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【有楽町】宝龍で残業終わりのサラリーマン達が平日の荒波を乗り越える話。

時刻は20時。残業終わりの有楽町駅にて。
一人暮らしの家に帰ってもご飯があるわけじゃないし、かといって今から山手線に乗って家に帰って台所に立つ元気もない。
しかしお腹が減った。
残業終わりでお昼から何も食べずにこの時間。
お腹が空いて死にそうだ。
そして何より元気が足りない。残業で擦り減った心の栄養補給もしなくてはならない。
そんな疲労OLを癒してくれるのが、有楽町の宝龍だ。
有楽町駅の真横にあるという好立地に加え、美味しい安い早いという三拍子揃った最強町中華である。

今日は宝龍でパワーチャージしよう!と決めて改札を出てお店に向かう足取りは軽く、既に疲労が溶けていくのを感じる。


まずはこの外観。
この外観は神社の鳥居くらいご利益を感じさせる。周りに人がいなければお辞儀してから入店したいくらいだが、それは心の内だけに留める。
煌々と光る看板と食品サンプルたちが目に入る度に、疲れ切った私をいつでも迎え入れてくれる町中華が存在するという事実に有り難みと尊みを感じるのだ。

店内にあしを踏み入れた瞬間耳に届くのは厨房でおじさんたちが振るう中華鍋のカンカンッという耳障りの良い音。
また疲労が溶けていくのを感じる。

カウンターに案内され、メニューを眺める。
焼き餃子は必ず食べると決めているが、今回は急遽立ち寄ったので何を頼むか事前に決められていない。
時刻は20時過ぎ。
やや遅めではあるし、餃子と炒め物で炭水化物は抜くという手もあるが、今はガッツリ食べたい気分。米か、いや麺類にいってしまうか。。


迷いながらメニューに目を走らせていると、「五目焼きそば」の文字が。
具の贅沢さから心で麺類界の貴族と呼んでいるこのメニュー、今の疲れ切った心を癒すにはぴったりではないか!

20時に麺類と餃子なんて太るなんて知ったことか。この1食が平日を乗り切る活力となり、私を生かすのだ。

注文し終えて改めて周りを見渡すと、なんと1人客の多いことよ。
それも9割が明らかにサラリーマンだ。残業終わりのこの時間、皆黙々と中華に向き合っている。
「日本で働くサラリーマン」という意味では店内にいる人は皆仲間である。
1人だけど1人じゃないような、皆で平日の荒波を乗り越えようと奮闘しているような謎の仲間意識が芽生える。


待つこと数分、まず運ばれてきたのは焼き餃子。多めの油で焼かれてテカテカ輝くビジュアルが愛しい。
ヒダが細かめにつけられていて手作業を感じさせるところもたまらない。
皮はやや薄めで具は野菜が多め。
そしてここの特徴は餃子の味付けが甘めなところだ。
町中華の餃子はニンニク胡椒多めでパンチが効いているものが多いが、ここはキャベツや調味料の甘みが強い。
塩で食べるのを推奨しているのも、この甘みをより感じさせるためと思われる。
パンチが欲しい人は酢胡椒で食べるのも良いだろう。

餃子を堪能しているうちに登場したのが五目焼きそば。


で、でかい、、!お腹が空きすぎて宝龍の麺類と米類がビックサイズなことをすっかり忘れていた。

だがそれと同時に見た目の尊さに心を奪われる。 たっぷりの片栗粉でとろみをつけた餡は艶々で美しい。
大きめの野菜がたっぷり入っていて、立ち上がる湯気が食欲を倍増させる。
餡が透き通っているから野菜の色味が際立って、まるで具材達がハイライトをまとったようである。

麺は細麺で重ための餡がしっかり絡む。
横に添えられたカラシで味変しながら食べると1人でも最後まで飽きずにいただける。

さすがに量が多く食べ切るのにかなり苦労したが、お腹いっぱいになると不思議とプラス思考になる。

店に入る前は今日も疲れたし何も終わらなかったし明日も。。
なんてネガティブな感情に打ちひしがれていたが、それが嘘のようである。

きっと周りのサラリーマン達も同じなのだろう。

私と宝龍での時を共にした残業終わりのサラリーマン達は皆どこかの会社に属していて、それぞれの役割を果たし、日本の暮らしを回すのに少なからず貢献しているのである。

そしてその役割に疲れ切った夜には宝龍で疲れを癒し、活力を得て明日も仕事と格闘するのだ。

私も頑張らねば。

疲れた平日にはまたパワーチャージしに来よう。

ごちそうさまでした。

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