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「シン・仮面ライダー」を見た(ネタバレあり)

Amazon Primeで見られるようになっていたので見た感想などを書いておく。

庵野秀明氏の一連の「シン」シリーズと言っていいのだろうか、少なくともその流れの作品の一つになる。これまで、ゴジラ、ウルトラマンなどを彼の解釈でリメイクしてきたものを、今回は仮面ライダーをリメイクしたという位置付けの作品。

まずは絵造り

ゴジラ、ウルトラマンでも意識されていたことだが、「シン」シリーズに共通しているのは、構図や、キャラクターの動き、服装などが、当時の画像(表現正しいだろうか)を意識して作られているところだ。

今回の作品でもその辺り、ところどころ意識されていて、当時仮面ライダーを見ていた人はなんとなく懐かしい感じがして、見ていない人は多少レトロ感があるのではないだろうか。

特に、序盤倒れた緑川をショッカーが運んでくるシーンなどは、「ちょっとやりすぎでは?」くらいの感じがしたくらいだ。

過去の仮面ライダーのリメイクでは、ライダーをよりリアルにデザインしたりしていたが、今回は原作へのリスペクトがあったのか、デザインはほとんど変更されず、且つかなり原作に近いデザインにしていたので、最近の仮面ライダーと比べるとかなり落ち着いた印象を受けた。ただ、ほぼデザインに変更を加えなかったために、個人的には違和感なく見ることができたと思う。

オリジナルの仮面ライダーのストーリーを全く理解していないのだが、本作においては、ショッカーのアジトから脱出した直後から話が始まる。ライダー(バッタ・オーグ)を作った、緑川博士の娘と共に脱出した本郷猛が、次から次へと迫り来る追っ手を退けつつ、最後にはショッカーの首領であるチョウ・オーグとの決戦に望んでいくという流れになるのだが、全体的には話もあまり複雑なものはなく、とても分かりやすかった部分に好感が持てた。変に捻りを加えたり、難しい解釈を取り込んだりすることはなく、かなり素直に脚本を書いたところは仮面ライダーの雰囲気を保つのに貢献したのではないだろうか。

また、前半ではどちらかというと、緑川ルリ子が本郷猛をリードしていくような形でストーリーが展開し、後半では本郷猛が自ら戦いを展開していくと部分が、明確に書き分けられていて、どちらかというと登場人物が限られている中、物語全体に変化をつけるのに役立っていると感じた。緑川ルリ子というキャラクターを細かく創り込んで、今回の映画ではある意味もう一人の主人公として活かしていたところが良かったのではないだろうか。

ゴジラ、ウルトラマンも見ていて、今回このシン・仮面ライダーを見たわけだが、個人的にはこれまでの中では、一番うまくまとまった作品だったと思う。


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