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【不老長寿】いつまでも老いない身体を手に入れる方法

今回から数回にわけて「不老長寿」について解説していきます。

いつまでも若くみられたい。
病気をせずに健康でいたい。
長生きしたい。

そう思っている方は多いはずです。
しかし、一方でこう考えてもいませんか?

歳だから仕方ない。
老いには逆らえない。

このシリーズは、若くいたい、健康でありたいとは思いつつも、どこかで諦めてしまっている方に向けて書いた記事になっています。

老いは、予防することができます。
それどころか、若返りさえ可能かもしれません。

これは、私が勝手に言っているわけではなく、多くの研究で明らかになっている事実です。

還暦を迎えたとき、
周りの人からどう思われたいですか?

70歳、80歳になったとき、
どんな生活を送っていたいですか?

このシリーズは、皆さんがいま思い描いた未来を実現するための方法を紹介していきます。


この記事を執筆するにあたり、参考にした本がこちら。

鈴木裕さんの『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』です。

鈴木裕さんは、ニコニコ動画にて、ブログ「パレオな男」を連載しています。「パレオさん」という愛称で親しまれています。パレオさんは、年間 5000 本の科学論文を読むそうです。1日平均だと 14 本ということになります。これまで読んだ科学論文の生涯累計は、10万本に達したとのこと。

そんな10万本の科学論文から、パレオさんが導いた不老長寿メソッドが本著です。

科学論文を10万本読もうと思ったら、
何年かかると思いますか?

それが、この本をたったの2時間読むだけで
知識が得られるとしたら?

めちゃくちゃお買い得ではありませんか?

まだ読んだことがない方は、ぜひ読んでみてください。いつまでも健康でいて欲しい、そんな大切な方へのプレゼントととしても喜ばれる本だと思います。

今回は、いつまでも老いない身体を手に入れる方法を解説します。

不老長寿の秘訣、AMPK

不老長寿メソッドのなかで若返りの秘訣として紹介されているのが『AMPK』です。
AMPKを活性化させることで、老いを予防することができると本書には書いてあります。

よくわからない横文字やめてー
難しそうだから、読むのやめよ。

ちょっと待ってください!
実は、皆さんが知っている•やっている健康習慣のなかには、AMPKと関係している習慣が多くあります。

もしかしたら、知らず知らずのうちにAMPKを活性化させていたなんてことも。

例えば、健康に良いと言われている食べ物。
例えば、運動。

皆さんの生活とも深く結びついているAMPKについて、これから解説します。


AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)とは

AMPKとは、AMP活性化プロテインキナーゼとも呼ばれる酵素です。

AMPKは、スイッチです。

なんのスイッチかというと、エネルギーを作るか作らないかを決めるスイッチになります。

もし、本日食べた晩御飯を最後に、
3日間何も食べられないとしたら?

とてもツラいとは思いますが、なんとか生きることはできますよね。

なぜ、食事というエネルギー源が
全く入ってこないにも関わらず、
生き続けることができたのだと思いますか?

その理由は、身体のなかに蓄えられていたエネルギーを使っていたからです。

生物は、太古の時代から飢餓に備えて、エネルギーを蓄えておく性質があります。

これを『貯蔵モード』とします。
貯蔵モードでは、ご飯を食べて余ったエネルギーをさまざまな形で身体に蓄えようとします。
例えば、筋肉や肝臓には糖質が保管されます。
また、身体の至るところに脂肪がついてしまうのもこのためです。

しかし、ひとたび身体がエネルギー不足に陥ると、貯蔵モードから『燃焼モード』に切り替わります。
燃焼モードでは、貯蔵モードで蓄えられた糖質や脂肪を燃焼することでエネルギーを作り出します
先ほどの3日間何も食べていないとき、身体は燃焼モードに切り替わることで命を繋いでいたのです。


そして、『貯蔵モード』から『燃焼モード』への切り替えのスイッチこそ、『AMPK』なのです。

AMPKが活性化することで、身体は燃焼モードになります。反対にAMPKが不活性化すると、身体は貯蔵モードに切り替わるのです。

私たちが普段暮らしているなかで、
身体は貯蔵モードと燃焼モード、
どちらの時間が長いと思いますか?

