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あなたのファンタジーはどこから?私は近所から(笑)〜創作アイデアの拾い場所〜

 どうもこんにちわ!
 絵文両刀の創作をしております、香月 優希です。
 自分が手掛けているのは、主に"異世界ファンタジー"と言われるそれですが、その世界のイメージとかどこから来るの? ってたまに聞かれるので、主には昨年完結したファンタジー長編小説『風は遠き地に』の時に考えていたことを柱に、綴ってみようかと思います。
 
『風は遠き地に』の舞台は異世界なんで、ここの現実のお話じゃありません。
 でも、出てくるのは主に人間だし、さすがに朝昼晩の順番とか、ちゃんと眠らないといけないとか、多分、食事ペースも、私たちとそう変わらない。
 普通に毎日、やるべきことに追われたり、楽しいことを考えたり、恋愛したり、家族がいたり、仕事のことで悩んだり…まあきっと、私たちと似たようなものでしょう。
 なので、お話を書いていく時の周りのあれこれも、それを基盤に掘り下げていきました。

冒険ファンタジーの"冒険"のイメージはリアルの山

 まず、ファンタジーの王道要素でもある、冒険の旅。
 皆さんはこの"旅"について、休憩はどのくらいおきに取りそうか、食事はどうするのか、水分補給は? 着替えは?お風呂は? そして旅の荷物はどのくらい持つ? みたいなこと、考えますか?
 昔…創作ブランク以前の10代の自分は、RPGゲーム感覚で、次の町までの距離やら日数やらまでは、実は全く考えていませんでした。
 マップを歩くみたいにちゃかちゃか進んで行く、そんな感覚で書いていたような…(笑)。どんな荷物持ってるかとかも、ほとんど考えていなかったと思います。
 でも、創作から離れて15年以上もブランクが空いて、それこそ小説は20年ぶりくらいに書き出したんだけど、その間にゲーム脳よりリアル脳が勝り、旅好きで一人でもあちこち出掛けまくっていた経験が、ここでやっと活かされることとなりました。

 ズバリ!
 冒険ファンタジーで自然の多い旅路を描くことが多い人は、山!おすすめです!

 少し険しめの山道を進んだり、登る時にかかる力とか、荷物の重さ、標高、気温や時間による景色や温度の変化などを体感しておくと、文章や説明には書かないにしても、深みや説得力が生まれる。
 私の場合は、父が山登り好きだったので、ハイキングレベルから、登山靴が必要なレベルまで、さまざまな山に一緒に登りました。テントで野宿もしたし。これは今思うと本当にラッキーな経験。産後も、子供が一緒に行ける山には行ったりしてて、今後もまた機会が作れたらなと思っているところです。
 あと、父が買っていたけど、山の雑誌とか本も、良い資料になります。
 まあ、そこまで行かなくても、自然公園とかでも、充分にファンタジーの冒険っぽい妄想には浸れます。ぜひ、ネタになりそうな場所を探してみましょう。

 あとね、うちだと近所は箱根になるんだけど、火山系の場所も良きです。
 魔物の気が満ちてるとか、人を寄せ付けない空気感があるんですよ。あの険しさは、ファンタジーっぽいです。
 実は、『風は遠き地に』の最終決戦の場のイメージは、大涌谷あたりだったりするんですよ(笑)。

最終決戦のイメージの大涌谷
なんかこう、見えざる力が湧き出てくるような感じでしょ?(笑)

 直接行けなくても、登山系のテレビ番組とかで擬似体感するのも楽しいです。日本ではあり得ない高さの山に登ってる番組とか、途中の集落の話とかも織り交ぜて、標高を脳内にメモりながら観たりします(笑)。

 あと、意外と重要視しているのは、彼らは1日、どのくらい進むんだろう? 乗り物はある? みたいな、移動の手段と時間のこと。
 これも、『風は遠き地に』では徒歩が主な移動手段だったので、東海道を徒歩で歩いていた時代の文献など参考に算出しました。
 馬に乗るとかなら、乗馬できるところに行ってみて、ぜひ一度乗ってみて下さい。あれ、案外揺れます(笑)。
 ちなみに私、珍しいとこといえば、エジプトでラクダに乗りました。ラクダは馬よりも上背があるので、乗ると本当に高いです。でも見晴らしは良かった(笑)。

 こういうのはすごく厳密にでなくてもいいし、そんな設定は描かれる場面もないかも知れないけれど、作者の頭の中にはあった方がいい。この場面は朝なのか昼なのか夜なのか、気温はどのくらいかなど、頭の中だけでもちゃんと思い描けているかは、作品の深みにも影響がある気がするんです。
 自分が人様の作品を読む時にはそんなこと気にしないんだけど、例えばキャラが白い息を吐いていたりすると、無意識に「寒いんだな」って情報が入って、自分もなんか寒くなるみたいな、リアル感覚が生まれるので。

