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水について知っていることと言えば、実際に料理をしてきて感じたことのみなので、専門知識の分野の方からすると当たり前と思われることかもしれないですが、特に『出汁・だし』や日本茶は、使う水で変わることは実感しています。
出汁(だし)の講座を長年開催しお伝えしてきたことは、
『素材』から出るUMAMI成分や使用する水との融合
特に私は関西で『だし』をとるので、軟水のお水を使用します。
昆布だしの味・UMAMIの出方が、関東とは違うと実感しています
ここで、水の硬度のことを簡単に

水の硬度とは

水の硬度は、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの
ミネラルの量によって決まります。
硬度が高い水(硬水)はこれらのミネラルが多く含まれ、
硬度が低い水(軟水)はこれらのミネラルが少ないです。

硬度というのは、水1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量で、
WHO(世界保健機関)が定める基準では
硬度120mg以上が硬水、120mg未満が軟水とされています。


東京大学 教養学部附属教養教育高度化機構


日本における水の硬度
日本の水の硬度は地域によって異なりますが
一般的に、日本の水は軟水が多いとされていますが、地域によっては硬水を採取することも可能です。
詳しい研究資料を調査されたい方は研究資料をクリックしてみて下さい
雑誌名:Scientific Reports(オンライン掲載:2021年6月29日) 論文タイトル:“A survey of monitoring tap water hardness in Japan and its distribution patterns” 著者:Mayumi Hori*, Katsumi Shozugawa, Kenji Sugimori, Yuichiro Watanabe

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日本における水の硬度

日本の水の硬度は地域によって異なります。
一般的に、日本の水は軟水が多いとされていますが、地域によっては硬水を採取することも可能だとされています。

水の硬度:水質を表す指標のひとつ。
水に含まれるカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の濃度を
炭酸カルシウムの濃度で換算したもの。単位はmg/L。
CaとMgの濃度が高いと硬い水(硬水)、
濃度が低いと軟らかい水(軟水)となる。
世界保健機関(WHO)の分類では、
60 mg/L以下を軟水、
60~120 mg/Lを中硬水、
120~180 mg/Lを硬水、
180 mg/L以上を超硬水としています
。WHOでは基準値は設けられていませんが、
日本の水道水質基準では、300 mg/L以下と設定されており、
水質管理目標設定項目として、おいしさ(味)に関する指標から10~100 mg/Lと設定されています。

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  • 西日本 西日本では、瀬戸内海に面する地域や九州地方の一部など、地下水に由来する硬水が見られることがあります。

  • 東日本: 東日本では、山地からの流れる川の水が主で、軟水が多い傾向にあります。

このような分布は、地質や地形によって異なる水源からの水の採取に起因します。西日本の一部では石灰岩地帯が多く、ここを通過する水はミネラルを多く含むため硬水になりやすいです。一方、東日本では火山地帯が多く、火山岩を通過する水はミネラルをあまり含まず、軟水になりやすい傾向です

これまでの飲食で水について感じた事

  • お茶(緑茶)

  • だし(特に昆布)

  • 肉 (塊を炊く)

  • 野菜 (生・湯がく)

  • UKの思い出


お茶は

基本的に、お茶は自分が飲んできた味を記憶しているので安心するという
精神的な面がありますが
日本茶を入れる際は軟水を使用するのが良いと思います。
お茶の成分がしっかりと抽出されるので、うまみ・苦味・渋味がバランスよく出て、お茶本来の風味を楽しめます。
ただ かなり軟水(硬度が10mg/L以下)は、
苦味と渋味を強く感じるようになりますので、お茶を入れられる時の参考までに
マア、お好みですが・・・



だし

  • 昆布、かつお節、椎茸、煮干し(いりこ)などの和風だし
    軟水でだしをとると、うま味成分がほどよく抽出され、味全体に丸みのあるおいしさが生まれます。水出しにも適しています。

これは、上海の日本料理店に『だし』の取り方や、てんぷらのつゆを教えてほしいと中国のお店の経営者から依頼を受けて出向いたとき
硬水でとった『だし』真昆布と鰹節の一番だしの味に驚きました。
だし素材は日本から持参しており、ミネラルは関空で軟水を購入してましたが、ちょっとしたトラブルで荷物が遅れたために、先方のミネラルウォーターを使用してとりました。瓶に記載のミネラルの含有量も読み取ることができず使用してしまい、なんとも不味い『だし』の抽出となりました。
その後、軟水で取り直して、全員に 「ハオチー」と歓声が上がりました。
オーナーもこの味です。と
そこで、お水の事をお伝えしました。
やはり本格的な日本料理を味わうのは現地ですと.…
そのあとのお話は又の機会に


肉 パスタ 硬水


(塊)

