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DESCENTの修理対応が神がかっていた

10年近く前、当時の上司が「これ、いる人いる?」と職場の大掃除をしている際にDESCENTの水沢ダウンを手にしていた。
「いります!!」と即答したのは私だけ。
背丈もちょうどいいだろうと、上司はさらっと譲ってくれた。
自社で初めて取り扱った水沢ダウンの売り上げに貢献すべく購入したらしいが、レディースでサイズも合わないので眠らせていたらしい。

10万円以上もする商品だと知ったのは、それからしばらくした後のこと。友人から「それ、めちゃめちゃ良いダウンジャケットだよね!」と教えてもらった。
それ以降、上司の依頼を無下にできなくなったのは言うまでもない。

どんなに寒い日でもこの水沢ダウンを着れば、ぬくぬくと温かく北風もへっちゃら。しかもダウン特有の着ぶくれ感がなくて、シルエットがスマート。すっかり毎年の冬の相棒となった。
しかし、何年か経った時、たまたま母の車に乗ってドアを閉める際にファスナーの持ち手を挟んで割ってしまった。
半分ほどに折れた持ち手を持ってファスナーを上げるのは難しく、それからは前を開けて着なくてはいけなくなったので、少し寒い思いをしていた。
それでも他のアウターに比べれば断然に温かいので、毎年クリーニングに出しては「ファスナー破損」とコメントされても気にせずに使っていた。

たまたま原宿駅を通った時にDESCENTの店舗があったので、修理できるか聞いてみたことがある。ショップスタッフの方は「見てみないとわからないですが、できなくはないと思います」と教えてくれたが、持ち込む機会はなかった。

コロナを経て外出する機会も減り、気づけば10年。子どもとの生活の中で自分の暮らし方を見直している中で、ふと「ダウンジャケット修理できるのかな」と思い立った。着なくなった服をリユースやリサイクルに出す整理をしている時だった。

ネットで「デサント 水沢ダウン 修理」と検索すると、ブログで修理対応を経験した人の記事が出てきた。そこにはDESCENTのサイトからカスタマーサポートに問い合わせできると書いてある。
早速お問い合わせフォームに商品の型番と破損の状況や修理可能かどうかなどを記載し、送信した。せっかくなのでダウンがへたってきてしまっているため、メンテナンス方法も教えて欲しいことも書いた。

2,3日後、担当の佐藤さん(仮)からとても丁寧なメールが届いた。

お便りならびにデサント製品をご愛用いただき、ありがとうございます。
早速ですが、お尋ねの水沢ダウンジャケットのファスナー金具破損に関しましては、お品物の状態を弊社品質管理担当にて確認のうえ、改めて修理の可否やお見積りをご報告申し上げたく存じます。
お手数とは存じますが、下記宛にヤマト運輸またはゆうパック等の着払い指定便にて現品をお送りくださいますようお願い申し上げます。

なお、お尋ねの「ダウンのへたり」に関しましては、一般にクリーニング時のタンブル乾燥などによりダウンのかさ高性を回復させることをお勧めいたしております。
参考として、お洗濯状況やその他お気づきの点等についてメモを添えていただけましたら幸いです。
また、お品物到着後、お電話にてご連絡を差し上げる場合もございます。
恐れ入りますが、下記営業時間内でご都合の合わない時間帯などがございましたら、併せてお知らせくださいませ。

メールより

なんと、商品を着払いで送ったら確認して見積もりをしてくれるという。
ダウンのへたりに関しても、回答が書いてあった。
ありがたく着払いで指定の住所にダウンジャケットを送ると、今度はメールではなく修理方法と見積金額を書いた直筆の手紙が届いた。修理金額は数千円。新しく買いなおす1/10ほどの金額だった。
何よりこのご時世にメールで済まさずに手紙で用件を伝えてくれる佐藤さん(仮)の人柄に、気持ちがホッと和む。

見積金額での修理を依頼し指定の口座に代金を振り込んだ後、2週間ほどしてからだっただろうか。
金具だけではなくチャック丸ごと新しく取り換えて頂いて、しっかり前を閉じられるようになったダウンジャケットが届いた。
心なしかダウンもふんわりしているような気がする。
おかげでもう10年は活躍してくれそうな復活具合だ。

正直これまで自分の身の回りの物(服や靴など)で3万円を超えるものはほとんど買ったことがない。(一番高かったのは、23歳で初めて職場の先輩に結婚式の2次会に呼ばれ、着ていくために買った黒のワンピース。今でも捨てられない)
服は流行よりコスパと機能性が最優先だった。
それはたぶんこれからも変わらない。

でも、今回DESCENTの修理対応を通じて値段相応の価値も一つのコストパフォーマンスであることを知った。
そして商品を大切に考えている色々な人の手(佐藤さん(仮)や修理してくれた人)が携わっていることを、体感させてもらうことができた。
自分自身はまったくスポーツには縁遠いのに、今回の件でどっぷりDESCENTのファンになってしまった。
子どもたちがスポーツを始める時は、まずDESCENTに連れて行こう。

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