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ご先祖様が命懸けで作り上げた日本の食文化

日本のパンの老舗がコオロギのパウダーを入れたパンを発売、というニュースを見かけた。その時、ふと以前お世話になった食品会社の社長さんの食文化に関する話を思いだした。

“アメリカは建国250年程度。だからまだ食文化が浅い。いろんな国の人間が祖国の食文化をアメリカに持ち込んだ。イギリス人が持ち込んだ食文化はイギリス人にはいいかもしれないけれどフランス人には向かないかもしれない。またイギリス人とフランス人の間に生まれた子供はどちらの国の食事が合うかわからない。だから肥満や糖尿病が多いのではないか”。 なるほど、と思った。

それに対して日本には大変長い食文化が存在している。海外に住むとどうしても日本食が恋しくなる。パンよりはご飯。ピザやハンバーガーが続くと、刺身やおでんが食べたくなる。日本食文化が体に染み付いているからだ。おそらく腸内細菌も日本食仕様に違いない。

日本の食文化は、我々の祖先が長い年月をかけて、日本人の体にいいものを選んでくれた結果だ。納豆、ナマコ、くさやを最初に食べた先祖は尊敬する。そんな中でも、最も尊敬するのは、私の郷里下関名産のフグを食可能にした人々だ。卵巣や血液にテトロドトキシンという神経毒が含まれていて、食べると死んでしまう。でも我々の祖先たちはどの臓器に毒があるかを突き止め、それを取り除き食べることを可能にしてくれた。きっと死人も多く出たはずだ。

自分たちの生命までかけて築き上げた日本の食文化には“コウロギ”という文字はない。

教訓:困ったときには歴史から学ぶ。体に何かを入れるときは慎重に。

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