見出し画像

劣悪な環境に生まれてしまった人は、諦めるしかないのか?という話

米国テキサス州のメキシコ国境沿いには、中米のグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルからの難民が大量に押し寄せています。少し前に、不法入国しようとして、リオグランデ川で溺れ死んだ親子の写真が報じられて、日本でも知っている人がいるかもしれませんね。

米ソが冷たい戦争を繰り広げていた80年代、中米諸国は国内に米国が支援する勢力、ソ連が支援する勢力をそれぞれ抱え、代理戦争ともいえる紛争状態にありました。90年代に冷戦終結とともに、中米紛争も終焉を迎えましたが、残されたのは米ソにたんまりと供給された武器の山と、荒廃した国土、腐敗した政府と貧困。

米国を目指して人々が後にしているこれら中米の国々は、ギャング活動で、弱いものから金を奪って生きていく社会になりました。権力と暴力が弱者や貧者を支配する社会。

ギャングに払うお金が尽きて家族を殺されても、子供をギャングに差し出さなければ殺すと言われても、警察も政府も守ってくれない。だから米国にいって、一生懸命働けば、少しは人間らしい暮らしができるんじゃないか?と、幼い子供を連れて米国を目指すわけです。

もちろん米国側は、「困った人は国内にもいるし、きりがない。なんで米国がよそ者の面倒をみなきゃいけないんだ?勝手に入ってくるな」となります。

確かにそうだけど、お金を持っている人や国は、気が遠くなるほどの大金を選挙キャンペーンだの、軍事設備だの、超豪華な娯楽だのに湯水のごとく使う権利があって、劣悪な環境に生まれちゃった人は、すべては自分の運命だとあきらめて殺されていくというのが人間社会の掟だと言うなら、あまりにむなしい。

エルサルバドルの親子が溺死した川のちかくで起きていること、見てきました。よかったら、読んでください。(上の写真は、メキシコ側からテキサスに入る橋の入り口。FELIZ VIAJEってスペイン語で、「良い旅を」。でも、この橋を渡れない人が大勢います。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?