Kazuergo

東京大学獣医学科卒業。4年間体育会漕艇部に所属。在学中に動物アレルギーであることが判明…

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東京大学獣医学科卒業。4年間体育会漕艇部に所属。在学中に動物アレルギーであることが判明し獣医師を断念。卒業後渡米。在米30年。 アルツハイマー治療薬のベンチャー企業を起業。

最近の記事

犬のディズニーランドを目指す。      ~夫婦が始めたセカンドビジネス~

私たちは副業として他人の愛犬を預かっており、既に4年が経過しました。特にホリデーシーズンは1年前から予約が埋まり、時にはお断りしないといけない状態です。オーナーさんには頻繁に写真やビデオで状況をアップデートしています。年末年始に頂いたお客様のコメントから、特に印象深かった2つを今回紹介します。 コメント1 英語原文:I truly feel I send my Ruth to Disneyland for dogs I don't know if you do this

    • 口癖を変えたことで、自分に変化が訪れたように感じます。

      日常の夫婦の会話ではよく見られる光景です。 妻:「今日の晩御飯、肉と魚、どちらがいい?」 夫:「肉でいいよ。」 この歳になり、私はこういった質問に「でいい」ではなく、「がいい」と答えるよう心がけています。例えば、上記の場面では「肉がいい」となります。 「でいい」という表現は受け身で、失敗しても自分の責任ではないという逃げ道を残しています。また、考えることを放棄していることが多いです。 一方で、「がいい」と言うと、自分で決断を下さなければなりません。そのため、失敗も自

      • 私が渡米を決意した理由

        私は今から32年前に妻と二人で渡米しました。周りの人に、その理由を説明するときにはいつもこう言っています。 ”学生の時にサーカディアンリズム(体内時計)に魅せられてアメリカの研究室に来ました。” でも本当のきっかけは笑ってしまうような理由です。 私の学生時代にソウルオリンピックがありました。当時陸上女子の長距離のメダリストの多くはいわゆる“ママさん選手”でした。私は妊娠すると体内環境が変わり持久力が増すのではないかと考えるようになりました。そのアイディアを指導教授に話た

        • 私が獣医師を諦めた本当の理由

          私は獣医学部出身でもちろん日本では獣医師の免許を持っている。しかしながら臨床経験はゼロ。どうして獣医学部を出て獣医師にならなかったのかと聞かれる。私の答えはいつも同じ。 在学中に動物アレルギーが発症してしまい臨床の道を諦めました。 みんなんは大抵笑いながら、アレルギーを見つけるのにかなりお金かかりましたねと。 でも本当の理由はもっと笑ってしまう理由だ。 私の大学では3年生進学時に希望の学科を選ぶ。私は獣医学科を選んだ。同級生は30人。獣医学科は6年制。4年生になるとき

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          他人の犬をお世話する本当の理由

          アメリカには犬のお世話をしてくれる人を探すサイトがあります。4年前、愛犬の死後、そのサイトに登録しました。そこには我々の紹介文を載せるところがあります。今回4年ぶりにその内容を大幅にアップデートしました。以下その翻訳です。 私は日本の山間部の小さな村で育ちました。実家は広大な土地で米作と酪農を営んでいました。物心ついたときから家にはいつも犬がいました。父親はメスのビーグルが大好きで、私が大学に行くまでに合計3世代のビーグルがいました。彼女たちの名前はどれも同じでメアリーでし

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          誰が我が家の下水道管を破壊したのか?

          我々が住んでいる街は遠い昔は沼地だった。そのため至る所に大きな木がおおい茂っている。飛行機から見るとまるで林の中に家がある感じで壮観だ。我が家の庭にも大きな木が一本ある。その木のおかげで、夏は強い日差しが遮られ室内は快適になる。秋になると落葉して、今度は家の中に暖かい冬の光が差し込む。そして初夏になるとまた一面緑に覆われる。我々はこの自然の恩恵を20年以上無償で受けてきた。しかし今年の夏、ついにその代償を払わされることになった。 我が家は1962年築の古い家。60年以上もシ

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          避妊手術をしていないオス犬を避妊手術済みの犬たちと一緒に生活させたらどうなるか?

          4年前の愛犬の死を機会によそ様の犬を預かり始めた。これまでに100匹以上の犬が我が家を訪れた。オーナーは観光地でバケーション。犬たちは我が家でバケーション。 そんな中、先日お預かりしていた2歳のオス犬は手に負えず、オーナーさんの友達で、犬を飼われていない方に引き取ってもらう羽目になった。4年目にして初めての大失態。その原因は私たちが避妊手術を施していないことを確認しなかったことにあった。 その犬は我が家に到着後、日を追うごとに、普通の犬と違う行動が目につくようになった。同

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          壁を乗り越える方法は一つじゃない

          先日、近所の狭い路地で美しい光景を目にした(写真)。綺麗な赤い花が壁を乗り越えて咲き乱れている。そんな中、一輪のピンクの花は壁の隙間をくぐり抜けて咲いていた。壁を乗り越える方法はいろいろある。赤い花たちのように文字通り壁を乗り越えていく方法(正面突破)が正当な方法かもしれない。しかし、ピンクの花のようにわずかな隙間に希望の光を見つけてそこに突き進み突破するのもありだ。考えてみれば、日常で出会う様々な問題(困難)は、ピンクの花のように解決してきた。正面突破より時間がかかるけれど

