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ピンチの時の小さなヒーロー

夫氏が入院一歩手前の肺炎になっていることがわかった昨日、保育園からの帰り道に自転車を漕ぎながら子どもたちに状況を伝えた。
「お父さんが肺炎になっちゃって入院するかもしれなかったぐらいしんどいから、2人ともお父さんに優しくしてあげてね」と。
夫氏とアクロバティックないつもの遊びはしないで欲しい、くらいのニュアンスで。

ところがさんちゃんは「お母さんも大事にするの。骨が折れているから」と言ってくれた。「僕がお母さんを大事にする担当で、べえさんがお父さん担当」と。
「ありがとう。お母さんそれはとてもうれしいけど、お父さんもお母さんもさんちゃんとべえさん2人とも大事だから、2人にもお父さんとお母さん2人ともに優しくしてほしいな」と返しておいた。

わが家の近くには大きな畑があって、さんちゃんはたまにその畑付近に来ると自転車を降りて家まで走って帰ろうとする。
昨日もそんな気分だったようで、自転車を降りて走り始めた。
途中でごみ収集場にわが家のごみ箱が残っているのに気づいたさんちゃん。いつもはそのままスルーして家まで突っ走るのに、昨日は自分の背丈と同じくらいのごみ箱を抱えて家まで歩こうとする。

「重たくない?」と聞くと「大丈夫!お母さんしんどいから僕が持って行ってあげる」と、えんやこら持ち上げて家まで運んでくれた。
「ありがとう。お母さんめちゃくちゃ助かったー」というとべえさんも一緒になって「ありがと」と言う。めちゃくちゃかわいい。最近のべえさんのブームはリピートアフターユーなのだ。

帰宅後、子どもたちは手を洗って動画タイム。その間に洗濯を始め、作っておいた夕ご飯を仕上げて配膳をするのがルーティンなのだが、昨夜は自分の動画タイムを終えたさんちゃんが台所にさっとやってきて、準備していた夕ご飯のお皿をどんどん食卓に運んでくれた。
今までだったら動画をもっと見たい!とぐずったり、すぐダイニングテーブルについて「ごはんまだー?」と言うさんちゃんが、なんと自分から配膳をしてくれるなんて!

どういう風の吹き回しかと思ったら、やはり帰り道の「お母さんに優しくするのは僕の担当」というのが効いているらしい。
さんちゃんの優しさにグッと来ていたところ、べえさんがすかさず「ありがと」とさんちゃんに声をかける。泣けるーーーーー。

ちなみに「お父さんに優しくする担当」のべえさんは、食後夫氏の頭をなでてよしよししていた。感動しいの夫氏が号泣したのは言うまでもない。

最近子どもたちの(特にさんちゃんの)「ママあれやって!」「ママがやるの!!」がしんどすぎて、「私はあなたたちの召使いではないのです。あんまりママにばかり頼むとママはロボットじゃないし壊れてしまうよ」と話したばかりだった。
そう言ってもやっぱり「ママ!ママ!」は減らず、つい「お父さんもそこにいるじゃん!」と言ってしまっていた。

でも、本当に親がピンチの時、子どもたちは自分で考え、できることを見つけ、家族を助けようと力を出してくれる。それは小さなヒーローだけど、どんなに強い正義の味方よりも心の支えになる。
いつもは甘えられてばかりで大丈夫だろうかと思っていたけど、それは杞憂。2人は頼もしく成長していることを、その姿で教えてくれたのだった。

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