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大御心と大御宝

先週、体調悪くて仕事を休んで寝ていたので、「天皇の国史」を読了した。

分厚い本で、湯船に浸かって読んでいると重くてしんどかった。

しかしまあ、竹田さんの力作だと思います。


初代の神武天皇は今から2600年くらい前に即位した(と、日本書紀には書かれている)。

良く言われるのは、最初の数代の天皇は実在しなかったのではないか、という事だけれど、

それは、その頃の天皇が160歳まで生きた計算になったりするからだ。

しかし、「1年」というものが今の半分だったり、あるいは四分の一だったりした可能性が有り、

そう考えると辻褄が合ってくる。

いずれにしろ、今から2000年かそれ以上前に、なんらかの王が居て国を作り、統合していって、

いわゆる「大和朝廷」になったのだろう。

有名な「日出処の天子 日没するところの天子に書を致す、つつがなきや」

という時代からずっと、この日本国は他国の属国にも植民地にもならずに続いて来た。

先人に感謝しかない。


大和朝廷とその後は決して平穏なものではなく、トラブル続きだった。

しかし、 クーデターや内乱を経ても、国が分裂することがなかったのは、これはもう、ひとえに天皇が存在したからだ。

そして、豊臣秀吉も徳川家康でも、決して皇室に手を付ける事は出来なかった。

2000年も続いてきた事は、奇跡だと思うし、誰にも手を付けることが出来ない正当さが強さでもあった。

それだけでなく、海外の王や皇帝とは違って私利私欲でもなく、強権でもなく、国民の幸せを願っている存在だからこその強さだ。

仁徳天皇の「民の竈」というエピソードが実話かどうかは問題ではなく、

そういう天皇が良い天皇だとされてきたからこそ、誰からも倒されずに続いたのは間違いない。

天皇の正当性を担保する男系継承に手をつけてしまい女系天皇容認をしてしまっては、

天皇とは何かを根本的に覆してしまう。

天皇というのは、天皇だから天皇なのだ。

誰か知らない人が来て「就任」する訳でもなく、選挙で選ばれるわけでもない。

この世界に類を見ない奇跡を今後も守っていかなければいけないと強く思うのだ。


幕末以降は感動して泣きながらの読書でした。

読んでいて、「大御宝」(おおみたから)という言葉が浮かんでくるのだった。

全くもって、優秀な国民は国の宝だ。

深い教養に基づいて公正な判断をしてきてくれた先人たちには本当に感謝の気持ちしか無い。

そしてそれが、私利私欲ではなく、「大御宝」と「大御心」の持ちつ持たれつの関係が底力になったのは間違いないだろうと思う。


しかし通史というのはどうしてもそっけない、かいつまんだ書き方になってしまうので、

ある程度色々な事を知っている人が読まなければ感動出来ないのではないのかな。

この本、幕末以降を独立させて、子供でも分かるような言葉で書いて出してほしい。

外国人になぜ日本には未だにエンペラーが居るのか、
そして女系天皇を認めないのは女性差別ではないのかと聞かれます。

それはこういうことではないでしょうか。

エンペラーではなく、天皇と言います。これらは違うものです。

天皇は軍隊も経済力も政治力も持っていませんが、ただ一つ権威だけを持って、

そこに居ることで、扇の要の様にずっと国を一つにまとめてきました。

強権で君臨するのではなく、誰もが天皇である事を認めるから天皇で有り続けられたのです。

有力者の誰かが天皇を殺して、今日から俺が天皇だと言っても誰も認めない。

天皇になることは権利ではなく、勝ち取るものでも選ばれるものでもなく、ましてや、権利などではありません。

女系天皇を認めないのは、女性差別などではなく、天皇の正当性を担保する為であり、そもそもそれが天皇というものなのです。

天皇には基本的人権すら有りません。

かと言って、天皇を神だと崇めているわけでもありません。

天皇とは1人の個人の事ではありません。2000年続いてきたその実態を天皇と言うのです。

ですから、ただ、そこに居てくれれば国が一つにまとまるのであって、

個人として何か仕事をしてくれなくても良いのです。

人間らしい平穏な暮らしをしていて欲しいと思うばかりです。

佐賀新聞社長 中尾 清一郎さんと茂木健一郎さんの「天皇の国史」についての対談がいいです。
中尾さんの教養の高さに感激しました。
https://www.youtube.com/watch?v=ooROcRZkBkE


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