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明日の経営管理者は、どのように育成すべきか。

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACEスペシャルコラムドラッカー再論では、ドラッカーは何を見、何を伝えたのか、私たち、実務経営者にとっての「実践的ドラッカー論」について、再考・熟考・使い熟しをしています。


明日の経営管理者には二つの種類の準備が必要だとドラッカーは言う。

「一つは、経営管理者になる前に身につけることのできるものである。すなわち、若いときから身につけることのできるものである。もう一つは、経営管理者としての経験があって初めて学ぶことのできるもの、いわば社会人教育によってのみ身につけることのできるものである。」(『現代の経営』、1954年)

そもそも前号のまとめでドラッカーが述べていた通り、私たちは、コンセプト、原則、パターンによってマネジメントすることができる。マネジメントのシステム、方法を適用することができる。その体系化こそ、ドラッカーが目指していたものであり、おそらくあらかた実現したものだ。私たちは、そのおかげでいま、ドラッカーからマネジメントや経営を学ぶことができている。

ドラッカーは若いときに学べることとして、大学で学べることのうちで経営者教育の準備として最も有効なのは、詩を書くことと短編小説を書くことだと言う。自らの考えを表現する方法、言葉とその意味、文章を書くことが経営者への準備として最も有効である、と。なるほど、そうかと思う。そうすると、おそらくほとんどの経営者や経営候補者としての経営管理者は、この学びをやっていないだろう。

「若いときには、論理、分析、数学的手法について理解し、知識を習得することができる。また、明日の経営管理者が必要とする科学と科学的手法についての基礎的理解を得ることができる。さらには、歴史や政治学によって社会を観察し、理解する力を培うことができる。経済を学び、経済の分析手法を学ぶことができる。」(『現代の経営』)

言い換えるならば、若いときには、経営管理者として必要な一般教養を学校教育や独学で身につけることができる。

これらに加えて、あらゆる経営管理者は技術的、機能的スキルを持ち、プロとしての誇りを持つことが必要だとドラッカーは付け加える。

「しかし特定の機能的スキルしかもたず、ビジネスやエンジニアリングの科目しか学んでいない者が、経営管理者としての準備ができているとはいいがたい。就職のためのスキルをもつにすぎない。」(『現代の経営』)

目標によるマネジメント、事業の分析、さらには目標の設定とそのバランス、目前のニーズと遠い将来のニーズの調和について学ぶには、人としての成熟に加え、マネジメントの経験が必要だ。

「経営管理者としての経験あるいは成人としての経験がなくとも、これらのことを唱えることはできる。しかし行うことはできない。リスクを評...

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