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信じて話してくれた友だち


そんなふうにしっかり者のキミは
幼いころに
家族をささえていたなんて

そんなふうに明るい陽気なキミは
暗いおうちで
息をひそめていたなんて

そんなふうに優しく幸せなキミは
あちこちで
悲しい景色を見ていたなんて

今まで誰にも言わずに
たくさん独りで
抱えてきたんだ

大人になってからも
みんなちがうのに

どうしてキミは
ちがうことをおそれるのだろう

どうしてキミは
同じことをおそれるのだろう

どうしてキミは
いろんな自分をおそれるのだろう

話してくれて
やっと知ったキミの思いを

わたしが知ったらどう思うか
心配だったの

同じように生きている人なんて
いないんだよって

長く生きればわかる
長く生きなくてもわかる
ただキミを
知らなかった

そして
キミもわたしを知らなかった

だから
それがわたしとの
積み重ね

これからも

わたしとの
時間

まだまだたくさん

黙ってぶつかる風に
髪が流され
キミの顔は見えなくても

揺れるすすきやコスモスが
わたしの水晶体に
深く映っても

笑って
ありがとうって言うよ




読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。