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12_移住後の価値観_断熱なくして快適なし


「けーすけ」と申します。

都内での会社員生活が5年半を過ぎた頃、うっすらと妄想していた田舎暮らしを実現させたいと思い立ち、その半年後には長野の山奥で生活をスタートさせました。

2023年5月に東京から長野に移住して以降、春夏秋冬をひと回り体験し、約1年が経とうとしています。

自然豊かな環境で季節の移ろいを感じながら穏やかに過ごすという、東京では得られなかった暮らしを実現でき、現時点で移住への後悔はありません。

しかし、移住後の生活はポジティブな面ばかりではなく、やはりネガティブな面もあります。

そしてそのネガティブな経験が新たな気付きとなり、価値観を変化させつつあります。

本日は、そんなネガティブな経験から得た価値観についてお話しします。

移住で直面する家の問題


移住において、家をどうするかは大きな問題です。

いきなり家を買ったり建てたりすることは難しいので、ひとまず賃貸を探す、もしくは古い空き家を取得するというケースが一般的かと思います。

ここで直面する問題として、基本的に地方の家は築古のため、都市部に比べると住宅の性能が低いという点が挙げられると考えています。

地方の都市部か田舎の方かにより状況は異なるものの、空き家バンクに登録されているような田舎の空き家は築30年以上の物件が殆どで、築年数不明という物件も多くあります。

近年古い空き家を購入しリノベーションするというケースもよく耳にしますが、相当な覚悟と時間を要するため気軽に決断できることではありません。

つまり、家を新たに建てたりリノベーションしない限り、移住後は築古の住宅に住むことは回避出来ません。

では築古の住宅の何が問題かいうと、ずばり断熱性能が低いことであり、古い家は夏暑くて冬寒い生活を余儀なくされるということです。

断熱性能が低い住宅は温かい所から冷たい所へ熱が移動しやすく、夏は高温の外気熱が家の中に篭り、冬はストーブで温めた熱が家の外に逃げてしまいます。

床・壁・天井・窓が熱の移動を防ぐことができず、家の中が夏暑く冬寒い状態になってしまうのです。


私の実体験(真夏)


私が暮らす長野市の山間部は標高1,000m台の寒冷地で、長野の都市部と比較しても気温は4℃ほど低く、夏は非常に快適なエリアです。

しかし、近年の温暖化の影響で8月は気温が30℃を超える時期があります。

寒冷地はエアコンが無い家が多く、私の家にもエアコンが無いため、8月の日中は家の中で仕事や家事をするのは厳しい状態が続きました。

東京の暑さを逃れて長野に移住したのに、エアコンのある東京の方が室内は快適という奇妙な状況に困惑したことを覚えています。

※ただ夜はエアコン無しでも快適に寝ることができ、エアコンによる身体の不調とは無縁なので、夏の総合的な満足度は移住後の方が高いです。


私の実体験(冬)


夏に涼しい分冬寒いエリアのため覚悟はしていましたが、冬の寒さは厳しいものでした。

朝夜の外気は基本マイナスで、朝の室温は10℃を下回ります。

灯油ストーブで一時的に部屋は温まるものの、断熱性能が低いため熱は室外に逃げてしまうため、以下のような状況が生まれてしまいます。

  • 頭付近は暖かくても足元は寒い

  • 浴室と部屋の温度差で身体に負担がかかる

  • 活動量が減り運動不足になる

  • 身体の血流が悪く足先が霜焼けになる

※DIYですべての窓の窓断熱を行い幾分マシにはなったものの、対処には限界がありました。


快適な暮らしの土台は快適な温度


この経験から感じたことは、自然の豊かさなどの環境以前に、快適な温度が無ければ人は快適に暮らせないということです。

地方・都会を問わず、快適な温度を保つ家は快適な暮らしを実現する上で欠かせないと考えます。

国はカーボンニュートラルの実現に向け住宅の省エネ性能向上の取り組みを推進しているため、今後新築・リノベーションされる物件は性能が向上していくことが予想されます。

一方、築古の既存住宅は断熱性能が低いため、移住に伴い家探しをされる方は、真夏や真冬に厳しい環境となる可能性があることを認識し適切な対処を行う必要がありそうです。

移住に際しまずは賃貸に住むという場合は、DIYで窓断熱を行うなど、短期間を凌ぐための対処が良いかと思います。

空き家などを取得される方は、取得費用に加えて断熱施工を見込んだリノベーション費用が発生することを念頭において予算を決めると良いと思います。


移住によって理想の暮らしを実現するためには、豊かな自然環境などと共に快適な温度の住空間が必要であり、築古の物件が多い地方ではその実現に一定のハードルがあるというお話でした。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

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