答えは、圧倒的に貯蔵モードでいる時間が長いです。
そして残念ながら、人類は貯蔵モードで長時間過ごすことに適応していません。

食べられる時に食べ、エネルギーを貯め込めるだけ貯め込む。そして、次に食事できるまでの間、燃焼モードで少しずつエネルギーを作り出して生きていく。

これが狩猟時代の人間だけでなく、生物としての当たり前だったのです。生物の身体は、それに適応するように進化してきました。
しかし、人間は農作を覚えたことで、常に食べ物がある状態が当たり前になりました。この急激な変化に、人間の身体はいまだに適応できていないのです。

燃焼モードで過ごす間、身体はさまざまな変化を遂げていました。この変化こそ、現代の人類が失ってしまった力です。


失われてしまった力を取り戻す方法は、AMPKを意図的に活性化させて、貯蔵モードから燃焼モードにスイッチさせることになります。

ここからは、AMPKを活性化させることで手に入る、AMPKの失われた5つの力を解説します。(1)

まずは、AMPKを活性化するメリットを知った上うえで、次回以降に紹介する具体的な方法を実践してみて下さい。


AMPKの力その1 寿命が延びる

AMPKの力その1は「寿命が延びる」です。長生きするためには、AMPKを活性化させる必要があります。

AMPKと寿命についての研究は、古くは1935年にコーネル大学が行った研究が発端です。(2)
この研究では、マウスに与える食事の量を制限することで、AMPKを活性化させて燃焼モードで過ごす時間を長くしました。

その結果、食事の量を制限したマウスの寿命が延びたのです。


さらに、1980年にはアカゲザルを対象にカロリー制限を行いました。(3)

その結果、カロリー制限を行ったアカゲザルは、人間でいうところの130歳を超え、アカゲザルの最長年齢記録を更新しています。アカゲザルは、人間と非常に似ているといわれる動物です。

そのため、AMPKの活性化が人間の寿命にも少なからず良い影響を与えることは、まず間違いないでしょう。

AMPKの力その2 糖尿病を予防する

AMPKの力その2は「糖尿病を予防する」です。
AMPKを活性化することで、糖尿病を予防することができます。

これは、燃焼モードになることで、たくさんの糖質をエネルギーに変えられるからです。

実は、糖尿病になると糖質をエネルギーに変えることが難しくなります。
その理由は、インスリンが効きにくくなるからです。
インスリンは、血糖値を下げるホルモンです。血液中を流れる糖質を細胞に運搬することで、血糖値を下げています。

血液中を流れる糖質は、エネルギーには変換されません。細胞のなかに運搬されることでエネルギーになるのです。
糖尿病になり、インスリンが効きづらくなると、細胞に糖質が運搬されにくくなります。その結果、糖質をエネルギーに変えることが難しくなるのです。

AMPKは、インスリンの働きを改善します。

細胞に糖質が運搬されるようになり、エネルギーがたくさん作られるようになるのです。
血液中の糖質がたくさん使われるため、血糖値も下がります。

AMPKを活性化することは、糖尿病の予防になるのです。

AMPKの力その3 ダイエット効果

AMPKの力その3は「ダイエット効果」です。
AMPKを活性化させることで、ダイエットすることができます。

これは、AMPKが貯蔵モード→燃焼モードに身体をスイッチさせるためです。

AMPKが長く活性化されていればいるほど、私たちは痩せることができます。
なぜかというと、脂肪が燃焼されるまでには時間がかかるためです。

私たちの身体は、エネルギー不足になると、まず肝臓や筋肉に蓄えられた糖質を利用します。
この段階では、体重が変わることはありません。
そして、蓄えられた糖質を使い果たしてから、やっと脂肪を燃焼するフェイズに入ります。
ここで初めて、体重が落ちるのです。

つまり、ダイエットを考えている人は、AMPKを長く活性化させることができれば、痩せることができます。

今年こそは痩せたい、という方。
闇雲にダイエットするのではなく、AMPKを意識したダイエットを行うようにしましょう。


AMPKの力その4 ガンを予防する

AMPKの力その4は、「ガンを予防する」です。
AMPKを活性化させることで、ガンを予防することができます。

どうしてAMPKを活性化させることで、
ガンの予防になるの?

