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是枝裕和×坂元裕二映画の公開が楽しみ過ぎる!

監督是枝裕和と脚本家坂元裕二が協働で創った映画が、来年6月に公開されると、ネットニュースにありました。楽しみ過ぎる!それまでは死ねない、と思った方も多いのでは? 私はそう。
是枝監督の映画は、「誰も知らない」以来ほとんど観ていますが、一番好きな作品はダントツで「歩いても歩いても」。一見どこにでも見られるような和やかな家族団らんの場が続くけど、それぞれの人の心に秘められたもやもやした感情がわかってくる。その、自分自身で抑えていたというより、あえて見ないようにしていた気持ちが、何かをきっかけにして表出してしまう瞬間。それが、とてもリアルに表現されていて、大きな事件は起こらないのに深く感動しました。
誰にだって、あえて人には話していない黒い暗い部分がある。でも同時に明るく優しい部分もあって。人一人だけを眺めても、とても複雑で、たぶん当人でさえ整理できない、明瞭に言語化はできない感情が渦巻いている。
次男嫁(まだ入籍してない設定だったかも?)が、初めて訪れた夫の実家で感じた思い…自分はよそ者であると感じざるを得ない…も、わかるわ~って感じです。
なんでこう、よその家って、自分の家とは違うんでしょうね。家族の空気感は構成する人で変わり、唯一無二のものがつくられていく。
さて坂元裕二さん…どのドラマでも、覚えておきたい台詞の数々。最も好きなのは「カルテット」ですが。このドラマの脚本家だれ?と初めて思ったのは「Mother」、そして「それでも、生きてゆく」。
「それでも、生きてゆく」では、幼児殺人事件の、加害者、被害者両方の家族の癒えない傷を丁寧に扱い、今もずっしりと心に残ります。
とりわけ、加害者側の家族の気持ち…その、生きる試練を感じて苦しくなりました。
今、社会で堂々と大きな仕事をしている人のほとんどは、家族に殺人犯がいない人。けれど、殺人者逮捕の数だけ、その身内の者たちがいて、今も生きている。自分が犯人でなくても、生涯その生きづらさを抱えていかなくてはならない。
是枝裕和さんと坂元裕二さんのインタビュー記事が、じいんときました。
お二人とも、圧倒的な才能や実行力がある方。雲の上の人。でも、人に対する羨望や自分に対し自問自答する気持ちも話しておられ…当然だけど、そうした繊細な自分自身の心もしっかり見つめてこられたから、お二人の作品は、胸を打つんですね。
来年6月2日封切、「怪物」という作品だそうです。楽しみ過ぎる!

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