肉を煮るとき、肉(牛骨スープ)(すじ肉)などからスープを作るとき
牛肉、豚肉などの塊(かたまり)肉などをじっくり煮込む料理には
硬水が向いていると思います。
硬水に含まれるカルシウムと、肉を硬くする成分のたんぱく質が結びついてアクとして抽出されます。
そのため、アクを丁寧に取ることで肉はやわらかく、澄んだおいしいスープに仕上がります。 料理用語ではミジョテと言います。
このことから、考えると、中華のスープも(鳥や豚肉の骨の部分)からとるスープに関しても硬水で、その土地の食文化と一致していることが分かります。

パスタをゆでる
パスタ料理も硬水が向いています。
パスタのデンプンと硬水に含まれるカルシウムが結合して、
麺自体にコシが出るからです。

西洋料理もやはり水との関係で成り立っていることが良くわかります。
料理をする時に、基本のことが理解できていると、
自然に美味しい料理が出来上がります。


お米を炊く 軟水


米を炊くとき

軟水を普段通りに使用しましょう
おいしい軟水で炊飯すると、日本のお米の特徴であるふっくらと甘みのあるご飯が炊きあがります。
私は、炊飯器ではなく、ビタクラフトの4Lの鍋で
ミネラルが30種類含まれた軟水のお水でご飯を炊いて食べます。
毎日玄米ご飯です


野菜 オーガニック その他

野菜を炊くとき
軟水では
 軟水はミネラル分が少ないため、野菜の細胞壁に対する影響が少なく、
柔らかくゆで上げることができると感じます。
 硬水では
硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムは、野菜のペクチンと結合しやすいので野菜が固くなりやすく、特に緑色の野菜(例:ブロッコリーやほうれん草)は色が鮮やかに保たれることが多いです

野菜を炊くときは、時間と火加減などで硬さの調節ができるので
わざわざ水を変える必要もないと思います。


英国式ティーセレモニー
ガロン単位のミネラルウォーター


UKの水の思い出

友人がUKに住んでいた時2005年に2週間滞在をさせていただきました。
グロッサリーストアでミネラルウォーターを購入しようとすると
ガロン単位でほとんどが販売されており、皆さまそれを大きなカートに入れて購入されます。
私は、持ち歩きように何本かまとめ買いをしたかったのですが、
大きな容器の水(ガロン単位)しかなく、500mlは殆ど炭酸水でした。
大きさより驚いたのが、全てが味付き イチゴ・レモン・ぶどう
ほんのりあまい感じの水でした。

しかし、あれから20年近く経つと変わるもので、現在2023年お住いの友人に伺うと
味付きの水も販売はされていますが、糖質のことを気にする傾向になり減りました。
それからガロン単位は自宅配達用に変わったので店頭には少なく、
500mlも多く販売され、500mL,2L、3Lも販売されているとのこと
又、お水自体の値段も安くなったとのことです。

行かなきゃわからないことも多い
noteを書くために久しぶりに友人と話せて良かった









肉を煮るときや、肉の骨などからスープを作るとき
牛肉、豚肉などのかたまり肉などをじっくり煮込む料理には硬水がおすすめです。
最初、この事をフレンチのシェフから聞いたときは?と思っていましたが
実際にコントレックスを購入して牛すじや豚肉など塊肉を使うときは
軟水の時と味(UMAMI)の出方が違うと感じました。
それは、調べてみると硬水に含まれるカルシウムと、肉を硬くする成分のたんぱく質は結びついてアクとして抽出されます、そのため火加減は小さく(ミジョテ)そして、丁寧にアクを取ること
すると肉はやわらかく、澄んだおいしいスープに仕上がります。

PS
パスタをゆでる時も硬水が向いています。
パスタのデンプンと硬水に含まれるカルシウムが結合して、麺自体にコシが出るからです。こう考えると、やはり食文化はその土地に寝づいたものだとつくづく思います。





野菜








UK

紅茶の渋味が気になる際は、硬水を使用するのがおすすめです。
とくに硬度300mg/Lの硬水は相性がよいといわれています。
なぜなら、硬水にはミネラルが豊富に含まれており、
そのひとつであるカルシウムがお茶に含まれる「シュウ酸」と結合することによって渋味が和らぐからです。これにより、日本茶や紅茶がまろやかな味に変化して飲みやすくなります。このように、お茶は使う水によって味が異なるので、好みに合った水を使用するようにしましょう。

私は UKのグロッサリーストアで売られているミネラルの量のガロン単位に驚きました。
なかなか日本のような小さなペットボトルが少なく
500mlは炭酸がが多かったので、持ち歩きは炭酸でした。
そして、イチゴ・レモン・グレープなど 小さいので3L
殆どがうすく甘い味付きのものが多くて、毎日味を変えて飲んでいましたが
『水あたり』をしてしまいました。やはり日本で軟水を飲みなれているからなのでしょう食事は友人宅が多かったので、困らなかったのですが
出かける時の飲み物必ず必要なので、まして日本のように
飲めるお水が、無料で提供されるということはありません
海外に出るたびに、日本の水は世界一だと思います。




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