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世界一幸せなフィンランド人は不親切?

海外から帰国したら、日本の至れり尽くせりのおもてなしやサービスにホッとします。
何も要求しなくても、目をちょっとあげただけで、飲み物や毛布や照明など欲しいと思っていたものが目の前に出てくるJ A Lのサービスは世界一を誇りますよね。それに慣れていると、海外では何もしてくれない、とんでもない、不親切だという気持ちになってしまいがちかもしれません。電車のアナウンスでも、携帯忘れるな、傘は持ったか、足元よく見ろ、手を挟まれるなとか、もう至れり尽くせりでうるさいくらいではありませんか?

静けさを愛する私は、過剰サービスのないフィンランドにホッとします。アメリカでもそうでした。こちらが要求するまで放っておかれます。これには痛い思い出があります。ペンシルバニア大学の研究所に赴任した時、まだ大学院生だった私は日本のサービスに慣れきってお迎えやエスコートがあるのが当然と思い込んでいたために、自分のウエルカムパーティに辿り着けなかったのです。方向音痴で場所がわからない時にはそう言ってエスコートをお願いしなければやってくれないのが西洋流かもしれません。反対に、日本にホームステイした高校生が、休日にどこに行くのか何時に帰ってくるのかなど聞かれてプライバシーの侵害で窮屈な思いをしたという話もよく聞きます。

世界一幸せなフィンランド人は親切ではないのでしょうか?いえ、とっても親切な人たちです。困っている時に助けを求めたら、それはそれは親切に助けてくれます、でも、助けを求めないと放っておかれます。それは冷たいのではなくて、個人の在り方を尊重しているからなのです。

こんなことを思い出したのは、フィンランドの小学校では初日、カリキュラムも何も決まってなくて、もちろん持ち物や準備も何もなくて驚いたという日本人のお話を聞いたからでした。まず集まって、何したい?と子供と話して決めていく、何をするかは先生たちの裁量に任されているから、その時の気分や天候でどんなにでもできるのがフィンランド流です。私は知らず知らずのうちにそれが当たり前だと思ってTuuliをやってきたのですが、なぜかみんな躊躇して、できない・・・と尻込みをする理由がわかりました。慣れてないのですね、やってもらうのが当然だし、自分から自由にやりたいようにやったことがないから戸惑うのですね。経験したことがない大人の意識改革から始めなきゃいけないのかもと思い至りました。

というか、私の意識改革が必要かも?笑
自由を知らない人は自由ってどういうことかわからなかったのですね・・・
こどもは知ってますよ、生まれつき!
風にのって歌い踊れのTuuliは今日から春休みです、ごきげんよう。

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