当部署に異動したりすることは珍しくありません。

そうなると重要になってくるのは担当者間の「引き継ぎ」です。前任者から後任者への適切な情報伝達が求められます。システム化(見える化)されている情報であれば伝達ミスも少なくなりますし、事業の実施途中で担当者が変わっても後任が事業終了後に成果を検証することも可能になります。マーケティングの考え方は、その一助になると感じました。

また、事業の改善や予算要求の際も使えます。予算要求では、財政担当から厳しく根拠を求められます。勘や経験だけではない、数値的根拠や論理的説明が求められますので、その際にも有効な視点がマーケティングには多く存在します。

あなたの担当している施策・事業は、誰のため、何のための施策・事業ですか?

私が重要だと思うのは、「その施策・事業は、誰のため、何のためにしているのか?」ということ。「住民の福祉向上のためです」といった大雑把な答えではなく、具体的に答えられるかどうかが重要です。住民とは具体的にどんな人ですか?年齢は?性別は?家族構成は?収入は?住んでいる地域は?など。

「そんな細かいことまで気にしなくても、マニュアル通りに前例踏襲でやれば実施できるよ。」という声もあるでしょうが、それでは実施こそできても検証はできません

私が実際に困ったのは、時代や環境の変化に合わなくなってきた事業を見直そうとした時に、そもそも何故この事業が始まったのか、当初の目的が何だったのか、ターゲットは誰だったのかが分からないため、思うように見直しができないことがありました。前任者に聞いても「自分も聞いてないし、その事業はそういうものだから、、、」と言われ八方塞がり。
長年続いている事業ほど、担当者の異動を繰り返すことによって当初の目的(誰のため、何のため)が分からなくなってしまいがちです。

マーケティングを活用してシステム化(見える化)することで、このような事態は防げるはずです。

つづく。

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