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HSPが大病院に行くと

 昨日、何の気なしに非公式コンテスト物について書いて載せたら、その後に、人と集まることを想像して勝手に疲れ、ああいうコンテスト物に参加した時の心境を思い出してまた疲れ、さらに皆の盛り上がりややり取りを見て疲れ。疲れすぎてげんなりしてしまった。みんな、そんな風に楽しくつながれて良いなあ。私も気楽な感じでそんな風にできたらなあ。でもしんどいからできない。チラッと見ただけなのに、今日もまだ精神的にヘトヘト。私の場合は、無理につながろうとしてはいけない。

 ああ思い出し始めると自律神経のバランスがおかしくなりそう。疲労困憊中なので、HSP(highly sensitive person)漫画家のおがたちえさんの記事を読んで、気を落ち着かせよう。

 もちろん「そこは違う」もあるけど、けっこうな割合で「あるある」が描かれる。
 共感しつつ、ちょっと驚く気持ちも湧いてくる。

 「えっ。そのあるあるはみんなじゃなくて、HSPあるあるなの?」

 って。
 それがかなりの頻度で。

 日常生活で「それも? これも?」ってHSP成分が出ているとは知らなかった。

 この前、病院に行った時に意識し始めると「もしやこれも」なんて、自分の言動が面白くなってきてしまった。

***

 地域の大きな病院に、婦人科検診に行っている。
 昨年、麻酔手術での検査を受けて、結果があまり思わしくなかったため、三ヶ月おきに検診に通う。
 でも先月、その三か月目の予約日少し前、緊急事態宣言もあって、家族と相談し、少し延ばすことにした。

 今のところ、この辺りに感染者はおらず。だけど30万人近くいる地域に病床は数えるほどしかないそうだし、高齢者が多いから、皆、真面目に気を付けている。

 結局、ドラッグストアで買う漢方薬は高く、今のところこの辺りは大丈夫そうなので、予約を取って1か月遅れで行った。

 病院玄関で、一人一人立ち止まって検温がある。
 は。初めての検温のやり方だ。テレビで観るアレだ。

 緊張する。駐車場確保のために早めに来て熱い車の中で少し待ったから身体が熱い。気がする! 緊張して立ったら「6度8分」と言われた。
 ちょ。ちょっと高いわよね。

 前の人や後の人の「6度1分」だとか「6度3分」を聞いて、私大丈夫かしらと勝手に心配する。いや元気な時だって、ホルモンのせいで7度1分くらいになる日だってある。

 何だかギクシャクした動きで病院の受け付けロビーへ。
 久しぶりに来ると、機械がちょっと前から導入されていて、自動受付機になっていたと思い出す。どうやるんだっけ。
 戸惑いながら済ませると、すれ違う人の様子が目に入る。
 マスクをしている人ばかり。トイレで入念に手を洗う人。わかるなあ。後から来た人がちゃっちゃと洗ってペーパータオルをぱっぱと取る。あっ気にしないのね。そういう人もいる。アルコール消毒したところだしまた洗えば良いんだし。それもわかる気がする。でも二枚も取るんだ。いやちゃんと拭かなくちゃね。濡れたままだと意味ないっていうし。
 ゴチャゴチャ思いながら自分のフロアでも受付をすると、「この紙、次からはそばにあったファイルに入れて下さいね」と笑顔で言われる。優しい言い方だったので気にはしないけど、ああそうだっけと思い出す。「あは! すみません」と、係の人に、別のファイルを準備させたことに恐縮する。

 「予約の時間以降にならないと呼ばれないですよね?」婦人科の受付で紙を渡しながら聞く。
 座席が斜め並びに変わっていた。席は隣り合わないようにマークが入っている。わお。やっぱり対策してあるんだな。

 安心するけど、あらゆる場所ややり方が前までと違うんだなあと戸惑い、一階のカフェで少し休む。喉がすごく乾いていた。

 時間になって呼ばれ、診察の時に、心配事を話す。でも先生に心配させないようにも気を遣ってしまう。

 検査自体は針で刺したところをさらにひねったような激烈な痛さ。自分をつねって我慢する。つねっているところが痛いってば。

 先生や他の患者さんを待たせてはいけないと、着替えを急ぐ。靴下の糸がひら~とほつれているのが目に入る。ああ気づかなかったよ~これをヒラヒラ揺らし、さらして今まで過ごしていたのか。こっぱずかしい。

 お薬をいただきたいと話したら、「ああそうだったですね~」と呑気に言われ、ホッとする。

 診察を終えて部屋を出ると「かわせみさん!」と声をかけられてビックリする。

 母親友達だ。彼女は外国人なので今の生活が不安じゃなかろうかと、とことん話し相手になる。マスク越しだから少し大きな声で話すけど、周りに迷惑じゃないか聞かれていないか、気になる。

 笑って別れ、またフロア受付へ。
 生年月日で本人確認の時に「1900……」と始めてしまい、あれっさっきは病院側に気を遣って昭和で言ったのに、私ったら。と思って少しの間、無言になってしまう。
 思い出しているフリをして、「えーと。71年……」と続ける。

 総合受付でまた機械にての支払い。駐車券もここで出るようになったんだ! 便利ね~。とか思いながら確認ボタンを押したら、ニュッ!! と紙が一度にあちこちから出てパニックになる。

 ぎゃ! ビックリした!!

 時々行くスーパーのレジで「お釣りとレシートをお受け取り下さい」の声が大きすぎていつも怖いので、この機械も大きな声だったらコワイ! 必死で全部をひったくってその場を離れる。後ろに人が並んでいるかもしれない。さっさと済ませて、そばの椅子で全部をカバンに片づけようと駐車券やお釣りや処方箋などで奮闘。
 すると、「まだありますよ」と見守っている係の人に言われ、振り返る。機械からまだ紙がべろ~んと出ている。後ろに人は並んでいなかったし、声の出ないタイプの機械だった。そして領収証を取っていなかった。

 「あはは! ホントだ、ありがとうございます!!」

 自分の失敗には寛大だ。
 だって失敗だらけだからー。

 ドアから出ようとすると、入ろうとしている人の検温が行われていた。身体を斜めにかがめながらその場をそっと離れる。いやそんなことしなくても大丈夫なんだろうけど。

***

 この中にHSP成分は、果たしてどのくらいあるだろうか?
 客観的に分析すると、全部な気がしちゃう。
 でもこんな風な時間の過ごし方、気の使い方をして、私はこれがとってもラクなのだ。

 私はHSPとして暮らしている。

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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。