歳を重ねていくのは、「贈り物をもらっている」んだな~「ジュマンジ/ ネクストレベル」を観て~
「ジュマンジ / ネクストレベル」を観たぞ!
これを観たいがために、ネットで前作「ジュマンジ / ウェルカム・トゥ・ジャングル」を観たぞ!
※映画のタイトルで、邦題にする時、何故「ザ」を抜くのでしょうか。冠詞苦手な私でさえ、すごく気持ちが悪い。きちんと表記して、冠詞に対する苦手意識を減らした方が良いと強く思う。
*ネタバレあります
いやあ、想像以上に良かった。ゲームが好きだとピンと来る場面も多くて楽しめるだろう。
そして、前作も今作も、とにかく皆が「中身はティーネイジャー」「中身はおじいちゃん」を演じるのが上手い。何度も何度も笑った。
ドウェイン・ジョンソンがあんなに演技力があるとは。あの体格でエネルギッシュだけど私より一つ年下なだけだった。私たち、まだまだやれるわよ! -とかポテンシャルも違いそうなのに勘違いさせられてしまう。
カレン・ギランも、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のネビュラが垣間見れるけど、ゲームキャラが合うスタイルと可愛さで、意外な演技力が見れて良い。
他の出演者も、中身は高校生や大学生を演じたり、中身はおじいちゃんを演じたり、性別も変わったり戻ったり。「べサニー」が馬だった時にはもう笑うばかりだったけど。
「ウェルカム・トゥ・ジャングル」も今回の「ネクストレベル」も、だいぶ笑っている時間がある。でもお互いを想い、なかなか素敵なセリフも出てくる。
そして今回、私は学生たちのやり取りや仲間とか絆とか以上に、グッときたものがあった。「ジュマンジ / ネクストレベル」では、おじいちゃんに情がわいて仕方なかった。
最初の方で、主人公スペンサーのおじいちゃんエディが、シーパップを着けて寝るシーンがある。
シーパップとは、無呼吸症候群の人が着けて寝る器具。酸素マスクみたい。ゴムチューブがつながった小さなマスクを鼻に当てて、シュー……シュー……ってちょっとダースベーダ―みたいな音を出して眠る。それはまるで呼吸「させられている」かのようだ。
と、夫は言う。
そう、私の夫はシーパップ愛用者だ。
愛用者ってでも別に愛しているわけじゃない。夫は多分好きではない。でもいびきが、以前の大きさとは違った、異様な音を発するようになった。時々息が止まる。そして「ふぐうおぉぉっ!!」っと息を吹き返す音が苦しそう。怖いので医者に行ってもらい、つけてくれとお願いしている。
眠気に負けてうっかりそのまま寝ていると、声をかける。でもお酒飲んで爆睡中は、声をかけても起きないから着けようとする。するとその途中で、段々目をさまして「ねじれちゃった」「そこ痛い……」とか言う。腹が立って「もー自分でしてよ!」と別の部屋で寝る。風邪や鼻炎でシーパップ着けられない時もあって、そんな時も仕方ないから別の部屋で寝る。
そして寝返りやなんかで、結局、朝起きたらシーパップが外れている場合もある。
夫は根っからの自由人で、面倒くさい物事は大嫌い。シーパップつけるなんてうっとうしいにもほどがあると思っているだろう。
出張で持って行くのも「重くてイヤだ!」とごねつつ持って行く。
さて映画の中のエディおじいちゃんは、寝る前からシーパップを持ったまま、なかなか着けないでスペンサーとお喋りしている。観ている私はシーパップが気になって会話があまり入ってこない。
それ、知ってる知ってる。
エディは、自分が歳を取って身体が不自由になってきているのを、胸が悪くなるくらい嫌っている。何度もムカつく! と言って苛立っている。
それでもシーパップを着けて寝て、朝にはやっぱりズレている。
エディ……知ってるよ、うっとうしいのも面倒くさいのも。歳取るのをどんなに楽観視したって、身体が思うように動かないのも。それでむしゃくしゃしちゃうのも。
まだ序盤なのに、私は泣きそうになってしまった。多分泣くところではない。
ゲームの中で、病気で余命もあまりなさそうなマイロと友情を取り戻し、お別れするシーンもグッとくる。
でも私の泣きどころは、また違う場面。
エディが、元の世界に戻って来て、「Getting old… is a gift」と言う。「歳取るって、贈り物だよな」といった風だろうか。天からの授かりもの、のように。台詞をクサくなり過ぎなく、大事そうに言ってくれる。
仲違いしていたマイロとの思い出、大切な友情に思いを馳せて、孫や孫の友達たちといっぱい新しい世界を体験して。
歳取るなんてロクでもないと、ずっとエディは吐き捨てるように言ってきていたから、この言葉がたまらない。
やっぱりそう言ってほしい。
思い出が増えて、仲違いしていた人とまたやり直すチャンスもできて、新しい体験だって、動く範囲内でできる。
体は不自由になっていくけど、経験や思い出か増えて、心が自由になっていくのは気づいている。
そして、今後もそうなっていくと信じている。
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。