図書館船
こちらのニュースを見ました。
調べてみると前例として、1961年建造の「文化船ひまわり」という広島県の船があったそうです。上の記事は香川県。ということは、どちらも瀬戸内海の島に住んでいる人向けですね。
さて、このニュースを読んで、実は僕はちょっともやっとしたものを感じています。
いいことを言っているように見えるけれども、それは環境にきちんと対応しているのだろうか。
前例の船「ひまわり」の頃であれば、実体のある紙の本を運ぶしかなかった。でも今では他の手段があります。ネットで情報が流通し物語も紙の本に縛られなくなっている今、これがベストのやり方だとは、いまいち思えないのです。例えば電子図書館を拡充した方が、どこに住んでいてもアクセスできますし、天候などに左右されないので、いいのではないか。電子図書館も色々問題あるなと思って見ているんですけれども。
こういう部分に僕が引っかかるのは、この手の話が出る時に、紙本信仰の匂いがして嫌だからなのです。論理的な帰結ではなく、後ろ向きで自分の育った時代への郷愁に溢れており、変化に対してアレルギーがある。人類の進歩を阻害するとさえ思っています。
環境が変われば生物はそれに対応するより他なく、それができなければ絶滅です。ということで、ちょっと厳しめの意見を持ったのですが。
さて、これだけ書いておきながら、実は今日この記事を取り上げようと思った理由はそこではなく。
「図書館船」っていう言葉の響きが、めっちゃよくないですか?
色々問題あるなという感想を上記のように持ったのですが、その後それを飲み込むように、でも図書館船という言葉の響きは素敵だなあという気持ちが湧き上がってきたのです。
施策としては論理的ではなく情緒的な雰囲気がマイナス評価なのですが、物語としては情緒を刺激する言葉は大切です。そういう刺激でイメージが膨らむ。「図書館船」から、色々お話作れると思うんですよ。
とりあえず、この記事を見てその言葉の響きにうっとりしたほんの短い時間で、僕は3つぐらいアイディアが浮かびました。現代劇はもちろん作れるし、ファンタジー、SFも行けますよ。
絶滅した文明を記録し続けて銀河系を巡回している図書館船とかめっちゃ面白そう。そんな妄想をかき立てられたのでした。
(ブログ『かってに応援団』より転載)
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