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KATARAの小説

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KATARAのオリジナル小説です。いずれもKindle本で販売中。ぜひ試し読みをどうぞ。
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#新聞記者

小説【遥か彼方へ】

   1 狼の遠吠えが聞こえ、サーナは窓を見た。 「近い」 おもては夜の闇で暗い。ガラス…

KATARA
7か月前
3

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -13-

間遠になったもののクリスとはつき合い続け、13歳になるとジェシーはひとりでよくノースショア…

KATARA
4年前
1

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -12-

「誤魔化してない。ずっと考えてたんだ。絵だけでなんとか食えるようになって、依頼もたくさん…

KATARA
4年前
1

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -11-

その日はそれで終わったものの、お互いがお互いを意識する微妙な空気が続いた。 クリスがノー…

KATARA
4年前
6

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -10-

その夜。宅配ピザの夕飯後にジェシーは学校での発表会が迫った演劇「不思議の国のアリス」の衣…

KATARA
4年前
2

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -9-

3人の空気が変わったのは新しいアパートに越した頃。引越しの当日からかもしれない。 トーマ…

KATARA
4年前
3

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -8-

それでもある夜、強い雨が降る夜にジェシーは言いかけた。 ベッドで本を読んでくれたクリスが「そろそろ帰らないと」と腕時計を見て、 「泊まってけばいいのに」とジェシーが引きとめ「雨だし」と窓を見ると、 「そうもいかない」とクリスはベッドからおりた。 「アマンダのとこ?」と聞くと、 「違うよ。帰るだけ」と首を振り、 「アマンダ元気?」 「どうかな。最近会ってない」 「ふーん。喧嘩?」と聞いてもクリスは苦笑して「もうおやすみ」と言った。 「パパと叔父さんは、どっちが

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -7-

働き始めたのは2ヶ月後だった。再びウェイトレス。しかし前の店ではなく別の店だった。以前の…

KATARA
4年前
3

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -6-

その頃クリスはコンピューターソフトのプログラマーをしていたが絵を描くのが趣味で、それが売…

KATARA
4年前
1

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -5-

ジェシーは本当の父親を知らない。名前のレイモンドだけで顔は知らなかった。酔うと暴力を振る…

KATARA
4年前
1

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -4-

翌週の土曜日、ジェシーはホノルル空港あらためダニエル・K・イノウエ国際空港からハワイ島行…

KATARA
4年前
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小説 【 あるハワイの芸術家 】 -3-

ジェシーが帰宅したのは夜8時すぎ。母のケイトはいつもの赤ワインを傾けすでに酔っていたがジ…

KATARA
4年前
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小説 【 あるハワイの芸術家 】 -2-

しかし立派なことは言えなかった。取材をさせてもらっていると実際ひどくは書けない。書けば恨…

KATARA
4年前

小説 【 あるハワイの芸術家 】 -1-

その日ジェシーが訪れたのはロイヤル・ハワイアン・センターの2階にあるフレンチレストランでランチタイムを終えた2時すぎに店の「オススメ」のフルコースを食べた。 その後35歳のオーナーシェフにインタビューし、「ハワイで一番のフレンチレストランにすることです」という彼の夢をICレコーダーに録音した。「オアフに来たら絶対この店に来ないと、そう世界中の人に思ってもらえるように。うまく宣伝して下さいね。期待してます」 笑顔で言う彼にジェシーは一瞬固まったがすぐに「ありがとうございまし