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外苑前通信 vol.1 ワタリウム美術館 〜デザインの幅を拡げるためのインプット〜

VALU Advent Calendar 2019 ももう19日目です。ついこの間書いたばかりだと思ったのに!

みなさん、美術館や博物館に最近行きましたか? 私は最近では東京ミッドタウン にある21_21 DESIGN SIGHTの「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」や国立科学博物館の特別展「ミイラ」を見たりしました。ちょっと前では森美術館の「塩田千春展:魂がふるえる」もとても話題になっていましたね。

私は美術出身なのでもともと美術館には慣れている方ですが、なかなか足が向かない人や自分の専門外のジャンルだと全然、という人も多いんじゃないかと思います。

私の勤めているVALU(外苑前にあります)のすぐ目の前にも現代美術界では有名で人気のあるワタリウム美術館があるのですが、社内でもほぼみんな行ってないようなのでここで紹介できればと思います。


ワタリウム美術館

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http://www.watarium.co.jp/

外観が特徴的なワタリウム美術館は外苑前、ピーズオブケイク社やVALUのある通りを新国立競技場方面に少し行くとあります。建築家はマリオ・ボッタで1990年に開館しています。青山、1990年代というといかにもバブルなイメージですが、当時から現代美術をずっと発信し続けている美術館で、美術を学ぶ学生には、以前表参道にあった書店&ギャラリーの「NADiff(今は恵比寿)」とからこのワタリウム美術館へ歩いてくるのが、洋書のアート・デザインカタログ、書籍、デザイングッズ巡りの定番コースでした。

中は広くはないのですが、地下1Fから地上5Fまであり、2Fより上で展開される企画展はエッジの効いたセレクトも相まって他の美術館では中々得られない体験ができます。1Fと地下1Fはミュージアムショップ&カフェの「ON SUNDAYS」。地下の豊富な現代美術、写真の洋書のカタログ、書籍は圧巻で、都内でもこんなに揃うところは中々ないですね。ON SUNDAYSは入場料かかりませんので、インスピレーションを受けにくるのにもオススメです。

現在(2020/3/22まで)はフランスのアーティスト「フィリップ・パレーノ」の展覧会が開かれています。

センサーやLED、調光器にDMXレコーダー、ワイヤレススピーカーから氷の雪だるまや石まで使ったインスタレーションの作品群とワタリウム美術館の特徴的な階層の構造とで全体で一つのメディアとなるような展覧会です。現代美術や絵画にあまり関心がないデザイナーやエンジニアにも面白いのではないかと思います。

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ON SUNDAYS

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ワタリウム美術館地下のON SUNDAYSギャラリースペースでは2020/1/19まで「ジョン・ルーリー:新作版画展 Painting with John」を展示中、こちらは無料で見ることができます。ちなみに、このジョン・ルーリーという作家はジム・ジャームッシュ監督の代表作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の主役を演じていた俳優です。ジム・ジャームッシュ好きとしては予期せぬ嬉しい出会いでした。目当てにしてきた作品やアーティストだけではなく、こういう新しい発見や関連性が見つかるのもワタリウム美術館とON SUNDAYSならではかも知れません。


デザインの幅を拡げるためのインプット

美術館やギャラリーに実際に足を運んで、実際の作品を見る、というのはWebで何でも見つかって、高解像度に見られる今でも、いや今だからこそとても重要で普段デジタルで仕事をされているデザイナーにももっと行って欲しいなと思います。デザイン、アート、映像、写真、何でも。

例えば写真の作品。写真自体は2次元の表現ですが、写真家には作品を成立させるための物理的な大きさが必要な要素として存在し、それをどの手法でどんなテクスチャのある紙に定着させるのかを考えています。

例えば、冒頭でも触れた21_21 DESIGN SIGHTの「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」。誰でも知っているようなデザイナーのあのプロダクトやあのロゴがどういう経過で、最終の形に行き着いたのか。山中俊二さんの万年筆による手書きのスケッチのかすれやインクだまりに感じられる筆の速さの強弱。深澤直人さんのプロトタイプに見られる、素材を切削した表面の痕。

これらは実際に美術館で自分の身体を伴った体験でしか感じられないものです。ブラウザで写真で見てもやっぱり伝わらないもの。

作家やデザイナーがどうやって作品を完成させているのか、そして自分は受け取り手としてどう感じたのか。それを経験し、自分のものとすべく考えていくことは、普段Webやアプリでサービスを展開し、そのUXを考えているデザイナーやエンジニアにもきっととても意味のある体験になると考えています。

自由な価値観で新しい体験と発見を

幅広いインプット大事

ということでみなさん美術館・ギャラリーにもっと行きましょう〜!
ワタリウム美術館の「フィリップ・パレーノ」展も音のうるささも実際に体験してください(笑)

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