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「オン・ザ・ロック」を見た(ネタバレあり)

娘と父親が夫の浮気調査を通じて絆の修復?していくお話


主人公のローラ(ラシダ・ジョーンズ)は、夫ディーンとの間に2人の娘たちをもうけ、日々忙しく暮らしていた。ローラは、日々娘の学校や習い事へ送迎や家事に追われており、本業である作家活動はなかなか筆が進まない毎日を送っていた。そんな中、ローラはディーンが出張から帰宅した際の不自然な仕草をきっかけに、浮気をしているのではないかと疑い始める。

ある日父親のフェリックス(ビル・マーレイ)に相談したことで、父親と共にディーンの浮気調査を始めることになる。

父と娘の絆を修復するお話

この話は、夫の浮気疑惑をきっかけにして、愛人の元へと去っていった父親と娘の関係を再構築してく話になっている。

娘からの相談をきっかけに、父親が娘を心配している体で、自分の財力やコネクションを使いながら(最終的にはなんとディーンのクレジットカードの使用履歴まで調べてしまう。怖っ!)、次から次へと疑惑を提示する。

娘の方も、過去に蟠りがるものの父親の言うことでもあり、また自分でも疑惑を持っていることもあり、父親の巧妙な口車に乗せられて、浮気調査に巻き込まれてしまう。

そんな中、ローラは、必死になってディーンの後をつけたりしている自分を顧みて、虚しさを感じてしまう。

出だしは、夫の浮気疑惑がスタートになり、徐々に父と娘のやり取が中心になっていく。個人的には、途中までどこに向かっていく映画なのかがわからない状態だったので、モヤモヤ感があった。

ビル・マーレイの快演が光る

ゴースト・バスターズの時から比べるとかなり歳をとった感は否めないが、胡散臭さが滲み出る演技が冴えていた。それに加え、今回のように人たらしの役をやらせると非常にあっている。彼の演技があってこそ、ローラはダメだと感じつつもついつい父親のペースにハマって浮気調査に巻き込まれてしまうという構図が成り立つ。

少し気になったところ

正直のなところ、中盤手前くらいのところで、ラストが読めてしまったところがあり、その後は惰性で見ざるを得なかったのが残念。

もう少し、ディーンの浮気を何か匂わせるようなところが途中途中でもあって良かった気がするが、主題はそこではないので、やりすぎても見ている人が別のところに注意が向くことになるため、加減減が難しいかもしれない。

おしゃれな映画

舞台がマンハッタンなので、家事に追われている主婦とはいえ、家具もおしゃれだし、子ども学校に送迎に来ているママ友の服装もおしゃれ。ローラが普段着ている服さえオシャレに見えてしまうので、マンハッタンという街の雰囲気のせいだろうか。

なんと言っても、父親のフェリックスが画商をしていてお金持ちで、普段は運転手付きの車による移動というのもあり、浮気調査といっても映像の中には切羽詰まった感というのがない。こういった演出も、コメディーのなかに父と娘の関係を織り込んでいくというソフィア・コッポラの旨さなのだろうか。


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