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「面白い本」って何だろう?

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

すでに話題になっているが、2024年の本屋大賞は宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」が受賞したそうだ。

お恥ずかしながらこちらの作品は未読状態である。読書会でも何度か勧められることがあったし、実際気になる作品ではあるため、早めには読みたいところ。

個人的に、次の芥川賞や本屋大賞は何か予想しながら本が読める人って尊敬する。

古本として売りに出されてから買う比率の方が多いから、紐解く頃には「え、今更?」と言われてばかりである。まぁ読まないよりかはマシとは思うけれども。

それはさておき、本屋大賞の話になると、大学時代のとある教授の質疑応答を思い出す。

もし読書習慣がない人に何を読めば良いですかと聞かれたら、その教授は、とりあえず本屋大賞の受賞作を勧めるのだという。

理由は「良くも悪くも、面白い本だから」だそうだ。

これに対して、賛否両論あるかもしれないけれども、個人的には分かる気もしなくもない。

たまに知り合いからも、「何か面白い本知らない?」って聞かれるけれども、その「面白い本」ってのが、なかなか難しい。

なぜなら、私にとっては面白い本だとしても、それがその人にとって面白いとは限らないからだ。

例えば、私はジュール・ヴェルヌの作品を面白いと思うれども、じゃあ「海底二万哩」や「地底旅行」を人様に勧めるかと聞かれたら、いやーってなっちゃう。

さらに困ったことに、私がこれまで読んできた本はほとんど「面白い本」に該当する。印象に残ったとか色々あるけれども、大抵の本は「面白かったな~」になる。

朝井リョウさんの「何者」も、町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」も、モンゴメリの「アンの愛情」も、私にとっては"面白い"作品だ。

だとしたら、「面白い」ってそもそもなんだろう。

芸人さんだったら、どれだけ人を笑わせられるかで、ある意味基準ができる。「笑い」が起これば、面白いになる(これもまた、笑いのツボは人それぞれではあるが)。

中には、笑うために読む本もある。奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」とか、森見登美彦さんの「恋文の技術」とか、ただただ面白い!と思える作品もある。

だけど小説や文学は、笑いが起これば、イコール面白いになるわけではない。

昨年は凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」しかり、一昨年の逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」しかり、必ずしもユーモア溢れる作品が受賞する訳ではない(珍しく読了済みのパターン)。

ユーモアがない作品がつまらないわけではない。物語の場合は、特に「笑う」とは別の尺度で面白いを捉えることになる。

だからある意味、間違いなく本好きである書店員さんが選ぶ本は「面白い本(=本屋大賞)」になるという理屈も、分からなくはない。多数派意見は大体正しい。

あくまでも、これから読書習慣を身に付けたいですという方に対するアンサーではある。個々人にとぅて「面白い本」は、これから見つければ良いだけのこと。

自分にとって「面白い本」ってなんだろうかと考えるのも、たまにはいいなと思った次第。それではまた次回!

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