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「伝える」は、まずは自分に伝えよう

 自分の言うことが、なかなか伝わらない。言葉にしても文字にしても資料にしても、あれこれ話して、書いて、わかってもらったはずなのに、あとになってみればやはり、伝えたいことの1割もわかってもらえていない。よくあることだ。

 なぜ、伝わらないのだろうか。それは人類の永遠のテーマかも知れない。なぜ、人はわかり合えないのか。
 古今東西あらゆる時代でそれは検討されて、実践されて、数々の失敗の上にノウハウが形作られてきた。それらはすべて、努力の結晶であり、試行錯誤の表われだ。どうあってもわかり合えない他人同士、少しでも伝わるためにはどうすればいいのか?人はずっとずっと、そんなことを考えている。
 その、どんなアプローチも方策も、技術もノウハウも、共通する1つの事実が存在する。あるいはベース。他人に伝わるためには確かに様々な工夫が叫ばれているが、大切なのはまず、自分自身である。
 自分自身に、それがどれだけ伝わっているかを確かめ、きちんとそのことをわかっているか、そういうことだ。

 伝える、伝える、伝える…目的にとらわれた頭を立ち返らせて、シンプルに考えよう。伝えるとは何を? 当たり前だ、それは自分の言葉を、考えを、思いをだ。
 だから、わかっているはずなのだ。そうでなければならない。伝える以前に、伝えられるものを確かにこの手に握っているという感触を。それがなければ、誰に何を伝えるというのか?迷う。それどころか見えない。何をすればいいのかもわからない。何が足りないのかもわからない。
 そんなの、伝えるためにはとんでもなく状態が悪い。
 だからまず、伝わるべきは自分なのだ。自分の意思を、目的を、手法を、満足を。
 その検討が済んではじめて、わかってからやっと、他人に伝えるための準備がスタートする。言うことが伝わらないのは、自分にとってもまたそうだからだ。
 当たり前に、伝えるために、私達は自分自身を見つめて、しかしその上で、他人を向いて伝えなければならない。

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