AMPKが活性化することで作り出すエネルギーは、糖質や脂肪を材料としたものだけではありません
細胞内の古い器官を分解することでもエネルギーを作り出しているのです。

この工程は、オートファジーと呼ばれています。

このオートファジーが優れているのは、単にエネルギーを作り出すことではありません。
古い器官を分解してくれることにあります。

例えば、細胞にはミトコンドリアという器官があります。ミトコンドリアは、細胞内の発電所と呼ばれる器官。発電所という名の通り、酸素を使ってエネルギーを作りだしています。
酸素を使ってエネルギーを作る、という過程のなかで、活性酸素という有害な物質が一定の割合で作られてしまうことがあります。

活性酸素を発生させてしまう割合は、古いミトコンドリアほど多いのです。
活性酸素とは、身体のなかでさまざまな悪さをする物質。細胞を傷つけて、がん細胞を作る原因となります。

身体の中には、活性酸素を発見すると排除する抗酸化システムがあります。
しかし、疲れやストレス、さらには加齢により、抗酸化システムの機能は低下してしまいます。

活性酸素を発生させない環境づくりが重要なのです。

そこで、オートファジーです。
オートファジーが古いミトコンドリアを分解してくれるため、活性酸素の発生を減らすことができます。

結果として、ガンを予防することができるのです。


AMPKの力その5 若く見られる

AMPKの力その5は、「若く見られる」です。
AMPKを活性化させることで、肌がキレイになり、若く見られるようになります。

私たちが年齢を判断する材料は、肌の綺麗さです。
若くても肌荒れやシミ、クスミが目立てば実年齢よりも老けてみられます。
反対に、歳をとっていても若くみられることもあるわけです。

こうした肌荒れやシミ、クスミの原因の一つは、活性酸素だといわれています。

ここでも、活性酸素が悪さをしているわけです。

ガンの予防効果と同様に、AMPKがオートファジーを活性化させることで、活性酸素の数を減らすことができます。

結果的に肌へのダメージが減るため、肌が綺麗になり、若くみられるようになるのです。

まとめ

以上、 いつまでも老いない身体を手に入れる方法でした。

AMPKの5つの力を知っていただいたかと思います。

次回の記事では、具体的に何をすればAMPKが活性化するのかを詳しく解説いたします。

AMPKの活性化を支える柱は、全部で6本あります。

ぜひ、こちらの記事とあわせて読んでいただき、不老長寿の身体を手に入れましょう!


それでは、また次回の記事もよろしくお願いします!


参考文献

(1) Salminen A, Kaarniranta K. AMP-activated protein kinase (AMPK) controls the aging process via an integrated signaling network. Ageing Res Rev. 2012 Apr;11(2):230-41. doi: 10.1016/j.arr.2011.12.005. Epub 2011 Dec 15. PMID: 22186033.


(2) McCay CM, Crowell MF, Maynard LA. The effect of retarded growth upon the length of life span and upon the ultimate body size. 1935. Nutrition. 1989 May-Jun;5(3):155-71; discussion 172. PMID: 2520283.


(3) Mattison JA, Colman RJ, Beasley TM, Allison DB, Kemnitz JW, Roth GS, Ingram DK, Weindruch R, de Cabo R, Anderson RM. Caloric restriction improves health and survival of rhesus monkeys. Nat Commun. 2017 Jan 17;8:14063. doi: 10.1038/ncomms14063. PMID: 28094793; PMCID: PMC5247583.

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