町はどんな町で、どんな気候? 人が住んでる場所のイメージ

 これもまた、イチから作るわけではありません。
 リアル世界だったら大体どの辺の町が近いなっていうイメージを、常に持っています。
 一番描きやすいのは、やっぱり地元。なので、私の創作は関東の気候が基盤になっていることが多いです(笑)。
 あとは、地図。
『風は遠き地に』は、日本地図の大きさに当てはめて作っています。なので、土地の気候もそれに合わせて書いているけど、基本的には自分が行ったことがあるとか、親戚や友達がいて話が聞きやすい場所が登場します。でないと、リアルに思い描けないから。
 山脈から北の方は、東北〜北海道っぽい気候、南が、関東や東海などです。
 こうすることで、自創作でのどの町が、日本でのどの辺り、という大雑把なイメージがしやすくなるので、日本の距離感に合わせるのは手軽でおすすめです。

『風は遠き地に』舞台のエディラドハルド地図

 続いては、人々の暮らしぶり。
 現代の生活はさすがにファンタジーには進みすぎているので、なかなかリアルに経験は出来ないです。
 そこで、暮らしぶりについては、昔の暮らし系や、家電の歴史系の本が重宝しました。自分の描くファンタジーの世界は、現実世界で大体どの辺りの文明と一致するのかを漠然とでも考えながら読むと、色々浮かんできて面白い。
 料理はどうやって作っていたのかとか、家事はどうしていたんだろうとか。道具は、どんな物があるだろう。冷蔵庫はなさそうだけど、魔術師が氷を作れれば、それを入れて使う、昔の冷蔵庫みたいなシステムは作れそうだなとか(笑)。

 文化的な展示をしている、民族や歴史の博物館にもお世話になりました。水道や電気の整備はどうだったのか。物資はどう運ばれていたのか、手紙は何日くらいかけて届くのか。船の材料はどう進化したのか。いろんな部分を掘り下げるヒントも沢山ある。
 最近はブームもあるのか、古民家を公開している場所なんかもあるし、意外と"その場"はあったりします。本物を見ると、よりイメージができて、すごく良いインプットになりますね。

登場人物の服飾や装備品のイメージ 

 細かく決めているわけではないけれど、綿だの麻だの革だのっていう、ざっくりした感触は意識してます。まあ、現実で着ている素材とそんなに変わらないけれど、ビニールとかは存在しないだろうなとか(笑)。
 ちなみに『風は遠き地に』では、水筒は竹筒だったり、革張りにロウを塗って撥水加工を施すなどのイメージです。
 鎧など装備品は、さすがにその辺でお見かけできるわけではないけれど、その手の資料を見て、重さを意識しています。実は、剣はヨーロッパ周遊旅で工房に行ったことがあって、うっすらと覚えているんですよ。重かった。うん。もう25年くらい前なんだけど…写真がどこかにあるはずなので、そろそろ真剣に探そうと思います(汗)。
 靴については、靴ブランドに勤めていたので、かなり具体的なイメージを持って書(描)いています。そんでもって、現実の靴屋で、雰囲気に合いそうな靴を物色したりもする。
 革でも、牛なのか…いや、自創作世界に牛はいないんで、牛みたいな動物の(笑)とか、ヌバックっぽい素材とか、山羊系かなとか。
 革素材は服などにも使えますから、少し調べて知識を身につけておくと、けっこう使える場面があると思います。

拙宅キャラの履いてる靴イメージも、リアル世界の、しかも自分の靴から(笑)

 あの頃、また創作しだすなんて思ってもみなかったけれど、そこに就職した自分に感謝です。人生、何が役に立つかなんてわからないものです(笑)。

結局、ファンタジーはここにある

 そんなこんなで、異世界とか言いながら、全部その辺にあるよって言っちゃって、この記事は終わります。
 そりゃあ、魔物や魔術なんかが、その辺にあるわけではないけれど、リアルな想像で固めた世界にそれが乗ってくると、「ありそうかも」っていう感覚になってくる。その辺は、現実世界でも解決していない謎と同じようなもので、それがファンタジーなんでしょう。基盤は現実世界の感触だけど、「だってファンタジーだから」と「うちの世界ではこうなの」っていうのもバランス良く混ぜて、それぞれのファンタジーに仕上げていけばいいんじゃないかなと思うのです。
 なのでこれからも私は、現実世界のあちこちで、勝手に自創作とリンクした妄想を広げながら、それを自分のファンタジーに反映していくことでしょう。
 ほら、これだって、うちの近所の雑木林だけど、ファンタジーの旅路っぽい景色でしょ?(笑)

ファンタジーな旅で出てきそうな背景

 つまりは、いつも頭の何処かで、自創作のことばっかり考えている妄想族ってことなんで、ある意味危ない妄想の人なんだろうけれど(爆)。
 本日はこの辺で、最後にちゃんと自創作小説の宣伝を置きまして…ではではまた。
 読んでくださってありがとうございました!

⭐️長編ファンタジー小説『風は遠き地に』掲載場所⭐️

📚小説家になろう 
https://ncode.syosetu.com/n5601hf/
📚カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/16816700428155671702
📚pixiv
https://www.pixiv.net/novel/series/7877578


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