          壁を乗り越える方法は一つじゃない

          現場主義を貫く: Street Smartになりたい

          我が家にはいわゆる“開かずの間”がある。それは地下室。竜巻の多いアメリカ中西部ではほとんどの家には地下室がある。建面積の半分くらいを占めている。アメリカ人の多くはここを綺麗に改装してファミリールームや寝室として使っている。我々というと、将来使う可能性はゼロに近いけれど捨てる勇気がない物の拭きだめとして使ってきた。 子供たちも巣立ち、我々夫婦は地下を改造して寝室と風呂場をつけることを決意した。残り少ない人生、22年前に買った築62年の家で快適に暮らすために。友人や家族を呼んで

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          学校の成績を伸ばす秘訣は予習より徹底的な復習にあり

          『ドラえもん』で、のび太がよくお母さんに「のび太、勉強しなさい」と叱られるシーンを見かける。私はかねがね、テストであんな悲惨な点を取っているのび太は勉強の仕方すらわかっていないのだから、お母さんは勉強の仕方から彼に教えるべきだと思っていた。勉強の仕方とは何か。その極意を私は高校と予備校で、偶然にも非常に似た風貌を備えた2人の教師から掴むことができた。今回はその極意についてお話ししたい。  まずは、高校時代の数学教師 。彼の名前は唐松昭人からまつあきひと。白髪で痩せ型、授業中

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          現場主義を貫く:ニューヨークに行ったら予期せぬことが起きた。

          先日シンポジウム参加のため、約10年ぶりにニューヨークを訪れた。空港からタクシーでマンハッタンに到着。独特な臭いは10年前と全く変わっていない。最初の夜に早速ニューヨークの洗礼を受けた。宿泊していたホテルの隣の部屋から大音量の音楽が流れてきた。深夜2時。大声で歌っている。その言葉は英語でもスペイン語でもフランス語でもない。この国の鉄則で絶対に自分で直接問題を解決してはいけない。アメリカは銃社会。一発ズドンっていうことも十分ある。私は仕方なくフロントに行き部屋を変えてくれと頼ん

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          GPS、住所無ければ、ただの箱

          1週間フロリダ州NASAに同僚6人で出張。仕事は深夜10時から翌朝まで。全身の臓器がバラバラに好き勝手に動いている。自分の体が自分のものじゃない感覚だ。職場への運転はいつも大学卒業したてのクリスが担当。NASAの周りは自然保護区で、野生動物がいっぱいいる。毎日通勤中は、その景色をボーっと見ていた。 昨夜は私だけ深夜1時上がりだったので、先に宿舎(Airbnb)に戻って寝ることにした。宿舎まではGPSがご案内。Mr.ChildrenのHanabi、Himawari、エソラを聴

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          コメ依存症の私を喜ばせるビジネスをニューヨークで発見!

          私はアメリカに30年以上住んでいるけれど、いまだにコメなしには生きて行けない体だ。妻曰く、そんなにコメが好きなら日本に帰ればよかったのにと。そんなコメ依存症の私を喜ばせることが起きた。 先週、行きつけの理容室の方から、玄米を日本から輸入して注文に応じて精米して送ってくれる会社がニューヨークにあると聞いた。日系スーパーのお米より30%くらい高い。しかし、コメが命の私は何の躊躇もなく注文した。そしてコメは昨日届いた。それは大正解の選択だった。 炊き立てのご飯を見て、夫婦で思わ

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          両親が考え出した、私への仕送り捻出法

          日本の4月は新入生、新社会人が東京に多く集まってくる。そういう私も、今から約40年前に故郷の下関市の農村を離れ東京の大学に進学した。ど田舎の村から東京の大学に子供を送り出すことは、並大抵のことじゃない。経済的な理由で、最初から東京という選択肢が存在しない同級生がほとんどだった。 大学の合格が決まり家族は大変喜んでくれた。母親は、喜びのあまり、買い物袋を落とし卵を割ってしまった。その光景を今でもよく覚えている。夕食でお祝いをしてもらい、両親は床に着いた。その時の夫婦の会話は

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          影響力のある人からの寵愛を受ける

          我が家に1年以上来ているスティービー(プードル メス2歳)、最近元気がない。昔は大型犬とも仲良く遊んでいたのに。理由がわからなかった。 昨日、いつも日帰り保育で来ているマルチーズの姉妹がお休みだった。そうしたら、スティービー、私の妻に擦り寄りずっとそばにいた。妻の膝に乗り、まるで秘書のようコンピューターを見つめていた。するとまるでスーパーマリオがキノコをゲットした時のようにみるみる元気になってきた。 我が家に来る犬たちは、小型犬は自然と妻のオフィスに集まる。大型犬は私のオ

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          研究費の半分以上は失敗のためにある

          大学卒業後の1991年に私は妻と渡米した。その後、私は2つの研究室で育てられた。特に2つ目の研究室、Joseph(Joe)Takahashi博士は私の科学者としての思考の基盤を確立してくれた。彼の研究室は大変大所帯だった。一番多い時で60人以上の研究者がいた。彼は大変忙しい人でほとんど研究室にはいない。世界中を飛び回っていた。あれやれこれやれということはほとんどない。自分たちで好き勝手にやっていた。新しい手法、技術をすぐに取り入れる風潮があり、研究好きには最高の環境だった。当

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