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大阪北部地震での小学校壁崩落事故を思い出す。

 日本デジタル・シティズンシップ研究会主催のリアルゼミが吹田市で行われたこともあり、高槻市周辺を襲った大阪北部地震のことを思い出した。

 2018年度に娘の学校のPTA役員(校外活動の部長)を務めていたときに、
市教委の生涯学習課の指導主事や、区の小中学校の校長、教頭、PTA役員らが参加する指導者研究集会に参加した。学校や地域の安全を守るために、区内の各ブロックが集まり、情報共有する検討会議である。

 その時に、大阪北部地震での小学校壁崩落事故の話が出た。
 小学校4年の女子児童が登校中に、大阪北部地震による強い揺れにより、プール横のコンクリート壁が崩落し、その下敷きとなってしまった。
 この件がきっかけで、全国のあらゆる地方行政は、地域に存在するコンクリート壁をくまなく調査し、倒壊の恐れがあるものを割り出した。

 実は、5年以上経った今でも亀裂の入ったままのコンクリート壁を見ることがある。実は、行政がくまなく調査したのは、公共施設がほとんであるという点を押さえておきたい。コンクリート壁は行政ではなく、民家にも存在する。
 公共の物に関してはどんどん声を上げて、撤去につなげていけばよいだが、民家については、声を掛けることはできても、最終的な判断は持ち主に委ねられる。これが未だコンクリート壁が残ったままの原因となっている。

 PTAの安全パトロールでも一時、倒壊の恐れがあるコンクリート壁の調査があった。調査結果を地図に記録までしたが、それがヒヤリマップとして、一般家庭に配られることはなかった。

 なぜなら、学校などの行政の持ち物である公共施設には、遠慮なく×を付ければよいのだが、民家の場所に付けると問題が発生する。名誉毀損になる可能性があるからだ。それが、もし学校に通う児童生徒の住む家であったら、他の児童生徒から、いじめの原因になってしまうことも考えられる。これがヒヤリマップとして配布に至らなかった理由である。

 なかなか民家のコンクリート壁を取り除くことは難しいであろう。しかし、子どもの安全を保証していくことは重要である。 親と子が一緒になって、実際に地域を歩いて危険個所を見付け、その対応策を一緒に考えることが必要であろう。すごく地味なことかもしれないが、各家庭に呼び掛け、実践することが、子どもの命を守ることに最善の取り組みだと思われる。

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