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【俳句小説】抜け殻からサナギ

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俳句と連載小説。抜け殻だった「わたし」が再生するまでのお話しです。
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#俳句

【俳句小説】抜け殻からサナギ #2

【俳句小説】抜け殻からサナギ #2

朧月わたしの輪郭はゆらぎ緊急入院したわたしは、亡くなったこどもを産んだ。

お腹の中にいるこどもを「はる」と呼んでいた。

はるは生きていたこともあったから、なにかの理由でその人生を終えたのだろう。

退院してから抜け殻のようにぼんやり過ごしていた。出張の多かっただんなは、それでも温かく見守ってくれていたのだと思うし、本人も同じく辛かったと思う。

生まれて初めてのひきこもりは、

友達に

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