加藤 早苗 | KATOsanae

インターカルト日本語学校/校長、日本語教員養成研究所/所長の加藤早苗です。https:…

加藤 早苗 | KATOsanae

インターカルト日本語学校/校長、日本語教員養成研究所/所長の加藤早苗です。https://www.incul.com/ https://www.incul.com/blog/kato/

最近の記事

#012 「リ~」としての日本語教師

■最近の「リ~」 ここ数年、私がよく、目にも耳にもする言葉が、リカレントとリスキリング。 リカレント(教育)は、 学校教育からいったん離れたあとも、それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けること。このための社会人の学びをリカレント教育と呼ぶ(厚生労働省HP) リスキリングは、 新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること(経済産業省HP) これらの言葉に接するたび

    • #011 登録日本語教員「国家資格早わかり」

      ◼️これから日本語教師を目指す皆さんのために 登録日本語教員の制度と、そこまでの道のりを動画にまとめてみました。 ◼️3つのルート 資格取得ルートには、2つの養成機関ルートと、試験ルートがあります。 養成機関ルート①は、今行われている420単位時間の養成講座と同じ形のものです。 375単位時間の養成課程で、国が定めた「必須の教育内容50項目」を中心に学び、さらに45単位時間の実践研修(教育実習)を受講します。 このルートを修了した人が登録日本語教員になるためにするこ

      • #010 登録日本語教員 経過措置、「私は何ルート?」

        今、2024年3月31日に日にちが変わったところです。 日本語教育機関認定法、いよいよ明日、施行の日となりました。 ◾️文化庁がHPの情報を更新、「認定マーク」も発表されました 日本語教育機関認定法の施行を前に、文化庁のHPに掲載されている資料の中で、新たに更新された資料が赤字で示されています。 日本語教育機関の方、日本語教師養成機関の方、要チェックです。 認定日本語教育機関の「認定マーク」も発表されています。https://www.bunka.go.jp/seisak

        • #009 「日本語教師」、いよいよ国家資格に

          ◾️「日本語教師」、いよいよ国家資格に ・・・という元気なタイトルをつけましたが、「日本語教育機関認定法」が施行される2024年4月1日に、いきなり国家資格の日本語教師が誕生するわけではありません。下のスケジュール(現時点での最新版)にあるように、「日本語教員登録開始」は令和6年度、ですから今年2024年の「冬頃」ということになります。 それは、国家資格となる登録日本語教員の資格要件が、登録実践研修機関での実践研修(教育実習)と日本語教員試験の合格だからです。 その一つ

        #012 「リ~」としての日本語教師

          #008 パブリック・コメント(第2弾)と意見募集

          パブリック・コメント、先日の第1弾について書く前に第2弾になってしまいました。 第2弾のパブリック・コメントは、「法律施行令案」と「登録養成等機関の審査基準案」についてで、10月27日(金)15時が締め切り、 意見募集は、「認定機関の教育課程編成指針案」と「養成コアカリキュラム案」についてで、10月17日(火)15時が締め切りです。 こんな風に、コトは容赦無く進んでいます。終わってしまった第1弾は飛ばして、パブコメ第2弾と、意見募集の内容のポイントを書きます。特に【意見募集(

          #008 パブリック・コメント(第2弾)と意見募集

          #007 日本語教育機関認定法施行に向けて

          「日本語教育機関認定法」が、2023年6月2日に国会で成立してから1ヶ月半たちました。その間に、2つのワーキンググループと、審議会(文化審議会国語分科会日本語教育小委員会)がすでに1回ずつ開かれ、そこでそれぞれ、法律の下、より具体的な内容が示される政省令案についての論議が始まりました。 ◾️「登録実践研修機関及び登録日本語教員養成機関の登録手続き等の検討に関するワーキンググループ」 2023年6月26日(月)10:00-12:00に開かれました。 リンク先の「資料4」が、

          #007 日本語教育機関認定法施行に向けて

          #006 徒然なるままにChatGPTやAI考

          たとえば電話。 一人一台どころか一家に一台なかった時代に生まれた人は、今のこの状況になるまでを経験しているのだからわかるはず。 なのに、何を恐れているのか。 わからない言葉、昔は辞書で調べなければ意味がわからなかった。けれど、今は、歴史でも料理でも病気でもなんでもかんでも、一人一台(以上)のスマホ一つで、一瞬にしてすべてがわかる。 それを当たり前にしている人が、なぜ手をこまねくのか。 そんな人は置いておいて、でもこれからの人たちは数年後には、当たり前にAIを使っている、もっ

          #006 徒然なるままにChatGPTやAI考

          #005 日本語教育機関認定法公布、いよいよここからスタート

          ■「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」公布 衆議院と参議院、それぞれの本会議において採決が行われ可決成立。 天皇陛下の御璽もいただき、2023年5月2日付けで正式に法律として公布されました。   法律名 令和5年法律第41号   公布日 令和5年6月2日   施行日 令和6年4月1日 官報に掲載された内容はこちら、 法律案はこちらです。 列挙されたもののうち、「概要」を見たら全容がわかります。とてもシンプルにまとめられています

          #005 日本語教育機関認定法公布、いよいよここからスタート

          #004 衆議院文部科学委員会での質疑と採決

          ■5月10日の委員会の流れ 「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に係る法律案」。2023年5月10日の朝9時から質疑と採決が行われました。 今日のここでは、4時間余りにわたって行われた委員会での法案に関する討論終了後の採決と、付帯決議の動議と採決について、審議の動画の抜粋部分を文字起こししたものを、そのまま下に記します。 ■法案の決議 (議長) これより採決に入ります。内閣提出「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認

          #004 衆議院文部科学委員会での質疑と採決

          #003 衆議院の文部科学委員会での質疑と答弁

          ■国会で「日本語教育」が話し合われる 「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に係る法律案」。2023年4月26日の朝9時から、休憩をはさんで14時まで、各党議員からの質疑、文科大臣等による答弁が始まりました。 ここからすべての様子が動画で見られます。 国会で、日本語教育、日本語教育機関(日本語学校)、日本語教師という言葉が飛び交っていることに、まず感激、隔世の感です。 2019年に「日本語教育の推進に関する法律」が成立してまもなく始まったコロナ

          #003 衆議院の文部科学委員会での質疑と答弁

          #002 日本語教育の法案審議が始まりました

          ■永岡文科大臣による趣旨説明 「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に係る法律案」。2023年4月21日、文部科学委員会の初日、永岡桂子文部科学大臣が提案理由と内容の概要を説明しました。所要時間4分。初日はまずそこまででした。 ■提案理由 ・日本語教育を受けることを希望する我が国に居住する外国人に対して、その機会が最大限確保されるよう関係省庁の関連施策と有機的に連携しつつ日本語教育の水準の維持向上を図ることが重要。 ・現在、日本語教育機関にお

          #002 日本語教育の法案審議が始まりました

          #001 これからの日本語教師と日本語教育〜「今、考えていること」のさわり〜

          2023年3月23日にしたインターカルト日本語学校の学期末教師会を前に、専任と非常勤すべての教師たちに向けて配信した動画の中で話したことです。下に書いたことはその第二章で、その前に日本語教師の国家資格化について、国会での審議を前に法案の内容の解説をしました。 (動画は事前に視聴、当日までに感想や意見をgoogleフォームに書き込んでもらい、当日はそれをもとに…という反転授業方式でしました。) コロナ禍を経て 2020年の新型コロナウイルスの感染拡大と歩調を合わせるように、

          #001 これからの日本語教師と日本語教育〜「今、考えていること」のさわり〜